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このままでいいや!
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浜薔薇は好きだが、なんとなく行きたくない時がある。
例えば今みたいな時。
ゴロゴロ
外がこんな天気なのもあるが、やはり一番は気分である。
(俺みたいなのが浜薔薇に行っていいんだろうか)
そういう強迫観念にとらわれていた。
(そりゃあ、浜薔薇の人たちはみんないい人たちばかりだし、毎回驚かされる)
あそこは逆にどんなサービスをしてもおかしくはない。
そしてこういうときに、非通知の電話がかかってきてすぐ切れる。
最悪だ。
しかし、その時の通知に、浜薔薇のファンたちが集う、紳士淑女の社交場のものがあったので、それを見ると。
『浜薔薇で流れているBGMが動画で再生可能になりました、これであなたの部屋も浜薔薇になる』
すごいな、これ、あれ、確か、映画とかにも音楽提供しているカルボン、浜薔薇の近所に住んでいるという縁で、人気になる前に作ってもらったんだろう?
へぇと、まあ、そんなにデータも重くないから、つい再生してしまった。
流れてくる音楽、ああ、これだ、浜薔薇行くといつもかかっているやつ。
マッサージはふだん頼まないので、聞き馴染みはないが、そうそうこれこれ、あの扉をあけると、ゆっくりとしたテンポで流れていて、あの三人がさ、こっちみて、いらっしゃいませっていうんだよな。
「本日はどういうメニューにしますか?」
受付の傑が、ファミレスみたいなメニュー表見せてくる。
浜薔薇のファンならホームページにも載っているこれと、ファンが作った情報ページに目を通しているから、それを見る前にもう今日は何をするか決まっているのだ。
「はい、では準備しますからこちらの番号でお呼びしますので、ソファーに座ってお待ちください」
ちょうど目の前で、レジェンドのタモツ先生が、カリカリカリカリカリとお客さんの耳の中を削っていた。
蒸れて、タンパク質や脂や毛なんかがごちゃごちゃになむているのだろう。
それを丁寧に削る。
あれは一度やられたらわかる、肩凝りが治る!
本当、重いものが取れるんだよな、やられてみた人しかわからないけども、えっ?何?やられたことないの?残念だな、あんなにいいものないぜ、背筋が伸びて、肩凝りから解放されるの、スッ!って感じ、スッ!
削られた耳垢を、耳かきのサジの部分でさっさと片付ける、そして残ったものがないかと奥を見ると…あったらしい。
レジェンドの目が光る、あの眼光から逃れられた耳垢はおそらくあるまい。
先程のでとれなかったのは、汗のせいでか多少蒸れていたからである、へばりついていたものを、切り離すようにしてボロリと落とす、垢と耳の中に生えている毛、そして長いのは髪であろう、こんがらがって耳の中に居座ったものがようやく陽の目を見た。
(デカイな)
これで聞こえが悪くなっていたら、耳鼻科コースであろう。
確かに耳鼻科で耳垢は取ってくれるのだが、自分は浜薔薇派である。
「準備ができましたのでどうぞ」
おおっと自分の番が来たか、もっと見学したかったが仕方あるまい。
カットは主に傑さんが行うが、この人は上手い、伸びている髪を逆再生したような、違和感のないカットができる人である。
正直この腕を知ってしまったら、安いところにいかなくなった。
確かにコストパフォーマンスとか考えちゃうと、あっちだろうが、浜薔薇は色んなものがついてくる、でも一番大きいのは満足だ。
「おおおおおおおおお」
「ああああああああああ」
何しているのかなと思ったら、蘆根さんに疲れを癒してほしい、できれば今の時間内に全部とってと注文したお客さんと全力でマッサージをしていた。
いや、あれはマッサージか?
でもタイのマッサージとかで、ああいう風に人に伸ばされたり、技をかけられたようなやつもあるから、蘆根さんのことだ、凡人にはわからない特別な技とかかけているんだろうか。
パタッ
あっ、お客さんが動かなくなった。
そこにタモツ先生がシェービングを始めた。
話によると、確かにあれは疲れがとれるのだが、マッサージなどを初めてすぐに寝落ちしてしまうのか、何をされているのかまったくわからないまま。
「お客さん、時間ですよ」となるそうなので。
「あれは我々にとっては禁断の技だな、ファンはあくまでカットされている、シャンプーされているを楽しむのであって、あそこまで行っちゃうとね」
「気持ちはわからないわけではない、ただ楽しむことも浜薔薇の魅力なので」
とファンの間では忌避されているそうだ。
こちらとしては、それでも疲れを落としてもらわなければ、納期に絶対に間に合わない時もあると思うので、容認したいと思う。
しかし、浜薔薇には色んなファンがいるな。
『第一回浜薔薇ファンミーティングを開催します、ファンのかたには色んな意見を募集したいと思っていますので、よろしければご応募ください』
意見ね…
値段を安く?色んなところとコラボする?
