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次回は浜薔薇の蘆根宇迦さんです
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「これってどういう劇なんですか?」
「使徒トマスは宗教劇だな、ヴァイオレットは悲恋もの、エクィテスは戦争の舞台裏、愛は気楽はコメディって感じ」
「それで決まりましたか?」
「決まらないんだよな」
東司はアフターヌーンティの予約メニューが決まらないでいる。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
マッサージ始める前に、蘆根はお客さんに肩や足の付け根を回してもらう。
『やりにくいなら、こちらがやりますがね』
こうやって血行などを良くしてから行うらしい。
「ただツボを押しても、流れが悪い状態だと、そこで止まってしまいますから」
大事なのは疲れをとれる体にすること。
「これだけでも効果違いますし」
ちょっとした手間ですが、お試しください。
「今日はどうかしましたか?」
「足が疲れちゃってて、起きたら重くてね」
「わかりました」
そこでうつ伏せにして背中から揺すり、あっ、ここかと揺れかたが鈍いところを見つけて、クリームをつけて、念入りに撫でる。
終わってから足である。
これはいつもよりも距離を歩いたための疲れ、足首を回して、指の間。
靴があっていないのだろう、指がのびのびとしていない。
(日頃の疲れがたまった状態でこういうことをしたら、体が辛いってやつだな)
方向性は見えた。
やはり最近マッサージしている体を見ると、全体的に疲れがたまっているのがわかる、たまりかたが心労も兼ね備えた疲れで、ストレス解消や回避が重要ではないかと思う。
まだこうしてマッサージに来てくれている人はいいだろうが、体に悪い趣味で、そのストレスを何とかしようとするのはちょっとどうだろうかとは思う。
「蘆根さんさ」
「なんですか?」
「お弟子さんはいないんだよね」
「いないですよ」
募集してないわけではない。
「そのうち技術提供して、マッサージチェア蘆根モデルとか、AIとかに蘆根さんの腕残してほしい、そしたらそれ使ったもの買うからさ」
「需要ありますかね?」
「あるよ、蘆根さんは一人だけでもそういうのになったら、全国の人が蘆根さんの腕に気がつくし」
「でもマッサージチェアってやっぱりすごいんですよね」
「えっ?何々、蘆根さんもそういうの使っちゃうの?意外」
「あれはね、人類には出せない動きだし、同時にやってくれるから、あの時間で終わるんですよね」
ベストフレンドの湯だとマッサージチェアもお一人様一回無料で使えたりします(コインはカウンターで交換してください)
蘆根は一人でベストフレンドの湯に行く時は、ケットシーもok家族風呂に行く。
もちろんイツモもつれてだ。
イツモはケットシー、猫とは違い彼らの被毛は水にも強くべたっとならない、洗われてもその美しさはまんま維持できる。
このご時世なのでベストフレンドの湯は基本的には家族風呂がメインであり、大浴場を使えるのはルールを守る会員だけである。
「どうやったら守ってくれるだろうか」
店の責任者は考えた。
そこに休憩室で読める本棚、自分の趣味である推理小説の棚が目に入った。
「これだ」
その会の規約に、我が会はディオゲネスクラブをリスペクトすることを追加した。
会員のみなさんはこの単語でどういうことをすればいいのかよくわかった、しゃべらないこと、そしてしゃべると退会させられるということ。
(まさか、あのクラブみたいな事ができるとは)
(なるほど、これは余計なことをしなくてもいいから楽だ)
元々ディオゲネスクラブがあれば楽なのにと思っているところがある人たちが多い、ベストフレンドの温の会員たち、追加ルールなんじゃこりゃと思う人たちがいることはいるが、元ネタの推理小説を読むと、声には出さないが、なるほどな、上手く考えたなと思ってくれたのである。
(そういう意味ではクラブ員とするという方法を選択して、正解だったかもしれません)
黙ってお風呂に入ってくださいだと、守られないというのが聞こえてくるなか。
(自分達はディオゲネスクラブの会員、しゃべったら退会させられる、これがあの兄が作った会なのか)
ファンの方々はこの機会に、体験できるということでソワソワした、ワクワクもした。マスクを着用、飛沫を飛ばさないようにと言われているが、それよりもこの一文があると、守ることで幸せな気分になるのである。
こういうとき、物は言い様、店主のアイディアには脱帽する。
(うちはたまたま推理小説だったけども、面白いアイディアというのは何時いかなる時も転がっているものだと思うんですよ)
当ページも、ご時世ですので、店主とは特殊な方法、テレパシーインタビューにてお送りしております。
(想定と実際は同じになることは少なくて、目の前を見て、何が使えるのか、実際に使えるものを組み合わせて、使えるものを選択していくということが大事だと思うんですよ)
(今後の展望を教えてください)
(前のように通常営業ができるようになっても、ディオゲネスクラブリスペクトデーなどとして、こういう日は残していきたいですね、こんなことは繰り返し起きてほしくはないけども、日頃から慣れておくのが大切かな)
(ありがとうございました)
このインタビューの全文が見たい方は、レム睡眠中にお届けします。
次回は浜薔薇の蘆根宇迦さんです、どうぞお楽しみに!
