323 / 996
サンバステップカンフーショー!
しおりを挟む
サメがサンドイッチを食べている。
モグモグ
おっちゃんやイッキュウと同種であると思われるのだが…そしてそばには山宮が立っていた。
山宮は美味しいサンドイッチを作るサメの話を聞いた、そして実際に食べさせてもらって、これは是非とも美味しいので炊き出しで出したいと思ったのだが、一つ困ったことがあった。
予算である。
モグモグ
そのためコストを考えながらも、このサメに納得していただけるものをと作ったもの、今、これを食べていただいていた。
ゴクン
この食べ終わるまでの時間というのは、いつになっても慣れないものではあるが。
スッ
サメはヒレを差し出した、満足した出来だったらしい。
近いうちに炊き出しにサンドイッチが出ることになるだろう。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「サメの文化っていいよね、求愛のダンスっていうの、振り付けも個性があって、四大文明というか、世界的には文明のゆりかごというけども、川などはいろんなものを育むんだよ」
「珈琲、こちらに置きますよ、館長」
「ありがとう」
「でも実際に本物を目の前にしたら、過激なファンとか出てきそうですよね」
「えっ?この間、そういう事件あったんだけど」
「そうなんですか」
KCJから来てるかたでも、部署が違ったりするとこんなもんだよ。
「あっ、本当だ、ニュースになってる」
「あっはっはっ…」
「大丈夫かい?シック子ちゃん」
「ごめんね、大丈夫かと思ったんだけど、今頃震えてきちゃいました」
「無理しないで休んだ方が…」
「ううん、マネージャー、せめてサメさん達にはお礼は言わせて」
そこでサメたちのツアーコンダクターが通訳として同席する形になりました。
「今回は本当にありがとうございました、私はもちろんですが、あの場にいましたファンのみなさんやスタッフの方々に被害が出ることがなかったのは、みなさんのおかげです」
~~~□□△
人間の耳には、サとメぐらいしか聞き取れないのだが。
「はいはい、なるほど、ではそのように」
シック子ちゃんが不安を感じているのがわかったようで、マチェテ(スペイン語で鉈のような刃物)と異名を持つサメのお嬢さんが、鰹節の素振りをして見せた。
シュシュシュ
空を切る音と共に上中下の三段突き。
「鰹節は市販でいいわ、これを毎日自然と体が覚えるまでやりなさい、美容にもいいわよ」
「はい!」
「はいじゃないよ、シック子ちゃん」
「…あ、ごめんなさい」
何故か『はい』と言ってしまう説得力があった。
「助けてくれて本当にありがとう」
彼女は何回も何回もそう言った。
ここからは帰り際のサメ同士のお話を翻訳したものである。
「ちょっとちょっと、あなたはああいったけども、あの子は鰹節素振り始めると思う?の?」
「そうね、正直なところわからないわ、でもね、出来れば物にしてほしい、あの子が本物のアイドルならばきっと物にしてくれるでしょ」
「そうね、もしもそうなったら、みんなであの子の応援に行きましょう」
「そういえば並んでいた子達が団扇に写真を貼ってたわね、あれ作りましょうよ」
河川じゃないサメたちにとって、文化、文明、コミュニティはあることはあるが、一生の大半はサバイバル生活である。
そんな中、アイドルというものを知った。
「住んでいるところに光がないと、キラキラしているものに弱いのよね」
理由が思ったよりもカラスやチョウチアンコウのようであった。
『サメがグイグイ来てますが、ここは浜薔薇の耳掃除です』
KCJの炊き出しはメニュー一食分+おやつが基本なのですが、追加料金(ほぼ実費のみ)で色々と買うことができます。
案内に登録して、通知を見てから注文画面を見ると。
早い者勝ちの戦いが始まって、知らんうちに終わってたわ。
今回おっちゃんが狙っていたココアのおやつ類は先に売り切れてしまい、代わりのものが表示されておりました。
ススム~
「どうした?」
部屋にフリーザーレンタルするんで、ええか?
