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めげない、死なない、くじけない!
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本日の浜薔薇駐車場のキッチンカーは、そのうち独立してラーメン店を考えている、マルヒサさんの鳥トマト塩ラーメンです。
「浜薔薇終わった後に、ラーメン食べようと思った気持ちが揺らぐんじゃぁぁぁぁぁ」
揺らいだ何人かは「ごめんちょっと、俺行ってくるわ」と誘惑に負けたものが出るという。
「行列が出来てる」
「いいことじゃねえ?」
待ち時間の間を有効活用もいうか。
「この出汁旨すぎる」
「これは鶏ガラを五時間煮込んで、丁寧に出汁を取ったものに、まさかこのトマト缶は!」
「わかりますか?」
KCJの東司がイチオシのトマト缶、これだけでもいいのだが。
「この間の炊き出しをたまたま食べさせてもらったら、このトマト缶旨かったで、こいつならこの鶏ガラにも負けないんじゃないかって思ったんですよ」
ブランドの鶏なのだが、鶏ガラは結構手頃な値段で買える、このガラの出汁はうまいのだが、合わせる食材がかすみがちになるのが悩みであった。
「ああ、あのトマトスープも旨かったな」
「あれだろ、タモ爺が育ててるキノコ入れたやつだろ」
「ああなんか、タモツさんが斧持っていたとき何しているのかと思ったわ」
キノコを育てるための原木を斧で長さ調整してました。
「キノコは昔は冬に育てていたんだがよ」
暖房の前で味噌汁の具にしていた。
「なんか今はもっと簡単なのがあるっていうもんでよ」
試しに色んな食用キノコを育てていった。
「しいたけは収穫早いしよ、育てるのが楽だな」
収穫されたしいたけなどキノコは生で使われたり、乾燥させて出汁をとるためにも使われております。
「社会問題ですか…」
「KCJ的に避けては通れない問題なので、ご興味があればどうぞ」
波里は傑にもKCJの職員募集の試験問題を見せた。
Q 現在、世界が抱える社会問題は資金が足りない状態と調査結果で出ている、その状態で今より改善するにはどうしますか?
「まっ、ざっくりいうとこんな感じですね」
各データはそれぞれまとまっているから、それを参考にして資料を作るという形です。
「確かにお金は足りないですよね」
「数%の改善で合格点、何しろ馬鹿でかい問題だから、1割改善なら文句なしでお金が出るって感じですかね」
「これって、いろんな方が受けれるといってますけども、きちんと真面目に考えて解く人っているんですか?」
「この問題の問題に気づくとはやりますね、そうなんですよね、こんなに広く、それこそ、問題公開しても応募者は少なかったり、そういうときこそお金持っている奴が出せばいいとか、そういうこばかりでですね」
(苦労しているんだ)
「賞金とか待遇はいい方というか」
KCJはそこはしっかりしていたが。
「なんでだろう?」
そう、KCは元々が異世界転移帰還者などが集まりやすいため、それ以外の人材を確保するノウハウが未だに蓄積されていないのだ。
やはり異世界に望む望まないにしろ転移し、また帰還した人間というのは、他の人たちとは違うところがあり。
「お前らはどこ行っても、『めげない、死なない、くじけない』よな」
なんて言われるようなのがKCJには多い。
そのズレが一般の人材確保の弊害になっているが、そのズレがなければ生まれと育ちも違うところに赴任になってもホームシックにならない、むしろよく眠れるご飯が美味しいにはならないのである。
そういう意味では、全くファンタジーとは縁がなかった蘆根の方がおかしいのだ。
傑は蘆根やタモツがいるから浜薔薇にいるが、もしも彼一人ならばここで店をやるとは思わないだろう。
「蘆根さんの場合は、それ以外気にしないところがあるからじゃないかな」
そう波里がつぶやくと。
「すごいわかります」