(あれ?取材の依頼とか受けたの覚えていないな)
ベストフレンドの湯の店主は、スケジュールを確認しても、はてな?となった。
(でもちゃんと謝礼は来ているし、疲れてないと思っても、慣れないことをしていると疲れているものなんだな、気を付けなくちゃ…)
「使徒トマスは宗教劇だな、ヴァイオレットは悲恋もの、エクィテスは戦争の舞台裏、愛は気楽はコメディって感じ」
「それで決まりましたか?」
「決まらないんだよな」
東司はアフターヌーンティの予約メニューが決まらないでいる。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
マッサージ始める前に、蘆根はお客さんに肩や足の付け根を回してもらう。
『やりにくいなら、こちらがやりますがね』
こうやって血行などを良くしてから行うらしい。
「ただツボを押しても、流れが悪い状態だと、そこで止まってしまいますから」
大事なのは疲れをとれる体にすること。
「これだけでも効果違いますし」
ちょっとした手間ですが、お試しください。
「今日はどうかしましたか?」
「足が疲れちゃってて、起きたら重くてね」
「わかりました」
そこでうつ伏せにして背中から揺すり、あっ、ここかと揺れかたが鈍いところを見つけて、クリームをつけて、念入りに撫でる。
終わってから足である。
これはいつもよりも距離を歩いたための疲れ、足首を回して、指の間。
靴があっていないのだろう、指がのびのびとしていない。
(日頃の疲れがたまった状態でこういうことをしたら、体が辛いってやつだな)
方向性は見えた。
やはり最近マッサージしている体を見ると、全体的に疲れがたまっているのがわかる、たまりかたが心労も兼ね備えた疲れで、ストレス解消や回避が重要ではないかと思う。
まだこうしてマッサージに来てくれている人はいいだろうが、体に悪い趣味で、そのストレスを何とかしようとするのはちょっとどうだろうかとは思う。
「蘆根さんさ」
「なんですか?」
「お弟子さんはいないんだよね」
「いないですよ」
募集してないわけではない。
「そのうち技術提供して、マッサージチェア蘆根モデルとか、AIとかに蘆根さんの腕残してほしい、そしたらそれ使ったもの買うからさ」
「需要ありますかね?」
「あるよ、蘆根さんは一人だけでもそういうのになったら、全国の人が蘆根さんの腕に気がつくし」
「でもマッサージチェアってやっぱりすごいんですよね」
「えっ?何々、蘆根さんもそういうの使っちゃうの?意外」
「あれはね、人類には出せない動きだし、同時にやってくれるから、あの時間で終わるんですよね」
ベストフレンドの湯だとマッサージチェアもお一人様一回無料で使えたりします(コインはカウンターで交換してください)
蘆根は一人でベストフレンドの湯に行く時は、ケットシーもok家族風呂に行く。
もちろんイツモもつれてだ。
イツモはケットシー、猫とは違い彼らの被毛は水にも強くべたっとならない、洗われてもその美しさはまんま維持できる。
このご時世なのでベストフレンドの湯は基本的には家族風呂がメインであり、大浴場を使えるのはルールを守る会員だけである。
「どうやったら守ってくれるだろうか」
店の責任者は考えた。
そこに休憩室で読める本棚、自分の趣味である推理小説の棚が目に入った。
「これだ」
その会の規約に、我が会はディオゲネスクラブをリスペクトすることを追加した。
会員のみなさんはこの単語でどういうことをすればいいのかよくわかった、しゃべらないこと、そしてしゃべると退会させられるということ。
(まさか、あのクラブみたいな事ができるとは)
(なるほど、これは余計なことをしなくてもいいから楽だ)
元々ディオゲネスクラブがあれば楽なのにと思っているところがある人たちが多い、ベストフレンドの温の会員たち、追加ルールなんじゃこりゃと思う人たちがいることはいるが、元ネタの推理小説を読むと、声には出さないが、なるほどな、上手く考えたなと思ってくれたのである。
(そういう意味ではクラブ員とするという方法を選択して、正解だったかもしれません)
黙ってお風呂に入ってくださいだと、守られないというのが聞こえてくるなか。
(自分達はディオゲネスクラブの会員、しゃべったら退会させられる、これがあの兄が作った会なのか)
ファンの方々はこの機会に、体験できるということでソワソワした、ワクワクもした。マスクを着用、飛沫を飛ばさないようにと言われているが、それよりもこの一文があると、守ることで幸せな気分になるのである。
こういうとき、物は言い様、店主のアイディアには脱帽する。
(うちはたまたま推理小説だったけども、面白いアイディアというのは何時いかなる時も転がっているものだと思うんですよ)
当ページも、ご時世ですので、店主とは特殊な方法、テレパシーインタビューにてお送りしております。
(想定と実際は同じになることは少なくて、目の前を見て、何が使えるのか、実際に使えるものを組み合わせて、使えるものを選択していくということが大事だと思うんですよ)
(今後の展望を教えてください)
(前のように通常営業ができるようになっても、ディオゲネスクラブリスペクトデーなどとして、こういう日は残していきたいですね、こんなことは繰り返し起きてほしくはないけども、日頃から慣れておくのが大切かな)
(ありがとうございました)
このインタビューの全文が見たい方は、レム睡眠中にお届けします。
次回は浜薔薇の蘆根宇迦さんです、どうぞお楽しみに!
(あれ?取材の依頼とか受けたの覚えていないな)
ベストフレンドの湯の店主は、スケジュールを確認しても、はてな?となった。
(でもちゃんと謝礼は来ているし、疲れてないと思っても、慣れないことをしていると疲れているものなんだな、気を付けなくちゃ…)
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