すると所長は何かに気づいて。
「隠さず話せ」
凍りついたトーン、虎の尾をぐりぐりしてしまったようで。
「部屋に置くのはダメ」
映画を見ながらバケツでアイスを食べようとした夢はここで儚く散りました。
でも食堂にはフリーザーをレンタルすることを許されたので。
『こちらはKCJカスタマーサービスです、ご注文はこちらからどうぞ』
そこでココアの代わりに提示されたわバニラ(全卵)とバニラ(黄卵のみ)のアイスを注文すると。
「アイスのラベルもこちらからお選びになれます」
テンプレートとオリジナルというカテゴリーが表示される。
そして注文して届けられた次の日の朝。
「なんやこれ!」
職場が何やらおでんの香り。
「あっ、課長、知らんのですか?今、流行のシャンプー」
「また浜薔薇か!」
「そうです、秋は松茸、そして今はおでん」
「あれやな、ワシ、玉子や大根、はんぺんと仕事しとるか!」
「そうです」
「アホ!」
というやりとりがあったあとの昼。
「おっちゃん、アイスもらうよ」
どっちか一個やで。
「『ばにら』ってこれ、おっちゃんの字?そしてこのもう一個の方、何?」
サンバステップカンフーショーや。
KCJが用意したテンプレート、映画のデザインでおっちゃんは『サンバステップカンフーショー』のデザインを選びました。
きっとサンバのステップが、カンフーの師父に影響を与え。
「考察とかいいから!」
本当はココアを選びたかったんやけども、そっちは品切れやった、顔も知らんおっちゃんのライバルがいるようや。
狙ったものがおっちゃんとかぶる方がいるようです。
「食べたら歯磨きな」
「わかってます、前はおっちゃん達は歯が何回も生えてきて便利やなとは思っていたけど、話聞いたら全然羨ましくない」
真っ直ぐ生えてきたらいいんやけども。
そうじゃない場合は抜かなきゃならない、そんな宿命も河川ザメは背負っております。
モグモグ
おっちゃんやイッキュウと同種であると思われるのだが…そしてそばには山宮が立っていた。
山宮は美味しいサンドイッチを作るサメの話を聞いた、そして実際に食べさせてもらって、これは是非とも美味しいので炊き出しで出したいと思ったのだが、一つ困ったことがあった。
予算である。
モグモグ
そのためコストを考えながらも、このサメに納得していただけるものをと作ったもの、今、これを食べていただいていた。
ゴクン
この食べ終わるまでの時間というのは、いつになっても慣れないものではあるが。
スッ
サメはヒレを差し出した、満足した出来だったらしい。
近いうちに炊き出しにサンドイッチが出ることになるだろう。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「サメの文化っていいよね、求愛のダンスっていうの、振り付けも個性があって、四大文明というか、世界的には文明のゆりかごというけども、川などはいろんなものを育むんだよ」
「珈琲、こちらに置きますよ、館長」
「ありがとう」
「でも実際に本物を目の前にしたら、過激なファンとか出てきそうですよね」
「えっ?この間、そういう事件あったんだけど」
「そうなんですか」
KCJから来てるかたでも、部署が違ったりするとこんなもんだよ。
「あっ、本当だ、ニュースになってる」
「あっはっはっ…」
「大丈夫かい?シック子ちゃん」
「ごめんね、大丈夫かと思ったんだけど、今頃震えてきちゃいました」
「無理しないで休んだ方が…」
「ううん、マネージャー、せめてサメさん達にはお礼は言わせて」
そこでサメたちのツアーコンダクターが通訳として同席する形になりました。
「今回は本当にありがとうございました、私はもちろんですが、あの場にいましたファンのみなさんやスタッフの方々に被害が出ることがなかったのは、みなさんのおかげです」
~~~□□△
人間の耳には、サとメぐらいしか聞き取れないのだが。
「はいはい、なるほど、ではそのように」
