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客に損はさせねえってことだ
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サメ同行者割引始めました。
「というのが浜薔薇近くの温泉で始めたらしいので、よろしければぜひどうぞ、それから~」
浄水センターのある街のKCJの支部から、浜薔薇出張所までバスを出しているので、よろしければ…とのこと。
「あそこまで運転するのも悪くはないけども」
「バスとかもあれだろ、リクライニングないやつだろ?」
と思いきや、そこもKCJである。
ペラ
これやて。
おっちゃんがパンフを見せてくれると。
バスはいわゆる今のものではなくボンネットのレトロなものを改造したもので。
「浜薔薇の方からこっちに食べ物運んで、こっちからも支部と出張所へ向けていろんなもの運ぶの?」
色んなもの、最近だと薪を運びます。
「薪?」
「ダムの流木や街路樹のやつ」
トン単位で集めてますが。
「他にも乗せたりしているから、こっちの名産品とかやろ」
「乾麺とか?」
「あとは野菜も時期によるだろうな」
産地で安いや半端になっているものを自社で運輸していますが。
「薪は物にもとにもよるらしいが、薫製で使うようなやつだと、薫りがつくからとか、まあ、詳しいことは山宮さんに聞いた方が早い」
山宮のような調理人が配属されている支部が少ないので、管理管轄で買い付けて、地方でまとめて加工している。
「こっちのKCJの支部で食い物配ったら、そりゃあ長蛇の列になるんじゃないか」
「そこまでいくと、道路の使用許可とかもとらなきゃならないとかで、ほら、こっちの、あの公園の向こうは一方通行とかだし、許可はおりても、混乱間違いないしだと思いますよ」
「しかし、このおっちゃん連れていくと安うなるのはお得ですやん!」
チケット発行先ベストフレンドの湯。
「旅行っていうより、浜薔薇で髪切って、髭剃ってもらって、温泉入って、この宿泊施設、地域の持ち物だから安いし、ご飯山宮さん作るんだったら、最高の休日ですやん!」
「運転する頭が揃わなかったら、それ便利やな、いつものやつら以外でもいけるんじゃないか」
そういや、この間、東司ちゃんがお茶の美味しいところもありますよって教えてくれたな。
「行こう、行こう!っていうか、これ本当になんなん!こっちで髪を切ったり、風呂入ったりする額でお泊まりまでできるだなんて!」
あんまり安くて申し訳ないわ、そや、向こうでのお土産ぎょ~さん買うわ、山宮さんが受け取ってくれん分は貯めてあるし。
何が美味しいかな、東司ちゃんに聞いてみよう。
「と連絡が来たんだけども」
「こういうのはもち肌は浜薔薇に任せるでいいと思います」
予算についても載っていたので、浜薔薇のヶ崎 傑に話を持っていくと。
「ああ、それならばしっかりしませんと」
商人の目になっちゃった。
「おっ、傑の本気が久しぶりに見れるかな」
「えっ?何かまずいことしちゃいましたか?」
「いや、傑の母方はこっちの人だから、茶九良は商人の町なのは知ってますか?」
「館長からは聞いてますが」
「茶九良の商人は、すごい、うちのばあちゃんもそっちなんですがね」
「どうすごいんですか?」
「客に損はさせねえってことだ」
タモツがふらっとやってきた。
「これはこれは」
「商売人の、家に生れた女性は基本的にみんなしっかりウチを守る、それこそ亭主いなくてもいいぐらい強いからな、傑を見ると、俺が子供の時によく見かけたそういう商人を思い出すわな」
「傑の仕事を見るとわかるでしょうが、最初驚きませんでした?」
「意味がわかりませんでした」
この値段でいいものを出してくるのだが、出してくるいいものが。
「無課金ガチャでSSR降臨しちゃったみたいな、いや、試しに一回やったらSSRですかね」
とりあえず一回ぐらいならという額でとんでもないものが来ます。
「特にじゃないけども、ご新規や挨拶回りなんかだと特に、でもまあ、それはあちらは西の人だから、そちらの方がルールは細かいんじゃないですかね」
そしてだ。
ゆったりごろんとできるバスにのって浄水センターの方々が、サメ同行割引で休日をこちらで楽しく過ごしたと思ったら、その帰り。
ドン!
