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42℃のお湯でしっかり洗うこと
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ごろんと、うつ伏せに蘆根がなると、そこにイツモがやってきて、背中を探索しているようだが。
踏み!
「おっ、そこ!」
たまたま踏んだところが大変気持ち良かったらしく、そんな声をあげると。
フミフミ
「お兄さん、どこのお店で働いているの?フリーならばうちのお店で働かない?」
なんて声まで蘆根はかけている。
この冗談と。
「天才だな」
誉めたところ。
それがケットシーのイツモには大変有効だったらしく。
「今では仰向けになってもくる、ちゃんとお腹に乗るときは、確かめてから乗るんだ、わかっているんだろうな」
内臓というのは最初は優しくアプローチ。
「えっ?」
「いや、ちゃんとツボみたいな概念は理解していると思うぞ」
ニャー~
「ほら、返事もしたし」
蘆根の家に傑が来ています。
「魔獣とつくのは基本的にとんでもなく賢いか、とんでもなくアホからしい」
「とんでもなく賢いはわかりますけども、とんでもなくアホっていうのは」
「ダチョウあるだろう?なんかつつかれていても、血が出ても気にしないみたいな、代わりに傷の治りとか丈夫みたいな、そういえばこの間熊と戦ったケットシーの話は聞いたな」
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
熊の時期なので、山菜などを採取する際には猫を…
(なんで猫なんだろ)
うちは犬じゃなくて猫なんだというじいちゃんが育てている猫のキヌは、俺が山に入るときは。
「ついてくるなよ」
といってもついてくる。
じっ
睨み付けると、さっさっと消えるが、どこかに隠れているんだろう。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「まあ、そいつが熊に出会ったら、ケットシーのキヌは熊に襲いかかって、熊が引き離そうとしても、ほら、障壁あるだろう」
熊がガリガリ爪を立てても、障壁は通さない。
「その間に逃げたとか、まあ、とりあえず助かったからいいんだけどもさ、それぐらいケットシーは熊ぐらいなら自力でなんとかできちゃうってやつだな」
そしてキヌはイツモよりも大分年上のケットシーで。
「なんで名前がキヌかっていうと、シルクロードから来た猫だったらしい」
「歴史!」
ざいでんしゅとら?意味は絹の道?じゃあ、キヌ。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「キヌ様は元々材木商のお家の方で、そちらも昔は大変栄えておりまして、今は最初のご家族のひ孫にあたる方々と暮らしております」
最近の面談によると。
「最初にその家に訪れてから、息子さんの代になると木材の需要が落ち込み、山の仕事をしなくなったけども、今、木材の需要があがって、ちょっと忙しくなりそうだから、まだまだ支部には行けないということでした」
その後のひ孫との関係かというと。
「あいつは思春期なので、そういう時期はしょうがないと思っている、父親もそうであった。が、あの一件以来前のようになったんでしばらく様子見るさだそうです」
「やはりケットシーの方々は気が長いものだな」
「長いですね」
人間のように幼年期や青年期などがない、ずっと、それこそ100年近くは元気なので、体力はあっても、精神が達観してくる。
「珍しいんですよ、ああいう感じになっても家族のもとにいるっていうのが」
「そうだな」
最初の家族から時代が変わると、世代の入れ換えがある、それこそ、大事な人間の死を目の前にする。
「そこで心を病むものもいます」
そのケアのためにもKCJは運営されています。
「にゃあ」
「なるほど、自分が必要とされてないような気がすると」
「みゃ」
「あ~そういうことですか、お亡くなりなくなった方とは、それこそ共に苦労してきて、財産を作ってきたのだが、孫たちはそういうのをわかってないと、あんな義理がないやつのところにこれからもいてもな…それはお辛いですね」
このケットシーの場合は、孫たちから招き猫扱いされて、祖父が財産を得たのは、このケットシーのせいだと思われていた、そのために是非とも私と、俺と住んでほしいと言われたら、さらに病んだ。
「うにゃ」
「わかります、わかります、ケットシーにはそんな力はない、迷信なんですがね、ではこちらでKCJに引っ越しの手続きをとりますから」
「みゅ」
元気なく鳴いたので、すぐに支部にお部屋とカウンセラーの手配をした。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「なんか汚れが目立つな」
