浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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悪くないと思ってる

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「そうですね、わからないなら説明しますけども、こういうのって初めてあった人とかに相談しにくいじゃないですか」
なのでKCJの生活困ったマニュアルはそっと…読めように配慮されています。
「借りている部屋にパンフもありますし、ネットも無料なんで」
そこでいろいろやっている。
「お風呂を無料で貸していたりするので、はい、そこは色々あるんだろうなと」
+波里と東司がいるので。
「女性の相談の場合は女性職員が来てくれます」
前もって予約してくれれば来てくれますし、そうでもないなら支部から来てくれます。
KCJの相談できる女性職員は、戦闘訓練を受け経験をつんでおりますので、さまざまな状態に対応できます。
(二人で上級クエストを軽々突破、三人もいれば伝説に届くぐらいの火力になっちゃうからな)
ちょっとそれ、火力高すぎるんじゃない?と思うかもしれませんが。
「意外と必要ですよ」
笑顔が少し怖かったです。
「なんというか、生れたて世界だから平和って思ったら、そうでもなかったみたいな」
「東司はこちらよりも育った世界の方が長いから、結構そういう人多いよ、親から聞かされて、あっちの世界は良かったっていって夢を抱いて」
でも実際はというやつだ。
「それは…わかるからな」
「まあ、俺はあちこちつれ回されていたから、もうゆっくりしたいって感じ」
そういう意味では異世界転移経験者を所属させれる受け皿という形では、KCがちょうど良かったりするのである。
「やっぱりさ、どっか飛び抜けちゃっているから、合わせるの大変なんだけども、KCJの職員ですってことになると、ああ、KCJならしょうがないって」
「先人に感謝だな」
KCJは奇天烈、奇人だが有能という人たちのイメージがある、実際にそういう人たちがメインだったりするから、異世界転移経験者を見ても、普通の人だとしか言われない。
「異世界転移経験者よりも奇人ってすごいよな」
「ああ、でもうちの師匠みたいなもんで、ああいうのも自然と生まれて、育ってしまうんだよね」
「あの先生はな」
「お金問題解決しちゃうと、後は自由だったりするから、そういう天才達が、天才達ってさ、別に全員がお金とかの才能を持っているわけじゃないじゃん、分野が特化しちゃうじゃない?でもそれを活かす環境やお金がないから、燻っていたりするわけ、前に聞いたけども、そういうのの救済班っているみたいだよ」
「幹部職員じゃないと全容はわからないし」
幹部になるためには試験があるが、突破できる人は本当にいないよ。
「まあ、自分達の目の前を片付けていくしかないんじゃないかな、今のところは対応はできているし、もうちょっと落ち着いたら、支部とかの戦略担当の奴と話したいんだけどもね」
「あいつ、今忙しいだろう」
「同期だっけ?」
そこで波里は買ってきた新商品の珈琲をあける。
「ああ、そういえば傑さんから安く買えるお店教えてもらったけども、本当に安いよ、東司何食べる?おやつもあるから」
「え~じゃあ」
そういって紅茶に合いそうな、クッキーを選んだ。
「さっきの話だけども、戦略担当忙しいの?」
「ああ、分析と一緒に他の仕事止めて、対応に当たっているし、家に帰ってないって」
「そこまでなの?」
ちゃんとお金とか出るし、敷地内のセカンドハウスは清掃つきなので、ほぼ住んでいる人もいるよ。
「それゴーサイン出たってことは、上、すごいんだな」
いわゆる何かあったから、分析と戦略の社内資格を持っている人たちが志願して、上からも予算とか出して行っていたりします。
「ちょっと怖いね」
「まあ、予算の割り振り、あいつらがきちんとやっているから、俺らもリスクを最小でやれるんでさ」
「そうなんだけども、歯がゆいね」
「まあ、な、とりあえず自分の出番が来たら結果を出すでいいと思う」
「その割には東司も落ち着いてないね」
「そうか?」
「だってさ、紅茶用意しないでしょ」
「心が乱れていると紅茶は」
「そうなんだよ、もう、私たちがいつものことをやるのに迷うような状態が、現場で、まあ、他の支部とかでもそういう感じじゃないかな」
「たぶんな、こういうとき、長いことその地域で活動していた支部とかはすごいんじゃないか」
「あ~はいはい、ちょっと待って、あ~そうか、やっぱりそうだね、支部によっては、一声かけると協力してもらえるとか、地域と良好な関係を築いているのがよくわかるって感じ」
「ここはそこまでではないからな」
「こういうのはすぐになんとかなるもんじゃないよ、この規模でならば最良の結果だと思うんだよ、マッサージとかの話も教わったけどもさ、ちょっとしたコツで予防というか、対策が遅れて来ても、その間の自衛にはなるみたいな、そういう部分を狙っていけばいいんじゃやいかな、ほら、私の戦いかたみたいに」
波里は自分の能力で相手のウェークポイントを見抜いてチクチク攻撃します。
「でもまあ、あんまりそういう使い方好きじゃないんだよね」
秤のような能力なので、そばにいる人間が信用できないとそれだけで気分を害する。
「そういう意味では浜薔薇出張所ちょうどいいんだよね、支部だと色んなことをやらなければならないけども、出張所だとこれとこれ!とか決めて対策すればいいから」
状況が目まぐるしく変わると、精神がついていかなくなるらしい。
「サッカー好きだったけども、能力が発言してから見るの本当に大変で」
攻守切り替わるから、それを理解しようとすると疲れるらしい。
「でもまあ、KCJ来てから、甘いもの食べれば見れますよって言われたから、やっぱりこういう能力者へのサポート、配慮ないと働けないよ、本当」
能力を使うことをメインにした場合、波里の食事は制限されるが、能力以外の技術、それこそ提案書やレポート作成など、仕事の技術を覚えていったからこそ、今では食事は普通のものを食べれる。
「他のところだと、能力があればその能力がメインで活動してほしいって言われるけども、能力を十全に活用する場合、それが生活の中心にどうしてもなるからな」
「節制したくないっていうけども、節制しないとさらに能力を安全に使える寿命っていうのかな、減るからね、特に私のようなタイプは、同じぐらいの年齢になると、現役がいないんだよね、下手するともう大きな子供いて、子供に期待するというか、そういうの見るとうんざりするよ」
そういったこともあるので、波里は支援することで悪縁を切れるのならば切った方がいいと思っているし。
東司はそのために己の矛を奮うのならば悪くないと思ってる。
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