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よっ!おしゃれ番頭!
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「先輩、これなんてどうですかね」
「おっ、可愛いんじゃないか」
「こういうのは俺らが決めるよりは、やっぱり傑だな」
浜薔薇では差し入れを選んでいる最中でございました。
それはなんでか…
「取引しているあの会社のスタッフさんが、いいわよね、差し入れとかって、うちじゃ、そういうのあんまりないしっていってからな」
こういうとき、聞いて凍りつくか、それともそのぐらいかと流すのか。おそらく二パターンあるとは思うが、浜薔薇の男性陣は凍りつくか、慌てるパターンである。
取引先と侮るなかれ。
「口に出すとしたら、よっぽどだからな」
「そうなんですよ、よっぽどですし」
もう鬱憤は限界に近いぞ。
「スイーツか」
「そうじゃなくてもいいんですけども、スイーツでしょうね」
「傑としては何がいいんだ?」
「いつも自分では買わない、ちょっと気になるものっていうところですかね」
「ちょっと気になるはわかる、いつもは自分では買わないは?」
「いいですか、家計とかあるんですよ」
「それはわかるよ」
これはわかってないやつですよ。
「目安は一応はあるんですけどもね」
言語にするのは難しい。
「時給ぐらいの値段のものをもらうと嬉しい」
「ああ、それは」
「買うとき迷うぐらいのものを、そっと差し入れですってやると喜ぶ」
「前の店ではどうしていたんだ?」
「苦労しました」
もうそれ以上は聞けない。
「俺のところはホテルだったからな」
逆に古今東西の差し入れが来ていた。
「初めてフランス菓子食べたのも勤めているときだったな」
「とりあえず、あそこの取引先は自分のところでは差し入れは出さないでしょうから…」
「うちでやると、それで予算は?」
「予算はあります、それよりも品物かなって」
そこを考えちゃうらしい。
「そっちになると、傑の独壇場だからな」
「傑が選んだものを渡したときに、娘さんの顔が輝くからな」
「よっ!おしゃれ番頭!」
「なんですか、それ、本当」
そういいながらもカタログを見まくっている。
「カタログとか見るのも大変だな」
「そうですね、こういうのにお店も力いれてますし」
「俺はホームセンターのカタログは無限に見れるぞ、あっそういえば」
「なんです?」
「ギフトのセールのちらしも来てた」
「見せてくれますか?」
チラッと見ると。
「ダメか」
「そうですね、この辺で取り扱ってないものとかすごく喜ぶんですよね、だからそういうのから選んでます 」
「やっぱり見たことないから?」
「そうですね、なんかそれが+になると、値段以上の満足してくれるから、僕はそこを見ているんですよ」
「茶入ったぞ」
タモツは三人分のお茶をいれてくれる、タモツの足元にイツモがゴロゴロとすりよる。
「高いヨーグルトも考えるんですが、この時期のヨーグルトは、冷蔵送料、それもあるし」
「冬の方が味が濃いからな」
「そうなんですよね、まだこの辺は急ぎじゃないから、こうしてゆっくりと考えれますけどもね、毎回、あまり僕の好みを知らないところだと、ドキドキしますね」
「お前はそういうところあるよな」
「試されるのがよくわかるというか、見えるというか」
「でもさ、調子にのったら、向こうが要求したらそこで切れよ」
「あっ、はい」
結構傑はそういう目に合う。
「あくまでそこはサービス、こだわりっていうのなんで、こちらがこう!って決めたら、もっとはないんだよ」
そう蘆根はいう。
蘆根もタモツなども、何か騒ぎがあったら、何かを片手に。
「どうした!」
「何があった!」
と勢いよくやってくるタイプだし、一歩も引かない。
それでだいたい相手がびびる。
(正直、これが一番ありがたいんですよね)
少なくとも浜薔薇にはそういう、最初っから喧嘩腰にびびるものはいない、また客も同じ。
「ワシらの浜薔薇を守るんじゃぁ」
ってなる。
「日頃暴れられないストレスを、正当化できるだけではないかと言われてますが、たぶん、そんなことはない」
首謀者は今回申しており。
「ほどほどにしてくださいね」
傑さんはもう慣れた。
「う~ん」
また考え事。
「どこで悩んでいるんだ」
「いっぱいありすぎるんですよね」
差し入れするところへの情報収集もいつの間にかすませました。
「何が見えた?」
「やっぱりこういうのは美味しいし、好きだけども、いつもは買えないから」
にゃーん
「イツモのことじゃないぞ」
頭を撫でられる。
「一目で惚れてほしいな」
「そこは大丈夫じゃないか?おっと、お前が思ったわけじゃん、それはみんな素晴らしいと思うんだよな」
「そう思ってくれるとありがたいんですがね」
そして選ばれたものは。
「可愛い」
「アイスじゃないんだ」
アイスに見えるが、和菓子なので、解けないで食べれるよ。
「評判良かったってよ」
「よかった」
「しかし、また別の問題がな」
「なんです?」
そのイチゴは私が食べたい、あっ、誰だよメロン食べたのも。
「差し入れが美味しかったせいで、争いが生れた」
「もうそこは差し入れしなくてもいいですよね」
「だな」