ロングヘアーシャークは捕獲されました。
「これ切ってさっぱりさせようか」
捕獲した人たちが話をしていると。
「だめです!」
賞金の支払いなどを任されている係りの人がやってきた。
「42℃のお湯でしっかり洗うこと、それが賞金の条件ですよ」
面倒くさい、ここにいる何人かは思ったが、普通よりもお金がいい、そこには勝てなかった。
この時、汚れたロングヘアーシャークをどうやって洗おうかで、技術協力にKCJの整備部門が何人か呼ばれた。
何しろでかいのに、温度は指定、このための場所も大事だしなどというやつだ。
結局は42℃のプールで泳がせて綺麗にするということになった。
そして、今。
ニャー
ケットシーのミューが新しく引き取られた子猫たちを案内するかのように先頭に立ち、KCJの廊下を歩き回っていた。
職員が換気のために部屋の扉を開けているから、ケットシーが歩いていてもびっくりはしないが、最後尾にロングヘアーシャーク(艶髪)がついているのを見たら、職員たちは吹き出しそうになった。
研究所に戻されたロングヘアーシャークの様子がおかしくなったのはすぐのこと。
性格はビビりだったため、人見知りはするロングヘアーシャークは、洗われるために整備部門に面倒を見てもらったところ、人の優しさに触れた。
整備部門の人たちにまた会いたいなと思っているらしい、実際に遊びに来たとき、ロングヘアーシャークは甘える姿を見せたため、研究所も驚いた。
毛髪の再生の研究は今期で終了となるため、ロングヘアーシャークの行き先を探しているという話を聞いたところ、KCJの整備部門一人が引き受けると言った。
「こうなりゃ引っ越しだな」
異世界にロングヘアーシャークのために引っ越すことも決めた。
「仕事の間は現場につれてきたが、ミュー母さんが面倒見てくれることなったし」
ケットシーのミューはこの支部のお母さんみたいなところがあり、ケットシーはもちろん、ケットシーの兄弟姉妹の子猫たちも面倒を見てきたが。
「まさか、ロングヘアーシャークもいけるとは」
名前はポチにした。
認識のタグをつけ、と移動している姿に驚かないように背中に「この子は整備部門のポチです」と書いてはいるが。
ビクッ
人間よりはるかに大きいロングヘアーシャークが廊下を移動していたら、慣れない職員はビックリするし、さすがに一般見学がある時などは整備部門のガレージにいる。
だから蘆根は会ったことはない。
踏み!
「おっ、そこ!」
たまたま踏んだところが大変気持ち良かったらしく、そんな声をあげると。
フミフミ
「お兄さん、どこのお店で働いているの?フリーならばうちのお店で働かない?」
なんて声まで蘆根はかけている。
この冗談と。
「天才だな」
誉めたところ。
それがケットシーのイツモには大変有効だったらしく。
「今では仰向けになってもくる、ちゃんとお腹に乗るときは、確かめてから乗るんだ、わかっているんだろうな」
内臓というのは最初は優しくアプローチ。
「えっ?」
「いや、ちゃんとツボみたいな概念は理解していると思うぞ」
ニャー~
「ほら、返事もしたし」
蘆根の家に傑が来ています。
「魔獣とつくのは基本的にとんでもなく賢いか、とんでもなくアホからしい」
「とんでもなく賢いはわかりますけども、とんでもなくアホっていうのは」
「ダチョウあるだろう?なんかつつかれていても、血が出ても気にしないみたいな、代わりに傷の治りとか丈夫みたいな、そういえばこの間熊と戦ったケットシーの話は聞いたな」
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
熊の時期なので、山菜などを採取する際には猫を…
(なんで猫なんだろ)
うちは犬じゃなくて猫なんだというじいちゃんが育てている猫のキヌは、俺が山に入るときは。
「ついてくるなよ」
といってもついてくる。
じっ
睨み付けると、さっさっと消えるが、どこかに隠れているんだろう。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「まあ、そいつが熊に出会ったら、ケットシーのキヌは熊に襲いかかって、熊が引き離そうとしても、ほら、障壁あるだろう」
熊がガリガリ爪を立てても、障壁は通さない。
「その間に逃げたとか、まあ、とりあえず助かったからいいんだけどもさ、それぐらいケットシーは熊ぐらいなら自力でなんとかできちゃうってやつだな」
そしてキヌはイツモよりも大分年上のケットシーで。
「なんで名前がキヌかっていうと、シルクロードから来た猫だったらしい」
「歴史!」