シック子ちゃんが不安を感じているのがわかったようで、マチェテ(スペイン語で鉈のような刃物)と異名を持つサメのお嬢さんが、鰹節の素振りをして見せた。
シュシュシュ
空を切る音と共に上中下の三段突き。
「鰹節は市販でいいわ、これを毎日自然と体が覚えるまでやりなさい、美容にもいいわよ」
「はい!」
「はいじゃないよ、シック子ちゃん」
「…あ、ごめんなさい」
何故か『はい』と言ってしまう説得力があった。
「助けてくれて本当にありがとう」
彼女は何回も何回もそう言った。
ここからは帰り際のサメ同士のお話を翻訳したものである。
「ちょっとちょっと、あなたはああいったけども、あの子は鰹節素振り始めると思う?の?」
「そうね、正直なところわからないわ、でもね、出来れば物にしてほしい、あの子が本物のアイドルならばきっと物にしてくれるでしょ」
「そうね、もしもそうなったら、みんなであの子の応援に行きましょう」
「そういえば並んでいた子達が団扇に写真を貼ってたわね、あれ作りましょうよ」
河川じゃないサメたちにとって、文化、文明、コミュニティはあることはあるが、一生の大半はサバイバル生活である。
そんな中、アイドルというものを知った。
「住んでいるところに光がないと、キラキラしているものに弱いのよね」
理由が思ったよりもカラスやチョウチアンコウのようであった。
『サメがグイグイ来てますが、ここは浜薔薇の耳掃除です』
KCJの炊き出しはメニュー一食分+おやつが基本なのですが、追加料金(ほぼ実費のみ)で色々と買うことができます。
案内に登録して、通知を見てから注文画面を見ると。
早い者勝ちの戦いが始まって、知らんうちに終わってたわ。
今回おっちゃんが狙っていたココアのおやつ類は先に売り切れてしまい、代わりのものが表示されておりました。
ススム~
「どうした?」
部屋にフリーザーレンタルするんで、ええか?
すると所長は何かに気づいて。
「隠さず話せ」
凍りついたトーン、虎の尾をぐりぐりしてしまったようで。
「部屋に置くのはダメ」
映画を見ながらバケツでアイスを食べようとした夢はここで儚く散りました。
でも食堂にはフリーザーをレンタルすることを許されたので。
『こちらはKCJカスタマーサービスです、ご注文はこちらからどうぞ』
そこでココアの代わりに提示されたわバニラ(全卵)とバニラ(黄卵のみ)のアイスを注文すると。
「アイスのラベルもこちらからお選びになれます」
テンプレートとオリジナルというカテゴリーが表示される。
そして注文して届けられた次の日の朝。
「なんやこれ!」
職場が何やらおでんの香り。
「あっ、課長、知らんのですか?今、流行のシャンプー」
「また浜薔薇か!」
「そうです、秋は松茸、そして今はおでん」
「あれやな、ワシ、玉子や大根、はんぺんと仕事しとるか!」
「そうです」
「アホ!」
というやりとりがあったあとの昼。
「おっちゃん、アイスもらうよ」
どっちか一個やで。
「『ばにら』ってこれ、おっちゃんの字?そしてこのもう一個の方、何?」
サンバステップカンフーショーや。
KCJが用意したテンプレート、映画のデザインでおっちゃんは『サンバステップカンフーショー』のデザインを選びました。
きっとサンバのステップが、カンフーの師父に影響を与え。
「考察とかいいから!」
本当はココアを選びたかったんやけども、そっちは品切れやった、顔も知らんおっちゃんのライバルがいるようや。
狙ったものがおっちゃんとかぶる方がいるようです。
「食べたら歯磨きな」
「わかってます、前はおっちゃん達は歯が何回も生えてきて便利やなとは思っていたけど、話聞いたら全然羨ましくない」
真っ直ぐ生えてきたらいいんやけども。
そうじゃない場合は抜かなきゃならない、そんな宿命も河川ザメは背負っております。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる