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お客様の声
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「というか、カルボンがまさか近所の人とは」
「俺は全然知らんかったからな、それこそ、イツモがフェカリスの友達で」
両親と姉妹が引っ越した後、イツモは友人のフェカリスと共に過ごす時間があった。
「今度一緒に飲みに行くか?」
「そんなことできませんよ」
(そういえばあいつもそういってたな)
なんか、勝手に先生にされちゃって、今友達いなくてさ。
そんな悩みを大変だな、お姉さんビールお代わりねと聞いたりした時期がありました。
(最近は吹っ切れたからな)
あるがままに作っていたものより、依頼を受けたものの方が評価が高く、どうしたらいいのか長いこと悶々としておりましたが。
それこそ、浜薔薇へのヒーリングミュージックがきっかけである。
「へぇ、そういうのがあるんだ」
「まあ、自然の、鳥の鳴き声とかだな、ホテルで使っていたのは」
そんな話になった。
「面白そうだね、あっ、すいません、パリパリのチーズ巻きお願いします」
「じゃあ、作ってみたらいいんじゃないか?それでうちで試せば、聞いてくれているお客さんが見えるし」
いつもはお客さんの評価を数字でしか知らないカルボンにとっては、面白いチャレンジでもあった。
「どういう反応なのか、まとめてそっちに渡すから」
「わかった」
インパクト、それを曲作りでは大事にしていたのだが、それとは違う切り口から作るというのは面白かった。
人はどうやったら癒えるのか、どこまで癒すことが出来るのか。
衝動的に作ったものがまず一つできた。
聞き直して、そこで音がどういう刺激になるのかバランスもこのぐらいではないか、と思って蘆根に聞いてもらった。
「まあ、悪くはないんじゃないか」
その評価はあまり彼にはいいものではなかった。
「う~ん」
この熱中モードになると、寝食とフェカリスの散歩を忘れてしまいそうになるが、あまり熱中しすぎると体を壊す、それが理性でわかっているうちにささっと行う。
「ねえ」
「なんだ?」
「耳掃除って何?」
「はっ?」
「いや、みんななんで耳掃除するのかな?って」
「そりゃあ、癒しのためっていうのかな、みんな疲れているの、それをリフレッシュしたくてここに来てて」
もういいから耳掃除をしてやるから、そこに座れと言われた。
カリカリカリ
静かな店内に耳かきの音だけが聞こえる。
(ああ、そうか)
悩んでいることをここで全部一度無にして、そこからまたスタートさせる。
「なるほど」
「なんだ、良かったか?」
「今ならいけるね!」
テンションが上がった彼は、その時の自分をまず曲にした。
「なるほど、こういう状態か、だったらさ!」
その曲に合うような音で作れば悩みから解放される一曲かわかる!と実際に作ってしまったのである。
「それが基本のリフレッシュ曲だな、あいつのすごいところは、音を奏でるだけじゃなくて、音を無くすも自分の曲とかいってて」
マッサージルームの吸音設定はカルボンがこうしてほしいと指示したもので。
「まさかのカルボンプロデュースルームだった」
傑は驚きました。
「言ってなかったけ?」
「知りませんよ」
「あの部屋高いんだよ、なんだっけ、ガーデンだっけ、あれが売れたから試したいからって」
「うわ、あのタイアップの売上がまさか浜薔薇に使われていたなんて」
「話続けるぞ、曲+マッサージ受ける人の心音が一番合わせられるのがあの部屋で、心身の回復をその時出来る範囲で設計したっていってな」
「そういえば先輩は眠くならないんですか?」
「ああ、最初は眠かったりもしたな、あの部屋は音はもちろんだが、間接照明にすると人間は睡魔に逆らえなくなるから」
マッサージする人間は疲れてないことが求められます。
「すごいですよね、マッサージされる方もする方も眠くなる部屋って」
「裏技教えようか?」
「はい」
「疲れた時はあの部屋で寝ればいいんだよ」
「えっ?」
「いや、本当に、あの部屋でちょっと仮眠するかでも、朝まで熟睡ぐらいの疲れがとれるわけだから、あそこで寝ておくと、あの部屋では眠気に襲われないぐらい回復するからさ」
そんなバカなと思いながら、一度お昼寝させてもらいました。
「…本当だ」