いろいろ考えたのだが、浜薔薇はこのままでいいや!
例えば今みたいな時。
ゴロゴロ
外がこんな天気なのもあるが、やはり一番は気分である。
(俺みたいなのが浜薔薇に行っていいんだろうか)
そういう強迫観念にとらわれていた。
(そりゃあ、浜薔薇の人たちはみんないい人たちばかりだし、毎回驚かされる)
あそこは逆にどんなサービスをしてもおかしくはない。
そしてこういうときに、非通知の電話がかかってきてすぐ切れる。
最悪だ。
しかし、その時の通知に、浜薔薇のファンたちが集う、紳士淑女の社交場のものがあったので、それを見ると。
『浜薔薇で流れているBGMが動画で再生可能になりました、これであなたの部屋も浜薔薇になる』
すごいな、これ、あれ、確か、映画とかにも音楽提供しているカルボン、浜薔薇の近所に住んでいるという縁で、人気になる前に作ってもらったんだろう?
へぇと、まあ、そんなにデータも重くないから、つい再生してしまった。
流れてくる音楽、ああ、これだ、浜薔薇行くといつもかかっているやつ。
マッサージはふだん頼まないので、聞き馴染みはないが、そうそうこれこれ、あの扉をあけると、ゆっくりとしたテンポで流れていて、あの三人がさ、こっちみて、いらっしゃいませっていうんだよな。
「本日はどういうメニューにしますか?」
受付の傑が、ファミレスみたいなメニュー表見せてくる。
浜薔薇のファンならホームページにも載っているこれと、ファンが作った情報ページに目を通しているから、それを見る前にもう今日は何をするか決まっているのだ。
「はい、では準備しますからこちらの番号でお呼びしますので、ソファーに座ってお待ちください」
ちょうど目の前で、レジェンドのタモツ先生が、カリカリカリカリカリとお客さんの耳の中を削っていた。
蒸れて、タンパク質や脂や毛なんかがごちゃごちゃになむているのだろう。
それを丁寧に削る。
あれは一度やられたらわかる、肩凝りが治る!
本当、重いものが取れるんだよな、やられてみた人しかわからないけども、えっ?何?やられたことないの?残念だな、あんなにいいものないぜ、背筋が伸びて、肩凝りから解放されるの、スッ!って感じ、スッ!
削られた耳垢を、耳かきのサジの部分でさっさと片付ける、そして残ったものがないかと奥を見ると…あったらしい。
レジェンドの目が光る、あの眼光から逃れられた耳垢はおそらくあるまい。
先程のでとれなかったのは、汗のせいでか多少蒸れていたからである、へばりついていたものを、切り離すようにしてボロリと落とす、垢と耳の中に生えている毛、そして長いのは髪であろう、こんがらがって耳の中に居座ったものがようやく陽の目を見た。
(デカイな)
これで聞こえが悪くなっていたら、耳鼻科コースであろう。
確かに耳鼻科で耳垢は取ってくれるのだが、自分は浜薔薇派である。
「準備ができましたのでどうぞ」
おおっと自分の番が来たか、もっと見学したかったが仕方あるまい。
カットは主に傑さんが行うが、この人は上手い、伸びている髪を逆再生したような、違和感のないカットができる人である。
正直この腕を知ってしまったら、安いところにいかなくなった。
確かにコストパフォーマンスとか考えちゃうと、あっちだろうが、浜薔薇は色んなものがついてくる、でも一番大きいのは満足だ。
「おおおおおおおおお」
「ああああああああああ」
何しているのかなと思ったら、蘆根さんに疲れを癒してほしい、できれば今の時間内に全部とってと注文したお客さんと全力でマッサージをしていた。
いや、あれはマッサージか?
でもタイのマッサージとかで、ああいう風に人に伸ばされたり、技をかけられたようなやつもあるから、蘆根さんのことだ、凡人にはわからない特別な技とかかけているんだろうか。
パタッ
あっ、お客さんが動かなくなった。
そこにタモツ先生がシェービングを始めた。
話によると、確かにあれは疲れがとれるのだが、マッサージなどを初めてすぐに寝落ちしてしまうのか、何をされているのかまったくわからないまま。
「お客さん、時間ですよ」となるそうなので。
「あれは我々にとっては禁断の技だな、ファンはあくまでカットされている、シャンプーされているを楽しむのであって、あそこまで行っちゃうとね」
「気持ちはわからないわけではない、ただ楽しむことも浜薔薇の魅力なので」
とファンの間では忌避されているそうだ。
こちらとしては、それでも疲れを落としてもらわなければ、納期に絶対に間に合わない時もあると思うので、容認したいと思う。
しかし、浜薔薇には色んなファンがいるな。
『第一回浜薔薇ファンミーティングを開催します、ファンのかたには色んな意見を募集したいと思っていますので、よろしければご応募ください』
意見ね…
値段を安く?色んなところとコラボする?
いろいろ考えたのだが、浜薔薇はこのままでいいや!
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