浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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最初の魔法使い

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「臭気計が反応してますね」
「なんか直接嗅いだら、体に悪そうだしね」
東司の運転する車は特別仕様車、魔法を内部から繰り出すために銀糸を使われていたり、金属類には異世界からの産出品が混ぜられている合金が使われていたりする。
「これかな」
葵岡にはもう何かが見えているらしい。
彼は魔法使いとしてKCJに登録されていた。
「あっ、これ一体だけじゃないわ」
「何体です?」
「カラスに襲われて、落ちている奴も三体か、ヒレをつけている奴はああ、いたね、芝刈り後の、ゴミとして片付ける草の山、その中に潜んでる、あれ片付けようとしたら襲ってくるよ」
ホラー映画かな。
「この暑さでも、草の中なら、水分あるし、ここは町中よりも、気温低いから、それとヒレとでなんとかなった、奇跡的な産物だな、クレセントゾンビくんは」
「連絡きました、私道の管理しているかたに草が邪魔なのでこちらで捨てさせてもらうといったところ、それじゃあ、やってくださいと」
「わかった、本当は捕獲したいんだけどもね、ヒレだけでももらおうか」
車の影の形が変わる、日光の影ではなく、車を中心とした魔方陣になっていく。
「このタイプはあまり使わないんだが、早期決着が望ましいということで」
魔方陣から何か飛び出したのを東司は感じたが見えない、それこそその影がなければ、気のせいではないかと思っただろう。
影の化け物がしばらくしてから帰ってくるが、さっきと明らかに違う場所、腹の大きさであった。
(これは波里をつれてこなくて正解だったな)
「気持ち悪いっていう人もいるから、僕の魔法難しいんだよ」
自分の好みで揃えていった結果が、周囲にドン引きというやつだ。
「元々コレクターでしたっけ?」
「そう、頭良かったから、百点とると、なんか買ってもらった、親の見栄を満足させれる子供だったよ、でもどっか空虚で、コレクションに心を満たされたいった」
そんな中だ。
「魔法使いのために作られたアイテムというのが意外と普通に売られていた、まあ、魔法を使えない人間からすると、ただのアクセサリーとかにしかならないからね、あの石は綺麗でだったよ、魔法が使えない僕でもほしくなるぐらいにね」
ネクタイピンなのだが、魔法使い用の礼装として赤と白のマーブルの石がついていた。
「葵岡さんは才能あるんじゃないですかね?そういうのが並んでもわからない人にはわからないし」
「そうだね、説明してもわからなくいというのは経験したよ、おかげで魔法使いになったけどもね」
最初は間違われたそうだ。
「えっ?魔法使いじゃないの、そんだけすごいの持っているのに?」
「その時に奪われない方がいいということで、盗難避けはかけてもらって、その魔法使いは初級だけだったけども、教えてもらってさ、逆にこっちからは魔法使い用の道具で支払っていたんだ、お金はそんなに使ってはいないから、そういう意味では安く取得できたよね」
その教えてもらった最初の魔法使いとは交流がまだあり、今では道具を購入しに来るが、昔の値段のままだそうだ。
「東司くんは魔法覚えないの」
「今のスタイルで勝てなくなったら、それか、幹部になるなら考えますよ」
「あっ、戦闘職の幹部の試験内容変わったの知ってる?」
「いえ」
そこまで本気ではなかったのでもちろん知らない。
「異世界経験が、100近くないとダメになった」
「えっ?前はいくつかで良かったでしょ?」
「そう、なんか世界が分裂期間に入っているから、それで異世界経験だけじゃ参考にならない、戦闘経験ありなのか、観光かわからないから、確実に戦闘経験があるのを調べ直したら、そこぐらいまで歩き回っていたら、確実ってことでそれに」
「じゃあ、俺は資格ないですね」
「僕の場合は逆に異世界経験ないからなんとも言えないけども、生活が便利になれちゃうと、他に行く気にはなれないんだよな」
「それは波里も言ってました」
「だよね」
「連絡きました、ゾンビたちはみなロストしました」
「じゃあ、帰るか…」
「でもいいですね、帰りに風呂入らずにゾンビの始末できるのって」
「それだけでも魔法を覚えて良かったよね」
そうして車にエンジンがかけられた。


『ここは浜薔薇の耳掃除です』


どうしよう…
ケンタさんは困っていた。
(また便利グッズを開発してしまった)
ケンタさんは大金持ちですが、生活変わるのが嫌なために前と同じところに住み続けています。
(夏は暑くなるから、電気代高くなるの嫌だなって)
古いところを借りてて、先日大家から、内装とか自由にしていいからと言われたこともあり、真夏対策を考えていた。
そしてKCJの整備部門に見学をした際に、グリーンの色でもテントの下の気温が変わらないシートを見て。
こういう感じで、賃貸用に真夏だけでも張って剥がせるシートで熱を遮ったらいいんじゃない?
試してみたところ、満足の出来。
ペリペリ
音にもこだわった、思わず剥がしたくなる音に。
「これ、カビとか生えないっすね」
整備部門が試した。
「湿気があるとね、そこは抜けるようにした」
ポン
管理部門が肩を叩いた特許のお時間だと。
彼は自分が発明したそのシートを天井に貼って、生活をしている。
本日の外の気温は35度、部屋の中は26度のクーラー無しを昼前でもキープしていた。

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