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ヤッホー
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「イツモ、どっかで無くしたのか?」
蘆根がイツモに聞いているが、イツモが答えるわけではない。
にゃ~
あっ、答えた。
「なるほどな」
そういって頭を撫でると、イツモは甘えだした。
「イツモは何かしたんですか?」
「ああなんか、おもちゃに福猫というのがあってな」
「あの持ってると宝くじが当たるというやつ」
「そうそう、無くしたとか思ったら、あれならあげたそうだよ」
「あげた?」
「なんかこう、店の前を歩いてる、元気ないやつに」
「その人、宝くじとか当たれば元気でそうですよね」
「そうだな、それで元気になってくれればいいんじゃないか?」
蘆根も傑も大金持ちというものにあまり惹かれないタイプである。
お金よりも腕を身に付けたいというタイプの蘆根に、実家の関係でお金持ちをたくさん見ているので、あれはあれで自分の好きなことがなかなかできなくと思っている傑であった。
いい匂いがする。
「確かに注文したが、これは多すぎないか?」
本日の炊き出しにおいて、KCJ浜薔薇出張所で注文したもつ汁が、どう見ても大きいのである。
「しかし、予算は間違ってはいない!」
KCJでは能力者を専門職という扱いにしてますが、その中でも一般職の試験を突破している職員には状況に応じて、予算の自由が与えられています。
「先ほど、このもつ汁を注文したところの社長さんが自らお越しになりまして、ご注文のもつ汁はこちらですと、ですから間違ってはいません」
波里が東司に伝票をバン!と見せた、昼前にはこれにおにぎりが届けられる予定である。
「豪気だな」
「でしたので、今まで我々が炊き出しや食料支援したパンフレットをお渡ししました」
概要のものと、支援企業向けの細かい資料があるが、後者の資料の方を渡したようである。
実はKCJの職員でも結構実力者なのがこの出張所の波里と東司。
KCJの評価の一つに予算、いわゆるコストパフォーマンスという項目がある、平均以下を出している場合はその担当がミスマッチということで交代になる。
支部ならまだしも出張所として出向くなら予算や人員は限りがあるため、評価が高くないとまず赴けない。
「でも浜薔薇のある地域が犯罪率とか低いからとかもとても大きいのですよ」
過疎にはなっているが、犯罪率が低い。
「荷物置いたままトイレに行っても、荷物に盗まれないとかな」
東司には逆に衝撃的な光景だった。
「まあ、東司は今までの人生が修羅場だったわけだし」
「その延長戦だと思ってここの話受けたんだがな」
KCJの専門職は転属や転勤が当たり前なのであるが。
「夜に魔物の群れが囲むとかもないしな」
「こんなところであったら大変だよ」
どれだけ浜薔薇の周辺が穏やかかというと、この辺の猫達が今日は暑いわと、木陰の下で香箱座りするぐらい穏やかである。
「そういえばパンの耳を手に入れたんですよ」
「話では聞いたことがあったんだが」
「そのパンの耳!」
さっそく食べてみましょうと食べたところ。
「旨いな」
「くっ、まさかこんなに美味しいというか、美味しいパン屋さんのパンの耳は、かなりいける」
「ここって、コロッケも美味しいよな」
「そうなんですよ、キャベツコロッケのパン!ああ、今回はパンの耳に浮かれてしまって、他のものを買うのは忘れていた!」
なおおすすめはベーコンエッグやマルガリータなどの食事にぴったりのパン。
「でもこのパンの耳なら、別に卵サラダ、もさくはポテトサラダとか作ってもいい気がする」
「とりあえず、節約情報の共有にはあげておきますかね」
現在KCJでは自主事業として節約マニュアルを製作してます。
「他の職員も結構パンの耳食べてますね」
パンの耳のアレンジレシピが並んでいた。
「でもこれ…」
「どうした?」
「お店でパンの耳もらうとかじゃなくて、ホームベーカリーで自分達で焼いている人のレシピがほとんだだね」
「手にいれることから、パンの耳は始まるのか、それなら初心者の森とかに行って…」
「ストップ、誰もがみんな装備渡されて、採取や狩猟できるわけないでしょうか」
戦闘職だとサバイバルスキルという項目持ってることが多い。
「こちらで猟銃の資格とかとって、山に行ってさ、仕留めてきた方が早い気がしてきたな」
「それが出来るならやっているんじゃないですかね、というかKCJの職員が地域によってはその担い手にもなっていますからね」
「野生に戻っている奴いるからな」
「ああ、あそこか」
その昔、山で猟師をしていた集団がいたのだが、地域が貧しかった。
どのぐらい貧しいかというと、春先になると食べるものが無くて、木の芽や皮とかを食べていたそうだ。
そこに異世界から、事故で漂流した人と遭遇。
「人がいたけども、ここの人たち食べるものが穀物じゃなくて」
それでも食べ物を分けてくれました。
異世界からの漂流者というのは、自分の世界ではいいところの出身の役人さんであり。
「うちのところにも山があるんだけども、管理する人いないところあるから、そこを管理して見ませんか?」
食い物もちゃんと出しますよ。
ということで、一部の猟師が移住して、残った猟師とも交流を持ち続けていた。
その残った猟師の子孫は猟師をやめてしまい、移住した猟師がKCJの職員という形で今、山に入っている。
「山の幸!!!!」
猟犬としてクーシーを連れており、今日も山菜をとっている。
「確か、その職員、新種の植物とかも見つけてたよな」
「そうそう、彼からすると手付かずの山を自由にしていいよ状態だから、狩猟、採取、新種の発見とかで楽しくてしょうがないっていってたな」
