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自然光を利用したトリック
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浜薔薇出張所に、「KCJによる節約マニュアル制作中につき、アイディアお待ちしております」と窓にポスターが貼られていた。
「あまりアイディア集まらなくて…」
どうしましょうか?と浜薔薇にやってくる。
「こういうのは、他でも取り上げられているんじゃないでしょうか」
「まあ、そうなんですけどもね、生活雑誌の定番のネタですからね」
「でしょうね、僕が教えた新製品が安く買えるは万人向けの方法でもありませんし」
「ああいうのってどうやって見つけるんですか?」
「えっ?」
「波里さん、傑はそれを自然にやっている」
「自然に節約を、おおあなたは選ばれしものだったか」
「そんな大げさですよ」
「いやいや、そこまで大げさではありませんよ」
東司は紅茶の準備をしている。
ストレスが溜まっているときは茶の力を借りるに限る。
「今、節約のマニュアルを作っているといっているじゃないですか、それは職員の有志が参加しているんですけども、やっぱり問題は節約したことない人に節約してもらえる方法なんですよ、自然に出来る人はもう言われなくてもやっていますから」
「浜薔薇に来てから、俺がやるより傑がやる方が、浮いたりするから、任せたって感じだしな」
「ほらね、あなたは選ばれし者なのだ、今はそういう有志によって節約方法があげられても、節約したことない人にどれなら真似れますか?取り入れますか?ってやってるんですが」
どれも選べない。
「そういう節約方法しか出てこないから、広く募集しようという話で」
「ああなるほど、それはそうかもしれません」
「節約か…」
「先輩はどうなんです?」
「普通だな、特に学生時代は問題なく来たし、確かに修行中はお金がないが、そんなもんだって思っていたしな、ああ、ホテルとかにいたときはご飯には困らなかった」
「賄いですか?」
「ああ、ウェディングとかやってたから、それで急になんかあったときのために控えていたりすると、飯が出るんだ」
その間に勉強のために本を広げていた。
「色々あったよ、悲鳴とか」
「悲鳴?倒れたですか?」
「いや、新郎の付き合っていた女性がな」
「揉めたんですか?」
「意外とそういうのは多かったよ」
髪や着付けのための女性スタッフもいるが、蘆根がいると安心すると控えで早いうちから呼ばれていたのはそのせい。
蘆根が悲鳴で駆けつけると、元カノが乱入していたというので。
「警備呼んで」
怖くて固まってしまったスタッフの一人に、声をかけた。
「で、どうなったんですか?」
「新郎がな、まあ、うん、逃げてな」
「うわぁぁあ」
「まあ、クリーニング代とか入ったし、なんかこう手当てがついたというか」
修羅場手当
「そういえば今はそうウェディング、ウェディングしてないけども、俺がやめた後って、そういうことが起きたときに適切に対処できるのいたかなと」
なんで蘆根さんすんなりやめさせたんですか!
だってしょうがないじゃないか!
「蘆根さんって、前に勤めていたホテルって」
「ほら、前にも言ってた今は名前変わった」
「ああ」
「結婚式なんて見えないだけで、裏に色々あるから、花嫁失踪とかな、探偵小説みたいに消えたやつがあったんで、警察も来たことあったよ、部屋の中にいたはずなのに、廊下には親族がいたりしたのに、どこにどう消えたもんやらって」
「それは大変ですよね…」
「紅茶、ミルクもたっぷり使用したものをご賞味ください、寒い時期の最後の名残と言いましょうか、濃い牛乳の味です」
言葉を濁した波里とそこに別の話題をさしこんだ東司は知っていた、その事件の顛末というか、なんというか。
その花嫁は異世界に拐われてしまったのだ。
急に魔方陣が現れる、ここまではいいだろう、だがどうやって仕掛けられていたか、ランダム召喚?ノーである。
正解は窓ガラス。
花嫁の控え室にある窓ガラス、朝の10時から11時の間、雲がちょっと多い日に太陽光が窓から入ると、床に魔方陣が浮かぶのである。
この雲がちょっと多い日というのがなかなか見つからなかった原因で、確実に魔方陣が浮かぶわけではない、だから調べてもなかなか見つからなかったし、またそこまで確実に花嫁を異世界転移させたいわけではなかった。
長ーく、じわりと確実に供物として花嫁が手に入れば良かった作りだったそうだ。
そしてドレスにも秘密があるそうだ、なんでも転移先はいくつかあり、向こうのドレスの趣味で振り分けていたとか。
「自然光を利用した魔方陣トリックなんてわかるか!」
「まあまあ、課長、捜査協力にKCJの方々がお越しになってますし」
KCJの専門職、いわゆる能力持ちはこういう事件捜査などにも協力してます。
(私が出ると犯人は誰か?推理パートはずしちゃうから、本物の事件じゃ役に立たないんだよな)
だから波里は推理ものというジャンルを楽しむのは好きらしい。
