浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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ヒグマが来ても大丈夫

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「あっ…」
「どうした?」
「カバンが…」
傑の買い物などのトートバッグが布地が裂けていました。
「まあ、これはしょうがないんですけどもね」
「あれ?町バックはどうした?あれじゃないよな」
「今まで使っているものが使い終わったらと思ってましたし、商売の品物は自分よりもお客さん優先ですよ」
そこら辺が商人の考え方だな。
「でも町バックは、好評なので、結構待たなければならないので、代わりを見つけなきゃいけませんね」
「あっちこっち物色してるから、ちょっとずつ買っても、すんごい重くなるものな」
「重くなりますね、これでも選んでいるんですけどもね」
これがオシャレ番頭の生きざまだ。
「代わりにやってくれる人がいれば違うんでしょうが…」
「傑の代わりはいねえな」
「頼られて嬉しいような、なんといいますか」
「でもほぼ自由なのは?」
「燃える!」
「だろ!」
「言わせないでくださいよ」
スタイリングやコーディネートは終わりのない道である。
「確かに前の職場ではできませんでしたからね」
そういう鬱憤をまだ抱えていると思いきや。
「いや、今はなんか違いますね、お客さんが期待しているのがわかるので」
ソワソワソワソワ
自分の誕生日に、オシャレ番頭に予算を伝え、セレクトしてもらうお客さんが最近出来ました。
「絶対予想がはずれるんだもん」
それが嬉しいとかもあるようです。
「一応僕の好みでいいですか?っては聞きますよ」
やっちゃってくれよ、オシャレ番頭にKOを俺はくらいたいんだ!
今までこういうお客さんがいないので、躊躇うといったところか。
「自転車でかなり遠方まで行ってないか?」
「それもお客さんのためですね、こちらで扱ってないものを探してくるとそれだけで+効果あるから、幹事のように用意するんじゃなくて、サプライズも込みならばそこなんですよね」
地元にはないチェーンなども探してきます。
「気づいたんですけども、前より買い物の時間が長くなっているですよね」
「でもそのおかげでうちの生活のクオリティは上がったと思う」
使う予算は同じでも、もしくは今までよりも安くていいものを仕上げるので。
「豆腐な」
「ああ、あの豆腐美味しいですよね」
「何あれ、豆が違うの?」
そういった食品でも代わりました。
「同じ金額なら、やっぱり旨い方がいいなって、この仕事してるとあちこちに買い物するっていうのはなかなか難しくて」
蘆根は買い物は好きであるが、仕事優先になっているので、短時間で済ませている。そのために100円ショップにつれてかれて、傑から「はい、これで好きなように買ってください」と1000円渡されると、何時間でも潰せるんじゃないかぐらいウロウロしている。
「そういえばさ、あれ良かったんだよ」
100円ショップで売っている300円お掃除アイテム、ワイパーシートブラシ。
わかりにくいので、柄がついているブラシ、ブラシも毛足は短いのだが、そこにドライのお掃除シートを。
「ブラシにお掃除シート張れるんだよな、市販のものが、だから、挟むとうのより、一発でブラシの部分にシートがはまるんだよ」
そしてこれのすごいところ。
「絨毯も畳もこれで綺麗になる」
「あっ、それ雑誌でも紹介されてましたよ」
これこれと。
「そうそう、それよ、ブラシの部分でかきだして、シートでキャッチして、普通ブラシかけたら、引っ掛かりそうなもんだけどもな、引っ掛からないんだよな」
「ローラーでもないんでしょ?」
「そうそう、シートとブラシがいい感じで滑る、なんか特許とったとかっていう話だけども、あれは特許だわ、どっかのお掃除好きが開発したんじゃねえか?」
あっ、開発者そこに来てるよ。
「ケンタさん、ああ、どうしたの?暗い顔して」
「ああ、ちょっとね、仕事で」
「そういう時は美味しいもの食べちゃおうよ、ねえねえ見てみて、ケンタさん、今日シュークリームだって、しかもあのおじさん、俺がおじさんっていったらだめか、おじさんがおじさんって、おかしいね、あのお店の人ね、昔お菓子のお店やってたんだよ、そこのシュークリームは美味しくてね、私が仕事していた時…うちの家族に…」
そこで暗くなった。
「米川さん、無理に思い出さなくていいから」
「まだダメみたいだ」
そのままぐふっといいそうになったので、ケンタは必死でフォローした。
「シュークリーム、すいません、二つください」
「冷たいお茶もあるよ」
「麦茶で」
そんなこともありましたが、あのワイパーシートブラシの開発者はこのケンタさん(仮名です)
「仕事しなくてもいいって言われても、なんかこう、新しい人間関係作りたくなくて」
しばらくはそっとしてくださいの彼がはまったのは掃除だった。
「なんか、こんなに丁寧に掃除したのははじめてで、掃除機買った方がとも思ったんだけども」
実はまだ前の家に住んでいた。
「そういうのから、道を踏み外しそうでさ」
それで調べてみたら、100円ショップの道具でもかなりできるようになったと。
「警護に来ているKCJのものですが、ケンタさん(防犯のため仮名)は本当にお金使わなくて」
部屋の掃除をしたり、資産の説明など聞いて回ったりして、それ以外は今までと変わらない。
「掃除のあれは、なんかこれで絨毯も畳も一発じゃとかハイテンションでいいだしたんですよね」
これでいつお金がなくなっても生きていけるとか、言ってたようだ。
「なのでKCJが特許とって、その100円ショップにプレゼンしたら、商品化になって、資産また増えてますよ」
ケンタさんからすると、またお金増えちゃった、これどうしようで落ち込むらしい。
「あまりにも落ち込んでいるときは、交代の警備も人ではなくケットシーを要請します」
何しろ見た目が猫である。
にゃ~
(猫がいるなら、人来たらすぐにわかりそう)
そういう安心をケットシーは与えているようです。
KCJでは夜間の警備の際もお任せください、警備担当のケットシーともなればヒグマが来ても大丈夫、みなさまに安全をお届けします。


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