その山の中でヤッホー聞こえてきたら、山彦ではなく、彼の喜びの声であろう。
蘆根がイツモに聞いているが、イツモが答えるわけではない。
にゃ~
あっ、答えた。
「なるほどな」
そういって頭を撫でると、イツモは甘えだした。
「イツモは何かしたんですか?」
「ああなんか、おもちゃに福猫というのがあってな」
「あの持ってると宝くじが当たるというやつ」
「そうそう、無くしたとか思ったら、あれならあげたそうだよ」
「あげた?」
「なんかこう、店の前を歩いてる、元気ないやつに」
「その人、宝くじとか当たれば元気でそうですよね」
「そうだな、それで元気になってくれればいいんじゃないか?」
蘆根も傑も大金持ちというものにあまり惹かれないタイプである。
お金よりも腕を身に付けたいというタイプの蘆根に、実家の関係でお金持ちをたくさん見ているので、あれはあれで自分の好きなことがなかなかできなくと思っている傑であった。
いい匂いがする。
「確かに注文したが、これは多すぎないか?」
本日の炊き出しにおいて、KCJ浜薔薇出張所で注文したもつ汁が、どう見ても大きいのである。
「しかし、予算は間違ってはいない!」
KCJでは能力者を専門職という扱いにしてますが、その中でも一般職の試験を突破している職員には状況に応じて、予算の自由が与えられています。
「先ほど、このもつ汁を注文したところの社長さんが自らお越しになりまして、ご注文のもつ汁はこちらですと、ですから間違ってはいません」
波里が東司に伝票をバン!と見せた、昼前にはこれにおにぎりが届けられる予定である。
「豪気だな」
「でしたので、今まで我々が炊き出しや食料支援したパンフレットをお渡ししました」
概要のものと、支援企業向けの細かい資料があるが、後者の資料の方を渡したようである。
実はKCJの職員でも結構実力者なのがこの出張所の波里と東司。
KCJの評価の一つに予算、いわゆるコストパフォーマンスという項目がある、平均以下を出している場合はその担当がミスマッチということで交代になる。
支部ならまだしも出張所として出向くなら予算や人員は限りがあるため、評価が高くないとまず赴けない。
「でも浜薔薇のある地域が犯罪率とか低いからとかもとても大きいのですよ」
過疎にはなっているが、犯罪率が低い。
「荷物置いたままトイレに行っても、荷物に盗まれないとかな」
東司には逆に衝撃的な光景だった。
「まあ、東司は今までの人生が修羅場だったわけだし」
「その延長戦だと思ってここの話受けたんだがな」
KCJの専門職は転属や転勤が当たり前なのであるが。
「夜に魔物の群れが囲むとかもないしな」
「こんなところであったら大変だよ」
どれだけ浜薔薇の周辺が穏やかかというと、この辺の猫達が今日は暑いわと、木陰の下で香箱座りするぐらい穏やかである。
「そういえばパンの耳を手に入れたんですよ」
「話では聞いたことがあったんだが」
「そのパンの耳!」
さっそく食べてみましょうと食べたところ。
「旨いな」
「くっ、まさかこんなに美味しいというか、美味しいパン屋さんのパンの耳は、かなりいける」
「ここって、コロッケも美味しいよな」
「そうなんですよ、キャベツコロッケのパン!ああ、今回はパンの耳に浮かれてしまって、他のものを買うのは忘れていた!」
なおおすすめはベーコンエッグやマルガリータなどの食事にぴったりのパン。
「でもこのパンの耳なら、別に卵サラダ、もさくはポテトサラダとか作ってもいい気がする」
「とりあえず、節約情報の共有にはあげておきますかね」
現在KCJでは自主事業として節約マニュアルを製作してます。
「他の職員も結構パンの耳食べてますね」
パンの耳のアレンジレシピが並んでいた。
「でもこれ…」
「どうした?」
「お店でパンの耳もらうとかじゃなくて、ホームベーカリーで自分達で焼いている人のレシピがほとんだだね」
「手にいれることから、パンの耳は始まるのか、それなら初心者の森とかに行って…」
「ストップ、誰もがみんな装備渡されて、採取や狩猟できるわけないでしょうか」
戦闘職だとサバイバルスキルという項目持ってることが多い。
「こちらで猟銃の資格とかとって、山に行ってさ、仕留めてきた方が早い気がしてきたな」
「それが出来るならやっているんじゃないですかね、というかKCJの職員が地域によってはその担い手にもなっていますからね」
「野生に戻っている奴いるからな」
「ああ、あそこか」
その昔、山で猟師をしていた集団がいたのだが、地域が貧しかった。
どのぐらい貧しいかというと、春先になると食べるものが無くて、木の芽や皮とかを食べていたそうだ。
そこに異世界から、事故で漂流した人と遭遇。
「人がいたけども、ここの人たち食べるものが穀物じゃなくて」
それでも食べ物を分けてくれました。
異世界からの漂流者というのは、自分の世界ではいいところの出身の役人さんであり。
「うちのところにも山があるんだけども、管理する人いないところあるから、そこを管理して見ませんか?」
食い物もちゃんと出しますよ。
ということで、一部の猟師が移住して、残った猟師とも交流を持ち続けていた。
その残った猟師の子孫は猟師をやめてしまい、移住した猟師がKCJの職員という形で今、山に入っている。
「山の幸!!!!」
猟犬としてクーシーを連れており、今日も山菜をとっている。
「確か、その職員、新種の植物とかも見つけてたよな」
「そうそう、彼からすると手付かずの山を自由にしていいよ状態だから、狩猟、採取、新種の発見とかで楽しくてしょうがないっていってたな」
その山の中でヤッホー聞こえてきたら、山彦ではなく、彼の喜びの声であろう。
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