浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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女の友情はラリアットでわかる

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「KCJについての補足です、今回は専門職についてです」
管理や整備、戦闘職などがありますが。
「あんまり表には出ない情報と警備への共通試験の過去問からですね」
トン!
物件の間取図のようなものが出てきた。
ここにテーブル、こっちにドア、あそこに窓があるのはわかる。
パチン!
そこにマグネットを一つ置いた。
「はい、これが人です、この人が見ているであろう景色を、スケッチ、五分以内に完成させない、これが問題です」

『ここは浜薔薇の耳掃除です』

「本日はお時間をお取りくださってありがとうございます」
KCJから浜薔薇ファンクラブの集まりに、職員がやってきた。
「こちらからの提案なのですが」
物件検索エンジンについてである。
「一般的な物件検索だと、駅とか区や市町村で表示されるじゃないですか、KCJの場合は、全国にあるので、例えば支部、職場を設定して、そこから近い順の検索も可能です、家庭がある方なんかは、お子さんの学校となど、引っ越し先の目的、その場所に会わせて一覧が出るというものです」
元々職員が趣味で作っていて、転勤する時に置いていったりして。
「かなり詳細に出るので、ファンクラブの会員で登録してもらえば、生活向上に役に立つと思います、また現在はさらなる改善と他に譲れない条件などからも検索できないかと、打合せしています」
「それ、かなり気になるの」
シャンパーの人たちがまず気になったようだ。
「出来れば浜薔薇の近所に引っ越ししたいっていうのはあるんだけども、物件の見方がわからないんですよね」
「賃貸に向いてない、採用されてはいけないものは結構はじいていたりもしますよ」
「うわぁぁ、これってすごくないですか」
「変な話ですけども、KCJって結構こだわりの人たちいますからね…」
新築見ると、あの塗装はな、早めに悪くなっちゃうよな…とか気になる方。
「ただ本人たちはまだまだ勉強中なんで、本格的にやるなら、もっと細かくサーチさせろとはいってますが、それだと完成いつになるのかわからないので、基本仕様である、譲れない場所、これは二ヶ所まで設定したり、また…」
そういって資料を見せる。
「ここにピンを立てますと、離れているこっちの駅前までおすすめで出ますが、これについてのご説明しますと…」
いわゆる地域バスが平日無料で出ているようです。
「なのでそこから一キロの範囲はおすすめで表示ですね、あと行政からの騒音のデータも今取り込みますから、そちらも参考にしてもらえば…」
「これ普通に不動産検索でマップにピン立てて全部検索できるようにしてほしいんだけども」
「ああ、それも他社が追随するということも考えてまして、おすすめローカル情報も入れています、例えば駅前のお肉屋さんのコロッケとかですね」
「えっ?知らない、そんなんあるの?」
「二年前にお惣菜始めたんですけども、ホクホクですよ」
「ホクホク…」
「しかも90円!」
「KCJって、そういうのもやるんですか?」
「こういったデータは元々マーケティングの部署などが持っていたりしますね、ただそれは取引先でなければ見ることはないので、知らないだけというやつです」
「ブログとかよりも詳しい気がする」
「それこそ、うちの情報部門が入ってますからね、景気、不景気、いつでも人気の話題、低価格でも楽しめるラインはかなり充実してますよ」
管理部門もこの低価格で楽しめるラインについては予算出しまくったという。
「今だと、寒さ対策ですかね」
100円+消費税から暖かくしようと。
「これ全国チェーンとか、色んな地域の人が買い物しやすいように、100円ショップ、ディスカウントショップ、生活用品小売りのおすすめなども書いてますね」
職員同士のものなんで、わりと辛口で書かれています。
「KCJさん的には全部我々にオープンは難しいかとは思いますが、そういった出来る部分でもファンクラブの情報をくださると、いいかと思います」
「では我々と共有というよりは提供から始めていく方向でよろしいでしょうか」
「ええ、是非ともお願いします」

『ここも浜薔薇の耳掃除です』

本日は、フィギュアスケートサメシングルの主役を勤めたイッキュウとシックなゴシックに身を包み、闇に生まれた宿命のシック子ちゃんがゲストの、生産物消費拡大のイベントが開催されます。
それぞれのファンが列を作り…イッキュウのファンの列はツアーも組まれ、サメのお嬢さん達が並んでいた。
そんな時にである…
「みんな並んでくれてありがとう!」
シック子ちゃんはファンをとても大事にしてくれることで有名で、イッキュウもそばにいた。
「寒いから無理しないでね!」
するとだ、列からファンの一人、男性が飛び出した。
「うわぁぁぁ、シック子ちゃん好きだ」
愛の告白はナイフをチラつかせて行われた。
列がざわざわっとしたとき。
前に出たのは、サイドステップ駆使したサメの娘さんであり。
バシ!
ナイフを持ってた手を弾いて、刃物は天井にビィィンと刺さる。
「えっ?」
男性はいきなりなのでわけわからず、そのまま天井を見てしまった。
そこにだ。
左右からサメが二匹走り込んでくる。
後にツアーのガイドさんが通訳となり、この技についてこう語っている。
「女の友情はラリアットでわかるそうです」
そう、ラリアットの挟み撃ち!
そのまま追撃しようとしたのだが。
シック子ちゃんのマネージャー(学生時代は学生プロレスのレフィリー経験者)は試合終了の合図を送った。
(なんというルチャドーラ)
彼の目からメキシカンスタイルの匂いがした。(ルチャドーラは女性のプロレスラー=スペイン語)
(止めなかったら右のサメ娘は顎と左のサメ子は両手首狙ってたよな)
チンロックとカンパーナという技をかけ損ねた二匹は、スパーリングを始めていた。
(滾った血を鎮めてる…)
何かが起こって、何かはすぐに解決したのだが、さすがにこの体制ではイベントは続行はできないということになり、中止。
その後シック子ちゃんの事務所からは、イベントの警備の際にサメを入れたいというお話があった。
「あの事件が世間に知られてから、サメがいると安全とか、何かを起こそうと言う気にはならないのではないかと思いまして…」
社長と共に、サメ警備についてKCJに相談があったと言う。
「まあ、うちも他の支部にもいますけどもね」
契約している職員によると、河川ザメはみな基本の技を身に付けてはいると言う。
「バックステップ(サッ)から一撃必殺(メッ!)って感じかな、しかし…映画のせいか、あちこちに出かけるのにも許可取らなくてもいいようになったのはありがたいね」
「牛乳と卵の美味しいプリン!」
相槌と肯定を兼ねているこの言葉を口にしながら、自分の子供のような河川ザメのメヅルは、本日のおやつであるプリンをテーブルに起き出した。



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