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KCJのいいところ
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「今日はお寿司の気分なんですよね」
山宮さんの気まぐれが始まる。
「新鮮な鯵、焼き魚にしても美味しいでしょう、しかし、ここは寿司にしたい」
そうなればKCJとしては見守るだけである。
炊き出しに山宮さんの姿があるときは…
(期待できる)
炊き出しとキッチンカーのファンの連絡網が、トップニュースで伝える。
『今日は山宮さんが来てる』
何か美味しい食材が、どうしても食べさせたい逸品が我々にあるんのではないか。
『今日はいけないが、レポーターよろしく』
『任せておけ』
この辺を採算度外視でやっているために、炊き出しにはファンが増えるのである。
「山宮さんは寿司も握れるんですか?」
「一時期はまって」
家族からはまた寿司かぐらい握った時期がある。
この人は一度気になると、わかった!と何かしら納得するまでやり込んでしまうことがある。
「自分の趣味も兼ねているから、鯵の握り、2貫はサービスでお願いします」
数に限りはありますよ。
本来のメニューは南蛮漬けだったのですが。
「お前は寿司になるためにここに来たんだ」
食材に話しかけてました。
メニューの変更を告げ、管理部門のおえらいさんたちと。
「えっ?何、今日寿司!」
運よくその時食堂にいた人たちで、先に作ったぶんはみんな終わりました。
(今日の〆はうまく行った)
酸味が効きすぎない、あくまで山宮好みではあるのだが。
(半分はマリネにして、丼にしてもよかったかもしれない)
セロリありにするか、無しにするかは、その時の鯵次第だという。
(調理は奥が深い)
山宮はそんなことを考えながらも、手は素早く寿司マシーンとなっていた。
「やっぱり山宮さん来ると行列長くなるよな」
KCJの職員が最後尾とかかれたものを持って整理に当たってる。
「だって山宮さんだぞ」
KCJの浜薔薇出張所の炊き出しという仕事は、山宮にとって天職であった。
(本当は鰻を出せば良かったのかもしれない、すまない、鰻は予算を越えてしまって、ならばせめて私から、美味しい鯵を)
「すいません、もう酢飯ないです」
「そうか、まだまだ未熟だな」
注 通常炊き出しメニューは別にあります。
(山宮さんが落ち込んでいる)
(バカ、今、反省しているのさ、そのうち山宮さんのことだ、不死鳥のように!)
スクッ!
後ろでスタッフが話をしている間に立ち直った、今回は早い。
「己の未熟さがわかったので、支部にすぐに戻って、調理技能あげたいと思います」
普通の人、山宮さんは普通の人だろうなと思ったのだが、自分が今までしたかったこと、料理に専念できる環境になったら、こうなった。
「あっ、戻ってきた」
「浜薔薇のみなさんの昼食を作らねば」
そういって、庭で収穫された椎茸を使い、焼いたシメサバに椎茸の餡掛けソースを作って帰っていった。
「山宮さんは、お母ちゃんみたいなところあるな」
タモツはこりゃあ、うめえなといって食べている。
「前に来たときもそうでしたね、炊き出し終わりかけの時に子供が来たら」
はい、そこ、座って、チャーハンでいい?あれだぞ、美味しいやつだぞっていいながら作り始めた。
ただその子というのは、ちゃっと家族に問題があるようなので、その食べている間にKCJに連絡を出張所から行い、夜には一匹のケットシーがやってきた。
もちろんここはイツモの縄張りなので。
「この間はいつも緊張します」
イツモともう一匹のケットシーが空気に緊張感を漂わせている。
ふい!
やっと終わったようだ。
このケットシーは警備部門のケットシー、イツモもお仕事できている同族にたいしては、喧嘩にいきなりなることはないのだが、それでも念には念を入れてというやつである。
その警備のケットシーは少年のもとに歩き始めた。
家庭内は密室である。
肉親が怒鳴り散らして、暴力を振るったとしても、すぐに助かる…というのは稀なことだ。
うん、この子は運がいい方だ、たまたま警備のケットシーがついてくれることになった、そしてそのケットシーがいる間に、問題は起こり。
サッ!
