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殿様のサメ
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サメ笛なるものがあるそうだ。
「地域によって形はいろいろなんですけどもね」
研究者の人が見せてくれたのは、振り回して音を出すタイプ。
「おっちゃん、これなんて聞こえるの?」
三時のおやつあるけどどうする?
「三時のおやつって」
でもこれあれやな、振り回し方下手だと、そうは聞こえんな。
「そうか、河川のそばでこれ鳴らして、サメを呼び寄せる絵とかあったんで、それ見て作って見たんだけどもな」
「そういえばおっちゃん、ザリガニとか餌つけたらとれるの?」
あれか?おっちゃんを釣ろうとしていた人は確かにいたけども、そんなんじゃおっちゃんは釣れん、今の時期だと、道産の塩焼きサンマなんかだと釣れるかもしれん。
「それはおっちゃんが食べたいだけやんか」
美味しいものは食べたい、そう思いませんか?
「いや~でもご協力感謝します、なかなか河川ザメってコミュニケーションが難しくて、私も何回か河川ザメのいる川に足を運んだのですが」
釣り餌を狙うときだけこっちに来る。
「まるでおっちゃんみたいや」
おっちゃんは釣り餌は狙いません、弁当を狙います。
「そっちの方が悪いわ」
「こちらのイサリさんは、テレパシーも使って人間の言語、日本語を理解してくれるので、本当に興味深いです」
「えっ?」
「えっ?」
えっ?
「おっちゃんのそれテレパシーなの」
「腹話術だと思ってた」
「テレパシーですよ、河川ザメって芸達者だから、人と暮らしていくうちに色々覚えちゃうんですよね、イサリさんの場合はジャンプとかパフォーマンスだけかなって思ったら、テレパシーでしたし」
えっ?これ、テレパシーなの?
「ですよ、聞き取って、返事だけはテレパシーで返してるって、河川ザメだと、それこそ鳴き声はサメサメってしか聞こえませんし」
「そういえばイサリは、サメサメ昔言ってたな」
「あっ、所長」
「所長さん、付き合い長いんですか?」
ススムとは幼稚園からの付き合いやね、遠足でおっちゃんのいる水族館に来ておったのよ。懐かしいわ。
「ごほん、いいから、その話は、昔は身ぶりだけだったはずだが、言葉はいつ覚えたんだ」
ジャンプ芸とか覚えるときにトレーナーさんがな、イルカ姉さんたちは、花形や、そんなんなりたくな、でも覚え悪くて、姉さんたちとはイルカの言葉はわかったから、イルカ語で人間さんの言葉教えてもらったのよ。
「やっぱりイルカって頭良かったんだ」
「サメに日本語を教えれるって」
わからなくても、心の中で繰り返し、繰り返し練習してろって、そしたらなんか伝わるようになった。腹話術って言われてたけども、腹話術違うのか、テレパシー?おっちゃん超能力者じゃビビビビビ。
「うわぁ!」
「やられる」
ビームをヒレから出す動きで、のたうち回る職員たち。
「河川ザメ、腹話術できないんですよ、テレパシーは使えると昔軍の研究でありまして」
おっちゃん軍用なの?
「けど人懐っこすぎて運用されませんでした」
「おっちゃん達らしいわ」
テヘ!
「歴史はけっこう古くて、おっちゃんはおそらく良いところの生まれというか、良いところの血を引いてます」
「金持ちのボン?」
「江戸時代にサメの競技会というのがありまして」
「また、けったいな」
「目の位置とか、背筋とか、そういうこのサメは良、優とかをつけていったらしいんですよ、このいいサメの条件見ている限り、おっちゃんさんはかなり良いところいってますから、江戸時代に生まれていたら、殿様のサメだったかもしれません」
「パワーワードや」
「殿様のサメか」
もっと美味しいフルーツ、貢いでいいのよ。
「おっちゃん、サメ映画鑑賞以外は食い気だからや」
「いや、最近は色気っちゅうか、浜薔薇に行きたがるよ」
「来週、連れていってやるから」
ススムがそういうなら、おっちゃん我慢する。
「おっちゃん、サメ肌、サメ皮が伸びてくると、オナモミみたいになってくるからな」
タオルが引っ掛かってくるのよ、だから、伸びたら、パチンパチンって爪切りで、切ってたんだけども、やっぱり伝説は違ったわ。
サメの扱いわかっとる。
と言われるのは、浜薔薇のタモツだが、伸びたサメ肌、カールしている部分を切ったのはこれが初めてである。
奥さんの実家が植木をやってて、そのハサミを見て、タモツとの結婚を許した。
ハサミの扱いは人よりも長けてはいるが、伸びたサメ肌というのは、初めてである。
サメ肌、よく見ると木目というか、ダマスカス鋼のような趣がある、これが伸びてくると、模様が消え飛びてでくる。
「切っても痛くはないのか?」
ないでーす。
そういわれたので、パチンパチンと短く全体を切ってくれた上に、ミツロウクリームを塗ってくれた。
「ミツロウですか!」
その話を聞いた研究家は驚いた。
「サメの競技会の方でも、サメの磨き方っていうのがあってですね、そこにミツロウの文字が、豚の脂でもいいんですけども、人間の皮膚への軟膏、クリームにもこの処方は活かされているって、これを今も作っているところがまだありまして」
そこで出てきた名前に聞き覚えがあった。
「あれ?それ、この間浜薔薇でシャンプーしたメーカーさんじゃないかな」
あれ、気持ちいいよ。
「えっ?なんです、一気にこっちの研究進んだんですけども、今日はなんの日です」
おっちゃんと出会った記念日やがな、毎年祝うんやで!