これ何?帰りのバスにこんなに荷物つくの?
「こちらはイサリさんが注文したお土産ですよ」
へっ?
「160サイズの段ボール五箱っておっちゃん、おみやげに何十万使ったの?」
使ってないよ。
「はっ?」
「嘘やん、これそんぐらいあるよ」
「こちらが明細になっております」
目を通して見ると、いいものが並ぶ、並ぶ。
でお会計がどう見ても、予算内、お釣りが出ました。
チャリン
ありえん…
「どれ」
とりあえず見た人がこの値段でいいの?と口をあんぐりさせる。
「本日のセレクトに協力していただいた傑さんがいいますには、時間があればこのぐらいはいけると、次回も頼むにであれば余裕をくださればとのことでした」
「おっちゃん得したな(ヤケクソ)」
そうやな、おっちゃんお金持ち気分や(ヤケクソ)
凄まじい量のお土産と共に帰ってきたので。
「なんやお前ら、引っ越しでもしたんか」
「あんまり多いんで、今回もみんなで分けましょ」
っていうと、本当にすぐにカラッとなるし。
「おっちゃんのおかげでうちの子肥えましたわ、ありがとう!」
子供さんがいる家庭には多目に渡しているのですが、ペロッと食べきるようです。
「しかし、地方ってすごいわ、半額…いやそれ以下だったわ」
傑さんに頼んだら、桁が一個違うと思ってください。
「ああ、イツモ!」
やりきった気持ちのところに、イツモが飛び乗ってくるので、しっかりと受け止めると、温かさを強く感じた。
これから寒くなるのをケットシーの温さで知る、これもまた浜薔薇らしかった。
「というのが浜薔薇近くの温泉で始めたらしいので、よろしければぜひどうぞ、それから~」
浄水センターのある街のKCJの支部から、浜薔薇出張所までバスを出しているので、よろしければ…とのこと。
「あそこまで運転するのも悪くはないけども」
「バスとかもあれだろ、リクライニングないやつだろ?」
と思いきや、そこもKCJである。
ペラ
これやて。
おっちゃんがパンフを見せてくれると。
バスはいわゆる今のものではなくボンネットのレトロなものを改造したもので。
「浜薔薇の方からこっちに食べ物運んで、こっちからも支部と出張所へ向けていろんなもの運ぶの?」
色んなもの、最近だと薪を運びます。
「薪?」
「ダムの流木や街路樹のやつ」
トン単位で集めてますが。
「他にも乗せたりしているから、こっちの名産品とかやろ」
「乾麺とか?」
「あとは野菜も時期によるだろうな」
産地で安いや半端になっているものを自社で運輸していますが。
「薪は物にもとにもよるらしいが、薫製で使うようなやつだと、薫りがつくからとか、まあ、詳しいことは山宮さんに聞いた方が早い」
山宮のような調理人が配属されている支部が少ないので、管理管轄で買い付けて、地方でまとめて加工している。
「こっちのKCJの支部で食い物配ったら、そりゃあ長蛇の列になるんじゃないか」
「そこまでいくと、道路の使用許可とかもとらなきゃならないとかで、ほら、こっちの、あの公園の向こうは一方通行とかだし、許可はおりても、混乱間違いないしだと思いますよ」
「しかし、このおっちゃん連れていくと安うなるのはお得ですやん!」
チケット発行先ベストフレンドの湯。
「旅行っていうより、浜薔薇で髪切って、髭剃ってもらって、温泉入って、この宿泊施設、地域の持ち物だから安いし、ご飯山宮さん作るんだったら、最高の休日ですやん!」
「運転する頭が揃わなかったら、それ便利やな、いつものやつら以外でもいけるんじゃないか」
そういや、この間、東司ちゃんがお茶の美味しいところもありますよって教えてくれたな。
