浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
上 下
177 / 996

やっぱり毛艶が違うらしい

しおりを挟む
「せっかく、教えてもらったのにな…」
何気なく蘆根が呟いた。
「なんですか?」
傑が何気なく聞くと。
「いやな、この人な」
雑誌に出てる人を見て。
「この人、うちの先生からいろいろ教わったはずなんだが、毎日やってなかったみたいでな」
「浮腫ですか」
「毎日やってたら出ない浮腫なんだよな」
「先輩はこういうの嫌いですよね」
「嫌いだな」
たまに蘆根は肌の調子やら何やらのセルフケアを聞かれると快く教えるのだが。
「やってなかったかと、この角度からも浮腫が見えるということはあの時一回だけだったかって」
「そんなに違うものなんですか」
「違うな、だいたい気になってから慌てるだろう?あそこでちゃんとやるかだな」
そんなに高いものを使わずにできることを教えているタイプなので、やらなかった、そして浮腫んでいるとかを見ると、嫌か気分になる。
「この間の子みたいな根性を見せられたいな」
「ああ、あれは…」
レイヤーさんでした。
キャラにいかにして近づけて自分を出すか、それが大事なので、そのために私は生きています。
(先輩が教えるのを躊躇わないタイプだ)
「方向性は違えども、自分なりの何かを掴むと思う」
「毎日どれだけそういったものに時間を使えるかが、キーポイントにはなるとは思いますが」
「最初はなんでも時間がかかるが、そうだな、そこが過ぎると維持するのは簡単にはなるんだがな」
「そこまで世の中の人はやりませんからね」
「残念だよな」
「先輩はまだまだ挑むというか、探っていくんですね」
「そうだな、医学もむっちゃ進化しているから、それに併用していけばいいんじゃないかな」
蘆根はこの段階で心労をマッサージで老廃物で流すなど、 訳のわからないことをしている。
「そういえば傑の方も、あの低価格のマッサージミルクはどうなんだ?」
「あれですか?やはり使い方としては乾いた肌のときかなと、水分量が多いから、風呂上がりじゃないと使いにくいものとはやはり別ですよね」
「乾燥肌用というのはなかなか伸びないから、乾燥肌用であそこまで伸びるのは利点だな」
「ただちょっとマッサージするとき準備いりますよね」
「イツモはたまにそういうときに合わせてイタズラ顔するからな」
今、クリーム乾くまで動けないんだろ?ちよーと、イタズラしようかな、ちょーとだけね。
「でもしないからな」
してたら、クリーム乾いてなくても捕まえる方向です。
「そしてその間にクリームが乾く」
(時間潰しに付き合っているのかな)
よくわかっているケットシーである。
「イツモ用っていうか、猫用のマッサージもな、そろそろ一回はしていかないとな」
縄張りの猫たちは交換所で、支部のケットシーは一度やはり支部までいかないとダメだろう。
「よくイツモが許しますね」
「武士の情けらしい」
敵に塩を送るでもいい。
「やっぱり毛艶が違うらしいからな」
イツモの縄張りの猫たちがあんまりよそに行かない、もしくは里子に出されても一時里帰りしたくなるのはそれである。
「でも俺はトリマーとかではないんだがな」
人類担当です。
「イツモがマッサージされていると、他の猫たちが見に来ますよね」
「なんでか、見ているよな、なんでだろう」
王様がマッサージされているぜ。
いいな~

『ここは浜薔薇の耳掃除です』

「サメについてですが」
またサメかよという職員たちの顔。
「なんかよくわからないのですが、人気なので、サメに関しての事例は全て事細かにレポートをあげてください」
面倒くさいことが増えた。
「なんでそんなにサメが」
「日本はサメ映画が好きな人が多くて、広報として出しているレポートを見て、取材の申し込みが」
「受けるんですか?」
「いや、受けませんよ、そんな日本はサメの驚異にいつも脅かされているとかってなったら、取材来るでしょ」
「ですね」
「だからこちらが出せるギリギリのところで勘弁してくださいと、怪我でもされたら大変ですし」
「そういう人はサメに噛まれても、噛まれちゃった!っていって笑ってそう」
「そうなんだよな、でもね、実際にいたそうですよ」
サメにラブ!って抱きついて、ガブ!とやられたやつが。
「うわ、もういるのかよ」
「いました、やっぱり噛まれちゃったよって笑っていたそうですよ」
「アホだな」
「さすがにみなさんの負担を増やすわけには行きませんからね」
「やれといわれればとりあえずやってみますけども…」
だいたいそうやって切り出した場合は。
「すいません、やっぱりダメです」
一回でダメだったりするものです。
「これはしないでくださいねって注意を説明してもまず守られないんですもん」
「すいませんね、そういう理由のために無理させて」
「いえ、ああいうのは、そこまでしないと騒ぐでしょうし」
それでもし職員に何かあったら、怪我などをさせたら、賠償させるよを契約してもらうので。
「昔はここまでひどくはなかったんですよ」
守らない人が出てきてから、どんどん規約が増えた。
「まあ、安全と天秤にかけると我々は安全を取るしかないですからね」
KCJがあんまり知名度もないのもこういう理由である。
「窓口を見つけないと相談しようもないですからね」
それこそそういうのは行政でどうぞ!っていうお話です。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...