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サメを連れていくんだ
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いきなりですが、KCJにはホラー担当の職員もいます。
「趣味と実益を兼ねた職場がここぐらいしかないんだよな」
そこに採用されたばかりの職員が挨拶に来る。
「子供の頃、旅行に行った先で謎の高熱にうなされ、その時夢の中で助けてくれたお嬢さんに惚れたんで、そのままこっちの世界に志願しました、よろしくお願いします」
このお嬢さんというのは、意外と目撃情報が多い方で、KCJでも掴んでいたので、そのままこの男は試験を受けて採用となりました。
「その人は、運良くあえると、帰ってこれるから、そのままにはしているんだけどもね」
言葉を濁した、色々と調査はしているからこそのこの濁しであったが…
理由を知っている波里や東司からすると。
「彼女自身もさ迷ったままですからね」
「王子様が必要だというやつだな」
「君はどうしてこんなことを?」
「ここにいると落ち着くの、こうして帰りたい人を案内していると、救われるのよ」
「KCJのホラー担当の仕事は色々あるけども、正直人手は足りてないから、まずは研修として一緒にここに行ってもらうよ」
蜘蛛の巣屋敷とある。
「うわぁぁ」
「あっ、何がいるのかわかっちゃった?」
「ええ、わかりましたけども」
「確かにいるけども、これはコレクターからの依頼でね、うちの本拠地って王国なもんだから、コレクターが多い、もっというといわくがついている方がいいという」
「うわぁぁ」
「理解できないけども、この辺がこの部署の役回りだから」
コレクターの他に骨董商からも依頼は来ます。
「どういう屋敷かはそこに書いているけども、大金持ちの愛人の家で、金払いは良かったんだけども、旦那さんは訪れなくなってしまったから、蜘蛛の巣に懲り始めたんですよ」
「それはなんか女郎蜘蛛的な?」
「いや、今はそこと合体しちゃっているけども」
(やっぱりしちゃってんだ)
「元々は蜘蛛の巣ができると、待ち人が来るって言うことで、どうも屋敷のあちこちにそういう調度品が、しかも当時の職人さんがこしらえたものでね、昔の資料を見たら依頼人が目をつけましたという奴だ」
自然をデザインした調度品は今は作られていない、作れないなどという理由から価値がすさまじく高い。
「だから準備しなきゃいけないけども、そっちは終わっているから」
「準備?」
「昔からそういう存在には祈祷とかするんだけどもね、香草を火に入れて念じたりするんだけども、そうすることで相手に香りがつく」
「つまり悪霊の香草添え」
「ニンニクもマシマシでもいいよ」
化け物退治も料理も下拵えが肝心である。
そんな新人のパイセンを勤める職員もなかなか人生ハードモードである。
「先輩も帰還者なんですか?」
「ああ、僕?僕は異世界ではない帰還者だね」
小学校時代の地域交流で、山の中にある吸血鬼の城に泊まりました。
「日本ですか?それ」
「日本だよ」
朝になるまで部屋から出るなと言われているのに。
「同級生のバカがドアをあけちゃいまして」
こんなのなんともないだろ?えっ?どうしたんだよ、お前ら固まって、何か?あっ、引きずり困れる…
そのままそこにいた同級生と朝日が登るまで逃げ回って探し回った。
「あれは子供の体力だからなんとかなった」
「パイセン、さすがっす、あれそれで同級生さんは見つかったんですか?」
「うん、けども、あいつは向こう側に積極的に関わったっていうことで、今もたまに助けてくれってくるよ」
それ以外の同級生はその時吸血鬼の方から、ナイフを1ついただきまして。
「そのナイフはお守り代り、俗にいうヴァンパイアジュエリーだね。関わらないなら関わらなくてもいい人生も選べたけども、そういうのもある程度研究する人も足りてないって知ったからこの道だね」
「ああ、ヴァンパイアジュエリーは知ってるっす、うちの学校、ボクシング部があったんですけど、女子がですね」
自分へのご褒美にそれとは知らずに指輪を買いました。
その帰り、夜道を歩いていたら、気配がしたので反射的に気配がした。
「さすがに素人には振るえないんで、けど相手、手をとったらしいんですよ、そしたらその指輪に触れたらジュ~って焼けた臭いがして」
「人狼か」
「そうです、そうです、それです、お嫁さんを誘拐しようとして、指輪に触れたら焼かれて」
なんかもう人じゃなかったので、そのまま腹に入れたら。
「ただの変態じゃなかったって、着ぐるみ来てるかと思ったとかいってましたね」
「ヴァンパイアジュエリーって、僕みたいタイプではなく、買えたりする場合は意味あるらしいとはいうけどもね」
「なんかあるんじゃないですか?今日は西の方角が吉、ここで店を出すみたいた」
「そういう方面でもありえるからな、まあ、でももしも面倒くさいなって思ったら、サメとか借りていけばいいよ」
「サメ?映画にもなった奴?ですか?」
「そう、こういうホラーってさ、人間の恐怖を煽るわけよ、だから苦戦を強いられるわけ、でもサメって人間の言葉は解すけども」
こいつ、何言うとるのかさっぱりわからんわ。
「って感じで、そういうのを全部無視するわけ、すると向こうは面白くないから実力で物言わそうとするんだけども」
カッ!
