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映画スターの裏の顔
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「あっ、そうだ、山宮さんのご飯さ、酢飯って頼んだことある?」
昼過ぎの、ほぼ顔見知り同士になった浜薔薇の駐車場でのことだ。
「えっ?なにそれ、うまいの、刺身とか欲しくなっちゃう系?」
「いや、あれだけで旨い、暑いときさ、ちょっと白米だと…時あるじゃん、一回さ、今日の夕食とか持ち帰ろうと思って頼んだときに、ご飯が酢飯だったのよ」
これは山宮さんがいればやってくれますが、忙しいときは遠慮してくだされば助かります。
「みりんで焼いた魚に、枝豆の豆腐と、トマトもらってさ、そこに酢飯よ、とりあえず酢飯はおすすめ、なんかよくわからないけども、箸が止まらなくなる」
その箸、魔法がかけられてません?
そこに車が来た。
ピョコン
「あっ、映画の」
「サメだな」
降りてきたのはサメでした。
おそらく映画の主演のサメかと思うのだが。
「今さらサメじゃ驚かねえな」
「そうですね」
この昼過ぎの常連組は浜薔薇にはいつも驚かされているから、サメの一匹じゃ驚かないよというやつだ。
サメは炊き出しの列に並んで、食事を取りたいようだ。
しかしサメは人よりも、子供ぐらいの背丈なので。
「どこに座りますか?」
スタッフがトレーに乗った食事を持って尋ねた、運んでくれるらしい。
「サメさん、ここ空いているよ」
常連さんがこえをかけた。
椅子も人サイズなので、ちょっと座るのは難しいが。
「ほい」
抱っこされて、サメが椅子にすわった。
「さすが火トカゲの兄貴は優しい」
「ケンタさんまでサラマンダー扱いかよ」
フォークならば上手に使えるようでサメはポテトサラダを食べている。
「この子、河川ザメとかいうんでしょ」
「そうそう、海だとでっかいけども、住む場所によってサイズ変える、だからこう見えても大人なんだろう」
一心不乱でポテトサラダを食べるサメ。
(ちょっと顔が怖いな)
映画スターの裏の顔である。
河川ザメというのは雑食で、人は襲わない、苔とか食べても生きていける。
河川とはあるが、生まれた場所は台風が生まれるような南の方、台風のあと川で見つかるから、おそらく台風の風雨にのって来ているのではないかと言われるが、まだ特定されていない。
「昔、俺の学校のそば、そこにある川でも見かけたことがあるんだけども、台風後にいなくなったんだよ」
台風と共にやってくるが、台風にはどうも弱いらしく、流されたり、お亡くなったりする。
「ポテトサラダ好きなのかな、食べすぎても大丈夫なのか」
そこにスタッフが来て。
「ここまでは食べさせてくださいって連絡もらっているんで」
おかわりまでは許しているようだ。
「なんでも、ええっとお名前はイッキュウって言うんですけども、イッキュウくんは、好物が練り餌が好きなんですよ」
「練り餌って釣りの?」
「はい、仲良くなった釣り人から練り餌もらって大きくなったみたいで、特にじゃがいもを好むので、ポテトサラダとか大好きなんですよ」
釣り人が練り餌が気になっているイッキュウに、与えたところ、練り餌の入れ物に顔を突っ込むようになった。
「基本的に芋類が好きみたいですね」
うとうと
「食べちゃうと眠くなるので、つれていきますね」
スタッフが椅子ごと車のそばにつれていくと、運転手がドアを開いて、中に乗っているスタッフと寝かせている。
「映画スターも大変だな」
「まあ、そうでしょうね、今回サメシン(フィギュアスケート サメシングル)が人気のおかげで、あの単館系の映画館助かったみたいな話してますし」
固定客(サメファン)がいるから強いんだぜ。
「なんかお客さん増えるたびに、追加でまた撮影しているとかいってたな」
「そうなんですよ、あれ、クボミチ」
「ああ、クボミチか」
若手から演技派と呼ばれるようになった俳優さんです。