「行こう、行こう!っていうか、これ本当になんなん!こっちで髪を切ったり、風呂入ったりする額でお泊まりまでできるだなんて!」
あんまり安くて申し訳ないわ、そや、向こうでのお土産ぎょ~さん買うわ、山宮さんが受け取ってくれん分は貯めてあるし。
何が美味しいかな、東司ちゃんに聞いてみよう。
「と連絡が来たんだけども」
「こういうのはもち肌は浜薔薇に任せるでいいと思います」
予算についても載っていたので、浜薔薇のヶ崎 傑に話を持っていくと。
「ああ、それならばしっかりしませんと」
商人の目になっちゃった。
「おっ、傑の本気が久しぶりに見れるかな」
「えっ?何かまずいことしちゃいましたか?」
「いや、傑の母方はこっちの人だから、茶九良は商人の町なのは知ってますか?」
「館長からは聞いてますが」
「茶九良の商人は、すごい、うちのばあちゃんもそっちなんですがね」
「どうすごいんですか?」
「客に損はさせねえってことだ」
タモツがふらっとやってきた。
「これはこれは」
「商売人の、家に生れた女性は基本的にみんなしっかりウチを守る、それこそ亭主いなくてもいいぐらい強いからな、傑を見ると、俺が子供の時によく見かけたそういう商人を思い出すわな」
「傑の仕事を見るとわかるでしょうが、最初驚きませんでした?」
「意味がわかりませんでした」
この値段でいいものを出してくるのだが、出してくるいいものが。
「無課金ガチャでSSR降臨しちゃったみたいな、いや、試しに一回やったらSSRですかね」
とりあえず一回ぐらいならという額でとんでもないものが来ます。
「特にじゃないけども、ご新規や挨拶回りなんかだと特に、でもまあ、それはあちらは西の人だから、そちらの方がルールは細かいんじゃないですかね」
そしてだ。
ゆったりごろんとできるバスにのって浄水センターの方々が、サメ同行割引で休日をこちらで楽しく過ごしたと思ったら、その帰り。
ドン!
これ何?帰りのバスにこんなに荷物つくの?
「こちらはイサリさんが注文したお土産ですよ」
へっ?
「160サイズの段ボール五箱っておっちゃん、おみやげに何十万使ったの?」
使ってないよ。
「はっ?」
「嘘やん、これそんぐらいあるよ」
「こちらが明細になっております」
目を通して見ると、いいものが並ぶ、並ぶ。
でお会計がどう見ても、予算内、お釣りが出ました。
チャリン
ありえん…
「どれ」
とりあえず見た人がこの値段でいいの?と口をあんぐりさせる。
「本日のセレクトに協力していただいた傑さんがいいますには、時間があればこのぐらいはいけると、次回も頼むにであれば余裕をくださればとのことでした」
「おっちゃん得したな(ヤケクソ)」
そうやな、おっちゃんお金持ち気分や(ヤケクソ)
凄まじい量のお土産と共に帰ってきたので。
「なんやお前ら、引っ越しでもしたんか」
「あんまり多いんで、今回もみんなで分けましょ」
っていうと、本当にすぐにカラッとなるし。
「おっちゃんのおかげでうちの子肥えましたわ、ありがとう!」
子供さんがいる家庭には多目に渡しているのですが、ペロッと食べきるようです。
「しかし、地方ってすごいわ、半額…いやそれ以下だったわ」
傑さんに頼んだら、桁が一個違うと思ってください。
「ああ、イツモ!」
やりきった気持ちのところに、イツモが飛び乗ってくるので、しっかりと受け止めると、温かさを強く感じた。
これから寒くなるのをケットシーの温さで知る、これもまた浜薔薇らしかった。
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