そうなるとサメの本能を刺激し、圧で返されます。
「まっ、でもようこそ人気のない部署へ」
「よろしくお願いします」
新人が挨拶をおえるとすぐにバスに乗せられて件の屋敷に向かった。
「美味しいもの、今のうちに食べておくんだ」
もう帰ってこれないかもしれないこともある、その優しさがこの部署のヤバさを語っている。
「趣味と実益を兼ねた職場がここぐらいしかないんだよな」
そこに採用されたばかりの職員が挨拶に来る。
「子供の頃、旅行に行った先で謎の高熱にうなされ、その時夢の中で助けてくれたお嬢さんに惚れたんで、そのままこっちの世界に志願しました、よろしくお願いします」
このお嬢さんというのは、意外と目撃情報が多い方で、KCJでも掴んでいたので、そのままこの男は試験を受けて採用となりました。
「その人は、運良くあえると、帰ってこれるから、そのままにはしているんだけどもね」
言葉を濁した、色々と調査はしているからこそのこの濁しであったが…
理由を知っている波里や東司からすると。
「彼女自身もさ迷ったままですからね」
「王子様が必要だというやつだな」
「君はどうしてこんなことを?」
「ここにいると落ち着くの、こうして帰りたい人を案内していると、救われるのよ」
「KCJのホラー担当の仕事は色々あるけども、正直人手は足りてないから、まずは研修として一緒にここに行ってもらうよ」
蜘蛛の巣屋敷とある。
「うわぁぁ」
「あっ、何がいるのかわかっちゃった?」
「ええ、わかりましたけども」
「確かにいるけども、これはコレクターからの依頼でね、うちの本拠地って王国なもんだから、コレクターが多い、もっというといわくがついている方がいいという」
「うわぁぁ」
「理解できないけども、この辺がこの部署の役回りだから」
コレクターの他に骨董商からも依頼は来ます。
「どういう屋敷かはそこに書いているけども、大金持ちの愛人の家で、金払いは良かったんだけども、旦那さんは訪れなくなってしまったから、蜘蛛の巣に懲り始めたんですよ」
「それはなんか女郎蜘蛛的な?」
「いや、今はそこと合体しちゃっているけども」
(やっぱりしちゃってんだ)
「元々は蜘蛛の巣ができると、待ち人が来るって言うことで、どうも屋敷のあちこちにそういう調度品が、しかも当時の職人さんがこしらえたものでね、昔の資料を見たら依頼人が目をつけましたという奴だ」
自然をデザインした調度品は今は作られていない、作れないなどという理由から価値がすさまじく高い。
「だから準備しなきゃいけないけども、そっちは終わっているから」
「準備?」
「昔からそういう存在には祈祷とかするんだけどもね、香草を火に入れて念じたりするんだけども、そうすることで相手に香りがつく」
「つまり悪霊の香草添え」
「ニンニクもマシマシでもいいよ」
化け物退治も料理も下拵えが肝心である。
そんな新人のパイセンを勤める職員もなかなか人生ハードモードである。
「先輩も帰還者なんですか?」
「ああ、僕?僕は異世界ではない帰還者だね」
小学校時代の地域交流で、山の中にある吸血鬼の城に泊まりました。
「日本ですか?それ」
「日本だよ」
朝になるまで部屋から出るなと言われているのに。
「同級生のバカがドアをあけちゃいまして」
こんなのなんともないだろ?えっ?どうしたんだよ、お前ら固まって、何か?あっ、引きずり困れる…
そのままそこにいた同級生と朝日が登るまで逃げ回って探し回った。
「あれは子供の体力だからなんとかなった」
「パイセン、さすがっす、あれそれで同級生さんは見つかったんですか?」
「うん、けども、あいつは向こう側に積極的に関わったっていうことで、今もたまに助けてくれってくるよ」
それ以外の同級生はその時吸血鬼の方から、ナイフを1ついただきまして。
「そのナイフはお守り代り、俗にいうヴァンパイアジュエリーだね。関わらないなら関わらなくてもいい人生も選べたけども、そういうのもある程度研究する人も足りてないって知ったからこの道だね」
「ああ、ヴァンパイアジュエリーは知ってるっす、うちの学校、ボクシング部があったんですけど、女子がですね」
自分へのご褒美にそれとは知らずに指輪を買いました。
その帰り、夜道を歩いていたら、気配がしたので反射的に気配がした。
「さすがに素人には振るえないんで、けど相手、手をとったらしいんですよ、そしたらその指輪に触れたらジュ~って焼けた臭いがして」
「人狼か」
「そうです、そうです、それです、お嫁さんを誘拐しようとして、指輪に触れたら焼かれて」
なんかもう人じゃなかったので、そのまま腹に入れたら。
「ただの変態じゃなかったって、着ぐるみ来てるかと思ったとかいってましたね」
「ヴァンパイアジュエリーって、僕みたいタイプではなく、買えたりする場合は意味あるらしいとはいうけどもね」
「なんかあるんじゃないですか?今日は西の方角が吉、ここで店を出すみたいた」
「そういう方面でもありえるからな、まあ、でももしも面倒くさいなって思ったら、サメとか借りていけばいいよ」
「サメ?映画にもなった奴?ですか?」
「そう、こういうホラーってさ、人間の恐怖を煽るわけよ、だから苦戦を強いられるわけ、でもサメって人間の言葉は解すけども」
こいつ、何言うとるのかさっぱりわからんわ。
「って感じで、そういうのを全部無視するわけ、すると向こうは面白くないから実力で物言わそうとするんだけども」
カッ!
そうなるとサメの本能を刺激し、圧で返されます。
「まっ、でもようこそ人気のない部署へ」
「よろしくお願いします」
新人が挨拶をおえるとすぐにバスに乗せられて件の屋敷に向かった。
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