「ああ、ダメだよ、入ってきちゃ」
少年は猫だと思い、守ろうとするが。
抱き締めた少年も一緒に守るように、トレミー状の障壁が振り上げられた拳に響くのだ。
「痛ぇ」
「逃げよう」
猫を抱き上げて、着のみ着のまま外に出た。
今日は暑いが、虫除け無しで歩くものではない気温と場所だ。
バチバチバチ
そこをまたトレミー状の障壁がはじいていくを
「すごいね、お前、お前みたいなことが僕もできていたら、殴るの諦めてくれるのかな」
その言葉を理解したらしい。
すると、そこに車が近づいてくる。
胴体にはKCJの文字。
「今、警察も来ます」
警備部が保護をすることにした。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「なんか昨日うるさかったよな」
パトカーがサイレン鳴らしてました。
話が話なので、関係者以外には昨日の事件は広がらないように気を配られた。
「KCJは金の力で児童養護施設もあるんですよ」
もちろん最近でも、あそこの児童養護施設は怪しいとか、そこまで善意でやるはずがないとか失礼なことを言われたりはするのだが。
「世話になってからわかる、KCJは変な人は多いが、そういうところはまともだから」
出身者がそういうぐらい変な人は多くて、まともなのがKCJのいいところです。
山宮さんの気まぐれが始まる。
「新鮮な鯵、焼き魚にしても美味しいでしょう、しかし、ここは寿司にしたい」
そうなればKCJとしては見守るだけである。
炊き出しに山宮さんの姿があるときは…
(期待できる)
炊き出しとキッチンカーのファンの連絡網が、トップニュースで伝える。
『今日は山宮さんが来てる』
何か美味しい食材が、どうしても食べさせたい逸品が我々にあるんのではないか。
『今日はいけないが、レポーターよろしく』
『任せておけ』
この辺を採算度外視でやっているために、炊き出しにはファンが増えるのである。
「山宮さんは寿司も握れるんですか?」
「一時期はまって」
家族からはまた寿司かぐらい握った時期がある。
この人は一度気になると、わかった!と何かしら納得するまでやり込んでしまうことがある。
「自分の趣味も兼ねているから、鯵の握り、2貫はサービスでお願いします」
数に限りはありますよ。
本来のメニューは南蛮漬けだったのですが。
「お前は寿司になるためにここに来たんだ」
食材に話しかけてました。
メニューの変更を告げ、管理部門のおえらいさんたちと。
「えっ?何、今日寿司!」
運よくその時食堂にいた人たちで、先に作ったぶんはみんな終わりました。
(今日の〆はうまく行った)
酸味が効きすぎない、あくまで山宮好みではあるのだが。
(半分はマリネにして、丼にしてもよかったかもしれない)
セロリありにするか、無しにするかは、その時の鯵次第だという。
(調理は奥が深い)
山宮はそんなことを考えながらも、手は素早く寿司マシーンとなっていた。
「やっぱり山宮さん来ると行列長くなるよな」
KCJの職員が最後尾とかかれたものを持って整理に当たってる。
「だって山宮さんだぞ」
KCJの浜薔薇出張所の炊き出しという仕事は、山宮にとって天職であった。
(本当は鰻を出せば良かったのかもしれない、すまない、鰻は予算を越えてしまって、ならばせめて私から、美味しい鯵を)
「すいません、もう酢飯ないです」
「そうか、まだまだ未熟だな」
注 通常炊き出しメニューは別にあります。
(山宮さんが落ち込んでいる)
(バカ、今、反省しているのさ、そのうち山宮さんのことだ、不死鳥のように!)
スクッ!
後ろでスタッフが話をしている間に立ち直った、今回は早い。
「己の未熟さがわかったので、支部にすぐに戻って、調理技能あげたいと思います」
普通の人、山宮さんは普通の人だろうなと思ったのだが、自分が今までしたかったこと、料理に専念できる環境になったら、こうなった。
「あっ、戻ってきた」
「浜薔薇のみなさんの昼食を作らねば」
そういって、庭で収穫された椎茸を使い、焼いたシメサバに椎茸の餡掛けソースを作って帰っていった。
「山宮さんは、お母ちゃんみたいなところあるな」
タモツはこりゃあ、うめえなといって食べている。
「前に来たときもそうでしたね、炊き出し終わりかけの時に子供が来たら」
はい、そこ、座って、チャーハンでいい?あれだぞ、美味しいやつだぞっていいながら作り始めた。
ただその子というのは、ちゃっと家族に問題があるようなので、その食べている間にKCJに連絡を出張所から行い、夜には一匹のケットシーがやってきた。
もちろんここはイツモの縄張りなので。
「この間はいつも緊張します」
イツモともう一匹のケットシーが空気に緊張感を漂わせている。
ふい!
やっと終わったようだ。
このケットシーは警備部門のケットシー、イツモもお仕事できている同族にたいしては、喧嘩にいきなりなることはないのだが、それでも念には念を入れてというやつである。
その警備のケットシーは少年のもとに歩き始めた。
家庭内は密室である。
肉親が怒鳴り散らして、暴力を振るったとしても、すぐに助かる…というのは稀なことだ。
うん、この子は運がいい方だ、たまたま警備のケットシーがついてくれることになった、そしてそのケットシーがいる間に、問題は起こり。
サッ!
「ああ、ダメだよ、入ってきちゃ」
少年は猫だと思い、守ろうとするが。
抱き締めた少年も一緒に守るように、トレミー状の障壁が振り上げられた拳に響くのだ。
「痛ぇ」
「逃げよう」
猫を抱き上げて、着のみ着のまま外に出た。
今日は暑いが、虫除け無しで歩くものではない気温と場所だ。
バチバチバチ
そこをまたトレミー状の障壁がはじいていくを
「すごいね、お前、お前みたいなことが僕もできていたら、殴るの諦めてくれるのかな」
その言葉を理解したらしい。
すると、そこに車が近づいてくる。
胴体にはKCJの文字。
「今、警察も来ます」
警備部が保護をすることにした。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「なんか昨日うるさかったよな」
パトカーがサイレン鳴らしてました。
話が話なので、関係者以外には昨日の事件は広がらないように気を配られた。
「KCJは金の力で児童養護施設もあるんですよ」
もちろん最近でも、あそこの児童養護施設は怪しいとか、そこまで善意でやるはずがないとか失礼なことを言われたりはするのだが。
「世話になってからわかる、KCJは変な人は多いが、そういうところはまともだから」
出身者がそういうぐらい変な人は多くて、まともなのがKCJのいいところです。
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