「地域によって形はいろいろなんですけどもね」
研究者の人が見せてくれたのは、振り回して音を出すタイプ。
「おっちゃん、これなんて聞こえるの?」
三時のおやつあるけどどうする?
「三時のおやつって」
でもこれあれやな、振り回し方下手だと、そうは聞こえんな。
「そうか、河川のそばでこれ鳴らして、サメを呼び寄せる絵とかあったんで、それ見て作って見たんだけどもな」
「そういえばおっちゃん、ザリガニとか餌つけたらとれるの?」
あれか?おっちゃんを釣ろうとしていた人は確かにいたけども、そんなんじゃおっちゃんは釣れん、今の時期だと、道産の塩焼きサンマなんかだと釣れるかもしれん。
「それはおっちゃんが食べたいだけやんか」
美味しいものは食べたい、そう思いませんか?
「いや~でもご協力感謝します、なかなか河川ザメってコミュニケーションが難しくて、私も何回か河川ザメのいる川に足を運んだのですが」
釣り餌を狙うときだけこっちに来る。
「まるでおっちゃんみたいや」
おっちゃんは釣り餌は狙いません、弁当を狙います。
「そっちの方が悪いわ」
「こちらのイサリさんは、テレパシーも使って人間の言語、日本語を理解してくれるので、本当に興味深いです」
「えっ?」
「えっ?」
えっ?
「おっちゃんのそれテレパシーなの」
「腹話術だと思ってた」
「テレパシーですよ、河川ザメって芸達者だから、人と暮らしていくうちに色々覚えちゃうんですよね、イサリさんの場合はジャンプとかパフォーマンスだけかなって思ったら、テレパシーでしたし」
えっ?これ、テレパシーなの?
「ですよ、聞き取って、返事だけはテレパシーで返してるって、河川ザメだと、それこそ鳴き声はサメサメってしか聞こえませんし」
「そういえばイサリは、サメサメ昔言ってたな」
「あっ、所長」
「所長さん、付き合い長いんですか?」
ススムとは幼稚園からの付き合いやね、遠足でおっちゃんのいる水族館に来ておったのよ。懐かしいわ。
「ごほん、いいから、その話は、昔は身ぶりだけだったはずだが、言葉はいつ覚えたんだ」
ジャンプ芸とか覚えるときにトレーナーさんがな、イルカ姉さんたちは、花形や、そんなんなりたくな、でも覚え悪くて、姉さんたちとはイルカの言葉はわかったから、イルカ語で人間さんの言葉教えてもらったのよ。
「やっぱりイルカって頭良かったんだ」
「サメに日本語を教えれるって」
わからなくても、心の中で繰り返し、繰り返し練習してろって、そしたらなんか伝わるようになった。腹話術って言われてたけども、腹話術違うのか、テレパシー?おっちゃん超能力者じゃビビビビビ。
「うわぁ!」
「やられる」
ビームをヒレから出す動きで、のたうち回る職員たち。
「河川ザメ、腹話術できないんですよ、テレパシーは使えると昔軍の研究でありまして」
おっちゃん軍用なの?
「けど人懐っこすぎて運用されませんでした」
「おっちゃん達らしいわ」
テヘ!
「歴史はけっこう古くて、おっちゃんはおそらく良いところの生まれというか、良いところの血を引いてます」
「金持ちのボン?」
「江戸時代にサメの競技会というのがありまして」
「また、けったいな」
「目の位置とか、背筋とか、そういうこのサメは良、優とかをつけていったらしいんですよ、このいいサメの条件見ている限り、おっちゃんさんはかなり良いところいってますから、江戸時代に生まれていたら、殿様のサメだったかもしれません」
「パワーワードや」
「殿様のサメか」
もっと美味しいフルーツ、貢いでいいのよ。
「おっちゃん、サメ映画鑑賞以外は食い気だからや」
「いや、最近は色気っちゅうか、浜薔薇に行きたがるよ」
「来週、連れていってやるから」
ススムがそういうなら、おっちゃん我慢する。
「おっちゃん、サメ肌、サメ皮が伸びてくると、オナモミみたいになってくるからな」
タオルが引っ掛かってくるのよ、だから、伸びたら、パチンパチンって爪切りで、切ってたんだけども、やっぱり伝説は違ったわ。
サメの扱いわかっとる。
と言われるのは、浜薔薇のタモツだが、伸びたサメ肌、カールしている部分を切ったのはこれが初めてである。
奥さんの実家が植木をやってて、そのハサミを見て、タモツとの結婚を許した。
ハサミの扱いは人よりも長けてはいるが、伸びたサメ肌というのは、初めてである。
サメ肌、よく見ると木目というか、ダマスカス鋼のような趣がある、これが伸びてくると、模様が消え飛びてでくる。
「切っても痛くはないのか?」
ないでーす。
そういわれたので、パチンパチンと短く全体を切ってくれた上に、ミツロウクリームを塗ってくれた。
「ミツロウですか!」
その話を聞いた研究家は驚いた。
「サメの競技会の方でも、サメの磨き方っていうのがあってですね、そこにミツロウの文字が、豚の脂でもいいんですけども、人間の皮膚への軟膏、クリームにもこの処方は活かされているって、これを今も作っているところがまだありまして」
そこで出てきた名前に聞き覚えがあった。
「あれ?それ、この間浜薔薇でシャンプーしたメーカーさんじゃないかな」
あれ、気持ちいいよ。
「えっ?なんです、一気にこっちの研究進んだんですけども、今日はなんの日です」
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