あまりにも美味しかったもので人間関係が険悪になり、次の差し入れはないという、現代のお伽噺みたいなことが起きた。
「おっ、可愛いんじゃないか」
「こういうのは俺らが決めるよりは、やっぱり傑だな」
浜薔薇では差し入れを選んでいる最中でございました。
それはなんでか…
「取引しているあの会社のスタッフさんが、いいわよね、差し入れとかって、うちじゃ、そういうのあんまりないしっていってからな」
こういうとき、聞いて凍りつくか、それともそのぐらいかと流すのか。おそらく二パターンあるとは思うが、浜薔薇の男性陣は凍りつくか、慌てるパターンである。
取引先と侮るなかれ。
「口に出すとしたら、よっぽどだからな」
「そうなんですよ、よっぽどですし」
もう鬱憤は限界に近いぞ。
「スイーツか」
「そうじゃなくてもいいんですけども、スイーツでしょうね」
「傑としては何がいいんだ?」
「いつも自分では買わない、ちょっと気になるものっていうところですかね」
「ちょっと気になるはわかる、いつもは自分では買わないは?」
「いいですか、家計とかあるんですよ」
「それはわかるよ」
これはわかってないやつですよ。
「目安は一応はあるんですけどもね」
言語にするのは難しい。
「時給ぐらいの値段のものをもらうと嬉しい」
「ああ、それは」
「買うとき迷うぐらいのものを、そっと差し入れですってやると喜ぶ」
「前の店ではどうしていたんだ?」
「苦労しました」
もうそれ以上は聞けない。
「俺のところはホテルだったからな」
逆に古今東西の差し入れが来ていた。
「初めてフランス菓子食べたのも勤めているときだったな」
「とりあえず、あそこの取引先は自分のところでは差し入れは出さないでしょうから…」
「うちでやると、それで予算は?」
「予算はあります、それよりも品物かなって」
そこを考えちゃうらしい。
「そっちになると、傑の独壇場だからな」
「傑が選んだものを渡したときに、娘さんの顔が輝くからな」
「よっ!おしゃれ番頭!」
「なんですか、それ、本当」
そういいながらもカタログを見まくっている。
「カタログとか見るのも大変だな」
「そうですね、こういうのにお店も力いれてますし」
「俺はホームセンターのカタログは無限に見れるぞ、あっそういえば」
「なんです?」
「ギフトのセールのちらしも来てた」
「見せてくれますか?」
チラッと見ると。
「ダメか」
「そうですね、この辺で取り扱ってないものとかすごく喜ぶんですよね、だからそういうのから選んでます 」
「やっぱり見たことないから?」
「そうですね、なんかそれが+になると、値段以上の満足してくれるから、僕はそこを見ているんですよ」
「茶入ったぞ」
タモツは三人分のお茶をいれてくれる、タモツの足元にイツモがゴロゴロとすりよる。
「高いヨーグルトも考えるんですが、この時期のヨーグルトは、冷蔵送料、それもあるし」
「冬の方が味が濃いからな」
「そうなんですよね、まだこの辺は急ぎじゃないから、こうしてゆっくりと考えれますけどもね、毎回、あまり僕の好みを知らないところだと、ドキドキしますね」
「お前はそういうところあるよな」
「試されるのがよくわかるというか、見えるというか」
「でもさ、調子にのったら、向こうが要求したらそこで切れよ」
「あっ、はい」
結構傑はそういう目に合う。
「あくまでそこはサービス、こだわりっていうのなんで、こちらがこう!って決めたら、もっとはないんだよ」
そう蘆根はいう。
蘆根もタモツなども、何か騒ぎがあったら、何かを片手に。
「どうした!」
「何があった!」
と勢いよくやってくるタイプだし、一歩も引かない。
それでだいたい相手がびびる。
(正直、これが一番ありがたいんですよね)
少なくとも浜薔薇にはそういう、最初っから喧嘩腰にびびるものはいない、また客も同じ。
「ワシらの浜薔薇を守るんじゃぁ」
ってなる。
「日頃暴れられないストレスを、正当化できるだけではないかと言われてますが、たぶん、そんなことはない」
首謀者は今回申しており。
「ほどほどにしてくださいね」
傑さんはもう慣れた。
「う~ん」
また考え事。
「どこで悩んでいるんだ」
「いっぱいありすぎるんですよね」
差し入れするところへの情報収集もいつの間にかすませました。
「何が見えた?」
「やっぱりこういうのは美味しいし、好きだけども、いつもは買えないから」
にゃーん
「イツモのことじゃないぞ」
頭を撫でられる。
「一目で惚れてほしいな」
「そこは大丈夫じゃないか?おっと、お前が思ったわけじゃん、それはみんな素晴らしいと思うんだよな」
「そう思ってくれるとありがたいんですがね」
そして選ばれたものは。
「可愛い」
「アイスじゃないんだ」
アイスに見えるが、和菓子なので、解けないで食べれるよ。
「評判良かったってよ」
「よかった」
「しかし、また別の問題がな」
「なんです?」
そのイチゴは私が食べたい、あっ、誰だよメロン食べたのも。
「差し入れが美味しかったせいで、争いが生れた」
「もうそこは差し入れしなくてもいいですよね」
「だな」
あまりにも美味しかったもので人間関係が険悪になり、次の差し入れはないという、現代のお伽噺みたいなことが起きた。
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