「この間、それこそイッキュウと釣り人っていう映画っていうか、なんていうかを撮影したって」
「なんだそりゃ」
「ああ、クボミチって釣り好きなんですよ、それで仕事で釣りできるのって」
ただし川釣り、イッキュウが隣にいて、練り餌をとられないようにする。特に脚本もないので、そのままカメラだけは回します。
「まんまじゃん」
「そう、まんまだったんですけども、あれはなんか先行で見た人があれはサメ映画じゃなくて、クボミチの休日っていってましたからね」
あっ、準備しなくても、ベストとかポーチは自前なんで大丈夫です。
「くそ、あのイケメンやるじゃん」
「釣りガチ勢ですよね」
昼になると、その辺りの釣り人が集まる食堂で、サメと一緒にうどんを食べたりする。
「監督がまさかすごい監督になるとは思いませんでした、若いときはたくさん使ってもらいましたから」
その若いときの作品はまだパッケージにはなってない。
サメ由来の育毛剤を使いすぎて、頭からサメが生えてくる「サメか俺か」など気になる作品はたくさんあるんですけどもね。
クボミチさんは薄毛疑惑があるのはこのせいですけども、このかた見かけ以上に演技バカなんで。
「髪ですか?いいですよ」
芝居のために切りました。
「あの時、クボミチくんのファンの子から、監督絶対許さないって言われました」
「ありましたね」
トークショーではそんな話にもなったりして。
「監督!」
「おっ、どうしたんだい?」
「あのですね、監督、ブラックベルト映画祭って知ってます?」
「都市伝説じゃん、サメの映画の祭典、レッドカーペットみたいなやつがあるという」
「それです、そこから連絡が、きちんと代理人つけています」
ガメムノーン王は赤い道は神々の道とした。
ならばブラックベルトとは?
プランクトンが少なく、栄養素の関係で黒に見える黒潮から来ている、そこではサメのサメのためのサメによる映画祭、それがブラックベルトフィルムフェスティバル。
「人のためのサメ映画部門にノミネートされました」
「俺、サメ映画撮影してて良かった」
サメ映画は人生を切り開く、さあ、あなたもレッツサメ映画!
昼過ぎの、ほぼ顔見知り同士になった浜薔薇の駐車場でのことだ。
「えっ?なにそれ、うまいの、刺身とか欲しくなっちゃう系?」
「いや、あれだけで旨い、暑いときさ、ちょっと白米だと…時あるじゃん、一回さ、今日の夕食とか持ち帰ろうと思って頼んだときに、ご飯が酢飯だったのよ」
これは山宮さんがいればやってくれますが、忙しいときは遠慮してくだされば助かります。
「みりんで焼いた魚に、枝豆の豆腐と、トマトもらってさ、そこに酢飯よ、とりあえず酢飯はおすすめ、なんかよくわからないけども、箸が止まらなくなる」
その箸、魔法がかけられてません?
そこに車が来た。
ピョコン
「あっ、映画の」
「サメだな」
降りてきたのはサメでした。
おそらく映画の主演のサメかと思うのだが。
「今さらサメじゃ驚かねえな」
「そうですね」
この昼過ぎの常連組は浜薔薇にはいつも驚かされているから、サメの一匹じゃ驚かないよというやつだ。
サメは炊き出しの列に並んで、食事を取りたいようだ。
しかしサメは人よりも、子供ぐらいの背丈なので。
「どこに座りますか?」
スタッフがトレーに乗った食事を持って尋ねた、運んでくれるらしい。
「サメさん、ここ空いているよ」
常連さんがこえをかけた。
椅子も人サイズなので、ちょっと座るのは難しいが。
「ほい」
抱っこされて、サメが椅子にすわった。
「さすが火トカゲの兄貴は優しい」
「ケンタさんまでサラマンダー扱いかよ」
フォークならば上手に使えるようでサメはポテトサラダを食べている。
「この子、河川ザメとかいうんでしょ」
「そうそう、海だとでっかいけども、住む場所によってサイズ変える、だからこう見えても大人なんだろう」
一心不乱でポテトサラダを食べるサメ。
(ちょっと顔が怖いな)
映画スターの裏の顔である。
河川ザメというのは雑食で、人は襲わない、苔とか食べても生きていける。