彼は、蘆根という男は、すごい耳かきやシェービング、マッサージの腕に魅せられているので、ひたすらそれを追って他のものを見ていないのだ。
だからまず苦労、下積みしている印象からかまず皮肉や嫌味が効かないし、わかりやすく言い直そうとしても。
「あっ?」
眉が動いて、明らかに機嫌が悪くなるので、失言した方がそこで失言に気づくし、特に今だと。
「ちょっと、今、何をしたのかね?」
「いえ、ただ」
「ただ?蘆根くんは、浜薔薇どころか、この辺には少なくなった若い人なんだから、そういう言葉使っちゃダメだと思わない?」
この辺の人は言葉でまだ通じるのは、ここら辺が元々商人の通りだったからである。
これが商人がいない地域になると、一方的なデスゲームでも始まっていたのではないだろうか。
「だから田舎は怖いとか、地方に人が来ないとか言われるんだよね」
今は一線を退いているが、商売人の家に生まれると、地方で生まれていても他の地域と交流がある、寂れていく一方の地域でも、考え方としてはこういう部分があるので、蘆根達にかなり協力的なのである。
そのため蘆根の家のイツモがケットシーということがわかり、KCJの職員達がいても、ちゃんと地域のためにやっている姿勢に、かなり好感度も高くなっていた。
「仕事しないで酒飲む奴らとかに比べたら、どんな人にも最初は優しくなれるから、あっ、食料支援はしばらく続けるんでしょ、東司くん」
何か話をするのか、それともキャンピングカーに珈琲を飲みに来たのかはわからないが、近所の人を東司は迎え入れる。
「そうですね、しばらくはそうなるでしょうね」
「タモツさんにキノコの原木あげたの見たら、ああいうのも配ったら?」
なんでもここら辺は冬は寒くなるので、どこのご家庭でも暖房のそばでキノコを栽培していたらしい。
「キノコ嫌いならしょうがないけどさ」
「そういえばケットシーがいると、キノコが育ちやすくなるんですよ」
「へえ、なんで?」
身を守るために障壁を張るケットシーは、体内のミネラルや塩分などを使用する。
「だからたまに豊作になるのはそれでしょうね」
飛んで、着地する時も障壁を使っていたりするので、それがキノコを育てる栄養素になるらしい。
「浜薔薇終わった後に、ラーメン食べようと思った気持ちが揺らぐんじゃぁぁぁぁぁ」
揺らいだ何人かは「ごめんちょっと、俺行ってくるわ」と誘惑に負けたものが出るという。
「行列が出来てる」
「いいことじゃねえ?」
待ち時間の間を有効活用もいうか。
「この出汁旨すぎる」
「これは鶏ガラを五時間煮込んで、丁寧に出汁を取ったものに、まさかこのトマト缶は!」
「わかりますか?」
KCJの東司がイチオシのトマト缶、これだけでもいいのだが。
「この間の炊き出しをたまたま食べさせてもらったら、このトマト缶旨かったで、こいつならこの鶏ガラにも負けないんじゃないかって思ったんですよ」
ブランドの鶏なのだが、鶏ガラは結構手頃な値段で買える、このガラの出汁はうまいのだが、合わせる食材がかすみがちになるのが悩みであった。
「ああ、あのトマトスープも旨かったな」
「あれだろ、タモ爺が育ててるキノコ入れたやつだろ」
「ああなんか、タモツさんが斧持っていたとき何しているのかと思ったわ」
キノコを育てるための原木を斧で長さ調整してました。
「キノコは昔は冬に育てていたんだがよ」
暖房の前で味噌汁の具にしていた。
「なんか今はもっと簡単なのがあるっていうもんでよ」
試しに色んな食用キノコを育てていった。
「しいたけは収穫早いしよ、育てるのが楽だな」
収穫されたしいたけなどキノコは生で使われたり、乾燥させて出汁をとるためにも使われております。
「社会問題ですか…」
「KCJ的に避けては通れない問題なので、ご興味があればどうぞ」
波里は傑にもKCJの職員募集の試験問題を見せた。
Q 現在、世界が抱える社会問題は資金が足りない状態と調査結果で出ている、その状態で今より改善するにはどうしますか?