また東司も捜査向けではないから、二人にそちらの事件だからという出番はないのだが、こういうことがあったから、何か変なものがあったら注意することとは上からは言われていた。
「あまりアイディア集まらなくて…」
どうしましょうか?と浜薔薇にやってくる。
「こういうのは、他でも取り上げられているんじゃないでしょうか」
「まあ、そうなんですけどもね、生活雑誌の定番のネタですからね」
「でしょうね、僕が教えた新製品が安く買えるは万人向けの方法でもありませんし」
「ああいうのってどうやって見つけるんですか?」
「えっ?」
「波里さん、傑はそれを自然にやっている」
「自然に節約を、おおあなたは選ばれしものだったか」
「そんな大げさですよ」
「いやいや、そこまで大げさではありませんよ」
東司は紅茶の準備をしている。
ストレスが溜まっているときは茶の力を借りるに限る。
「今、節約のマニュアルを作っているといっているじゃないですか、それは職員の有志が参加しているんですけども、やっぱり問題は節約したことない人に節約してもらえる方法なんですよ、自然に出来る人はもう言われなくてもやっていますから」
「浜薔薇に来てから、俺がやるより傑がやる方が、浮いたりするから、任せたって感じだしな」
「ほらね、あなたは選ばれし者なのだ、今はそういう有志によって節約方法があげられても、節約したことない人にどれなら真似れますか?取り入れますか?ってやってるんですが」
どれも選べない。
「そういう節約方法しか出てこないから、広く募集しようという話で」
「ああなるほど、それはそうかもしれません」
「節約か…」
「先輩はどうなんです?」
「普通だな、特に学生時代は問題なく来たし、確かに修行中はお金がないが、そんなもんだって思っていたしな、ああ、ホテルとかにいたときはご飯には困らなかった」
「賄いですか?」
「ああ、ウェディングとかやってたから、それで急になんかあったときのために控えていたりすると、飯が出るんだ」
その間に勉強のために本を広げていた。
「色々あったよ、悲鳴とか」
「悲鳴?倒れたですか?」
「いや、新郎の付き合っていた女性がな」
「揉めたんですか?」
「意外とそういうのは多かったよ」
髪や着付けのための女性スタッフもいるが、蘆根がいると安心すると控えで早いうちから呼ばれていたのはそのせい。
蘆根が悲鳴で駆けつけると、元カノが乱入していたというので。
「警備呼んで」
怖くて固まってしまったスタッフの一人に、声をかけた。
「で、どうなったんですか?」
「新郎がな、まあ、うん、逃げてな」
「うわぁぁあ」
「まあ、クリーニング代とか入ったし、なんかこう手当てがついたというか」
修羅場手当
「そういえば今はそうウェディング、ウェディングしてないけども、俺がやめた後って、そういうことが起きたときに適切に対処できるのいたかなと」
なんで蘆根さんすんなりやめさせたんですか!
だってしょうがないじゃないか!
「蘆根さんって、前に勤めていたホテルって」
「ほら、前にも言ってた今は名前変わった」
「ああ」
「結婚式なんて見えないだけで、裏に色々あるから、花嫁失踪とかな、探偵小説みたいに消えたやつがあったんで、警察も来たことあったよ、部屋の中にいたはずなのに、廊下には親族がいたりしたのに、どこにどう消えたもんやらって」
「それは大変ですよね…」
「紅茶、ミルクもたっぷり使用したものをご賞味ください、寒い時期の最後の名残と言いましょうか、濃い牛乳の味です」
言葉を濁した波里とそこに別の話題をさしこんだ東司は知っていた、その事件の顛末というか、なんというか。
その花嫁は異世界に拐われてしまったのだ。
急に魔方陣が現れる、ここまではいいだろう、だがどうやって仕掛けられていたか、ランダム召喚?ノーである。
正解は窓ガラス。
花嫁の控え室にある窓ガラス、朝の10時から11時の間、雲がちょっと多い日に太陽光が窓から入ると、床に魔方陣が浮かぶのである。
この雲がちょっと多い日というのがなかなか見つからなかった原因で、確実に魔方陣が浮かぶわけではない、だから調べてもなかなか見つからなかったし、またそこまで確実に花嫁を異世界転移させたいわけではなかった。
長ーく、じわりと確実に供物として花嫁が手に入れば良かった作りだったそうだ。
そしてドレスにも秘密があるそうだ、なんでも転移先はいくつかあり、向こうのドレスの趣味で振り分けていたとか。
「自然光を利用した魔方陣トリックなんてわかるか!」
「まあまあ、課長、捜査協力にKCJの方々がお越しになってますし」
KCJの専門職、いわゆる能力持ちはこういう事件捜査などにも協力してます。
(私が出ると犯人は誰か?推理パートはずしちゃうから、本物の事件じゃ役に立たないんだよな)
だから波里は推理ものというジャンルを楽しむのは好きらしい。
また東司も捜査向けではないから、二人にそちらの事件だからという出番はないのだが、こういうことがあったから、何か変なものがあったら注意することとは上からは言われていた。
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