河川とはあるが、生まれた場所は台風が生まれるような南の方、台風のあと川で見つかるから、おそらく台風の風雨にのって来ているのではないかと言われるが、まだ特定されていない。
「昔、俺の学校のそば、そこにある川でも見かけたことがあるんだけども、台風後にいなくなったんだよ」
台風と共にやってくるが、台風にはどうも弱いらしく、流されたり、お亡くなったりする。
「ポテトサラダ好きなのかな、食べすぎても大丈夫なのか」
そこにスタッフが来て。
「ここまでは食べさせてくださいって連絡もらっているんで」
おかわりまでは許しているようだ。
「なんでも、ええっとお名前はイッキュウって言うんですけども、イッキュウくんは、好物が練り餌が好きなんですよ」
「練り餌って釣りの?」
「はい、仲良くなった釣り人から練り餌もらって大きくなったみたいで、特にじゃがいもを好むので、ポテトサラダとか大好きなんですよ」
釣り人が練り餌が気になっているイッキュウに、与えたところ、練り餌の入れ物に顔を突っ込むようになった。
「基本的に芋類が好きみたいですね」
うとうと
「食べちゃうと眠くなるので、つれていきますね」
スタッフが椅子ごと車のそばにつれていくと、運転手がドアを開いて、中に乗っているスタッフと寝かせている。
「映画スターも大変だな」
「まあ、そうでしょうね、今回サメシン(フィギュアスケート サメシングル)が人気のおかげで、あの単館系の映画館助かったみたいな話してますし」
固定客(サメファン)がいるから強いんだぜ。
「なんかお客さん増えるたびに、追加でまた撮影しているとかいってたな」
「そうなんですよ、あれ、クボミチ」
「ああ、クボミチか」
若手から演技派と呼ばれるようになった俳優さんです。
「この間、それこそイッキュウと釣り人っていう映画っていうか、なんていうかを撮影したって」
「なんだそりゃ」
「ああ、クボミチって釣り好きなんですよ、それで仕事で釣りできるのって」
ただし川釣り、イッキュウが隣にいて、練り餌をとられないようにする。特に脚本もないので、そのままカメラだけは回します。
「まんまじゃん」
「そう、まんまだったんですけども、あれはなんか先行で見た人があれはサメ映画じゃなくて、クボミチの休日っていってましたからね」
あっ、準備しなくても、ベストとかポーチは自前なんで大丈夫です。
「くそ、あのイケメンやるじゃん」
「釣りガチ勢ですよね」
昼になると、その辺りの釣り人が集まる食堂で、サメと一緒にうどんを食べたりする。
「監督がまさかすごい監督になるとは思いませんでした、若いときはたくさん使ってもらいましたから」
その若いときの作品はまだパッケージにはなってない。
サメ由来の育毛剤を使いすぎて、頭からサメが生えてくる「サメか俺か」など気になる作品はたくさんあるんですけどもね。
クボミチさんは薄毛疑惑があるのはこのせいですけども、このかた見かけ以上に演技バカなんで。
「髪ですか?いいですよ」
芝居のために切りました。
「あの時、クボミチくんのファンの子から、監督絶対許さないって言われました」
「ありましたね」
トークショーではそんな話にもなったりして。
「監督!」
「おっ、どうしたんだい?」
「あのですね、監督、ブラックベルト映画祭って知ってます?」
「都市伝説じゃん、サメの映画の祭典、レッドカーペットみたいなやつがあるという」
「それです、そこから連絡が、きちんと代理人つけています」
ガメムノーン王は赤い道は神々の道とした。
ならばブラックベルトとは?
プランクトンが少なく、栄養素の関係で黒に見える黒潮から来ている、そこではサメのサメのためのサメによる映画祭、それがブラックベルトフィルムフェスティバル。
「人のためのサメ映画部門にノミネートされました」
「俺、サメ映画撮影してて良かった」
サメ映画は人生を切り開く、さあ、あなたもレッツサメ映画!
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