「まっ、ざっくりいうとこんな感じですね」
各データはそれぞれまとまっているから、それを参考にして資料を作るという形です。
「確かにお金は足りないですよね」
「数%の改善で合格点、何しろ馬鹿でかい問題だから、1割改善なら文句なしでお金が出るって感じですかね」
「これって、いろんな方が受けれるといってますけども、きちんと真面目に考えて解く人っているんですか?」
「この問題の問題に気づくとはやりますね、そうなんですよね、こんなに広く、それこそ、問題公開しても応募者は少なかったり、そういうときこそお金持っている奴が出せばいいとか、そういうこばかりでですね」
(苦労しているんだ)
「賞金とか待遇はいい方というか」
KCJはそこはしっかりしていたが。
「なんでだろう?」
そう、KCは元々が異世界転移帰還者などが集まりやすいため、それ以外の人材を確保するノウハウが未だに蓄積されていないのだ。
やはり異世界に望む望まないにしろ転移し、また帰還した人間というのは、他の人たちとは違うところがあり。
「お前らはどこ行っても、『めげない、死なない、くじけない』よな」
なんて言われるようなのがKCJには多い。
そのズレが一般の人材確保の弊害になっているが、そのズレがなければ生まれと育ちも違うところに赴任になってもホームシックにならない、むしろよく眠れるご飯が美味しいにはならないのである。
そういう意味では、全くファンタジーとは縁がなかった蘆根の方がおかしいのだ。
傑は蘆根やタモツがいるから浜薔薇にいるが、もしも彼一人ならばここで店をやるとは思わないだろう。
「蘆根さんの場合は、それ以外気にしないところがあるからじゃないかな」
そう波里がつぶやくと。
「すごいわかります」
彼は、蘆根という男は、すごい耳かきやシェービング、マッサージの腕に魅せられているので、ひたすらそれを追って他のものを見ていないのだ。
だからまず苦労、下積みしている印象からかまず皮肉や嫌味が効かないし、わかりやすく言い直そうとしても。
「あっ?」
眉が動いて、明らかに機嫌が悪くなるので、失言した方がそこで失言に気づくし、特に今だと。
「ちょっと、今、何をしたのかね?」
「いえ、ただ」
「ただ?蘆根くんは、浜薔薇どころか、この辺には少なくなった若い人なんだから、そういう言葉使っちゃダメだと思わない?」
この辺の人は言葉でまだ通じるのは、ここら辺が元々商人の通りだったからである。
これが商人がいない地域になると、一方的なデスゲームでも始まっていたのではないだろうか。
「だから田舎は怖いとか、地方に人が来ないとか言われるんだよね」
今は一線を退いているが、商売人の家に生まれると、地方で生まれていても他の地域と交流がある、寂れていく一方の地域でも、考え方としてはこういう部分があるので、蘆根達にかなり協力的なのである。
そのため蘆根の家のイツモがケットシーということがわかり、KCJの職員達がいても、ちゃんと地域のためにやっている姿勢に、かなり好感度も高くなっていた。
「仕事しないで酒飲む奴らとかに比べたら、どんな人にも最初は優しくなれるから、あっ、食料支援はしばらく続けるんでしょ、東司くん」
何か話をするのか、それともキャンピングカーに珈琲を飲みに来たのかはわからないが、近所の人を東司は迎え入れる。
「そうですね、しばらくはそうなるでしょうね」
「タモツさんにキノコの原木あげたの見たら、ああいうのも配ったら?」
なんでもここら辺は冬は寒くなるので、どこのご家庭でも暖房のそばでキノコを栽培していたらしい。
「キノコ嫌いならしょうがないけどさ」
「そういえばケットシーがいると、キノコが育ちやすくなるんですよ」
「へえ、なんで?」
身を守るために障壁を張るケットシーは、体内のミネラルや塩分などを使用する。
「だからたまに豊作になるのはそれでしょうね」
飛んで、着地する時も障壁を使っていたりするので、それがキノコを育てる栄養素になるらしい。
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