ざいでんしゅとら?意味は絹の道?じゃあ、キヌ。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「キヌ様は元々材木商のお家の方で、そちらも昔は大変栄えておりまして、今は最初のご家族のひ孫にあたる方々と暮らしております」
最近の面談によると。
「最初にその家に訪れてから、息子さんの代になると木材の需要が落ち込み、山の仕事をしなくなったけども、今、木材の需要があがって、ちょっと忙しくなりそうだから、まだまだ支部には行けないということでした」
その後のひ孫との関係かというと。
「あいつは思春期なので、そういう時期はしょうがないと思っている、父親もそうであった。が、あの一件以来前のようになったんでしばらく様子見るさだそうです」
「やはりケットシーの方々は気が長いものだな」
「長いですね」
人間のように幼年期や青年期などがない、ずっと、それこそ100年近くは元気なので、体力はあっても、精神が達観してくる。
「珍しいんですよ、ああいう感じになっても家族のもとにいるっていうのが」
「そうだな」
最初の家族から時代が変わると、世代の入れ換えがある、それこそ、大事な人間の死を目の前にする。
「そこで心を病むものもいます」
そのケアのためにもKCJは運営されています。
「にゃあ」
「なるほど、自分が必要とされてないような気がすると」
「みゃ」
「あ~そういうことですか、お亡くなりなくなった方とは、それこそ共に苦労してきて、財産を作ってきたのだが、孫たちはそういうのをわかってないと、あんな義理がないやつのところにこれからもいてもな…それはお辛いですね」
このケットシーの場合は、孫たちから招き猫扱いされて、祖父が財産を得たのは、このケットシーのせいだと思われていた、そのために是非とも私と、俺と住んでほしいと言われたら、さらに病んだ。
「うにゃ」
「わかります、わかります、ケットシーにはそんな力はない、迷信なんですがね、ではこちらでKCJに引っ越しの手続きをとりますから」
「みゅ」
元気なく鳴いたので、すぐに支部にお部屋とカウンセラーの手配をした。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
「なんか汚れが目立つな」
ロングヘアーシャークは捕獲されました。
「これ切ってさっぱりさせようか」
捕獲した人たちが話をしていると。
「だめです!」
賞金の支払いなどを任されている係りの人がやってきた。
「42℃のお湯でしっかり洗うこと、それが賞金の条件ですよ」
面倒くさい、ここにいる何人かは思ったが、普通よりもお金がいい、そこには勝てなかった。
この時、汚れたロングヘアーシャークをどうやって洗おうかで、技術協力にKCJの整備部門が何人か呼ばれた。
何しろでかいのに、温度は指定、このための場所も大事だしなどというやつだ。
結局は42℃のプールで泳がせて綺麗にするということになった。
そして、今。
ニャー
ケットシーのミューが新しく引き取られた子猫たちを案内するかのように先頭に立ち、KCJの廊下を歩き回っていた。
職員が換気のために部屋の扉を開けているから、ケットシーが歩いていてもびっくりはしないが、最後尾にロングヘアーシャーク(艶髪)がついているのを見たら、職員たちは吹き出しそうになった。
研究所に戻されたロングヘアーシャークの様子がおかしくなったのはすぐのこと。
性格はビビりだったため、人見知りはするロングヘアーシャークは、洗われるために整備部門に面倒を見てもらったところ、人の優しさに触れた。
整備部門の人たちにまた会いたいなと思っているらしい、実際に遊びに来たとき、ロングヘアーシャークは甘える姿を見せたため、研究所も驚いた。
毛髪の再生の研究は今期で終了となるため、ロングヘアーシャークの行き先を探しているという話を聞いたところ、KCJの整備部門一人が引き受けると言った。
「こうなりゃ引っ越しだな」
異世界にロングヘアーシャークのために引っ越すことも決めた。
「仕事の間は現場につれてきたが、ミュー母さんが面倒見てくれることなったし」
ケットシーのミューはこの支部のお母さんみたいなところがあり、ケットシーはもちろん、ケットシーの兄弟姉妹の子猫たちも面倒を見てきたが。
「まさか、ロングヘアーシャークもいけるとは」
名前はポチにした。
認識のタグをつけ、と移動している姿に驚かないように背中に「この子は整備部門のポチです」と書いてはいるが。
ビクッ
人間よりはるかに大きいロングヘアーシャークが廊下を移動していたら、慣れない職員はビックリするし、さすがに一般見学がある時などは整備部門のガレージにいる。
だから蘆根は会ったことはない。
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