「俺が習ったときはこういう部屋はないから、自分にマッサージをして疲れ残さずに寝るとか、しっかり管理をしなきゃいけなかったけども、この部屋一つあれば、ある程度以上疲れてもなんとかなるんじゃないかって思うよ」
「いえいえ、こんな部屋日本中でもここだけですよ」
「あっ、そういえばそうだな」
マッサージ以外でも浜薔薇では仮眠サービスを取り扱っております。
お疲れのそこのあなた、この部屋にまずは試しに入ってみてください。
(あ~時間が止まってくれればいいのにな、面倒くさいな)
そんなあなたも、この部屋で強制的に全てから解放されます。
(あれ、なんかちょっと変かも…)
心を無にしてリラックス、疲れた方こそお試しください。
お客様の声
やっと短時間自由時間がとれたために、浜薔薇の仮眠サービスを頼んでみました。
まず時間がすぐに気にならなくなったんです、やっぱり焦るじゃないですか、時間ないと、でもそういうのがすっきりと抜けて…
けど気がつくと、30分ぐらいでした、あの時間でここまで無になって、疲れが抜けるなら、価値はあるサービスだと思います。
またお願いしたいです。
「俺は全然知らんかったからな、それこそ、イツモがフェカリスの友達で」
両親と姉妹が引っ越した後、イツモは友人のフェカリスと共に過ごす時間があった。
「今度一緒に飲みに行くか?」
「そんなことできませんよ」
(そういえばあいつもそういってたな)
なんか、勝手に先生にされちゃって、今友達いなくてさ。
そんな悩みを大変だな、お姉さんビールお代わりねと聞いたりした時期がありました。
(最近は吹っ切れたからな)
あるがままに作っていたものより、依頼を受けたものの方が評価が高く、どうしたらいいのか長いこと悶々としておりましたが。
それこそ、浜薔薇へのヒーリングミュージックがきっかけである。
「へぇ、そういうのがあるんだ」
「まあ、自然の、鳥の鳴き声とかだな、ホテルで使っていたのは」
そんな話になった。
「面白そうだね、あっ、すいません、パリパリのチーズ巻きお願いします」
「じゃあ、作ってみたらいいんじゃないか?それでうちで試せば、聞いてくれているお客さんが見えるし」
いつもはお客さんの評価を数字でしか知らないカルボンにとっては、面白いチャレンジでもあった。
「どういう反応なのか、まとめてそっちに渡すから」
「わかった」
インパクト、それを曲作りでは大事にしていたのだが、それとは違う切り口から作るというのは面白かった。
人はどうやったら癒えるのか、どこまで癒すことが出来るのか。
衝動的に作ったものがまず一つできた。
聞き直して、そこで音がどういう刺激になるのかバランスもこのぐらいではないか、と思って蘆根に聞いてもらった。
「まあ、悪くはないんじゃないか」
その評価はあまり彼にはいいものではなかった。
「う~ん」
この熱中モードになると、寝食とフェカリスの散歩を忘れてしまいそうになるが、あまり熱中しすぎると体を壊す、それが理性でわかっているうちにささっと行う。
「ねえ」
「なんだ?」
「耳掃除って何?」
「はっ?」
「いや、みんななんで耳掃除するのかな?って」
「そりゃあ、癒しのためっていうのかな、みんな疲れているの、それをリフレッシュしたくてここに来てて」
もういいから耳掃除をしてやるから、そこに座れと言われた。
カリカリカリ
静かな店内に耳かきの音だけが聞こえる。
(ああ、そうか)
悩んでいることをここで全部一度無にして、そこからまたスタートさせる。
「なるほど」
「なんだ、良かったか?」
「今ならいけるね!」
テンションが上がった彼は、その時の自分をまず曲にした。
「なるほど、こういう状態か、だったらさ!」
その曲に合うような音で作れば悩みから解放される一曲かわかる!と実際に作ってしまったのである。
「それが基本のリフレッシュ曲だな、あいつのすごいところは、音を奏でるだけじゃなくて、音を無くすも自分の曲とかいってて」
マッサージルームの吸音設定はカルボンがこうしてほしいと指示したもので。
「まさかのカルボンプロデュースルームだった」
傑は驚きました。
「言ってなかったけ?」
「知りませんよ」
「あの部屋高いんだよ、なんだっけ、ガーデンだっけ、あれが売れたから試したいからって」
「うわ、あのタイアップの売上がまさか浜薔薇に使われていたなんて」
「話続けるぞ、曲+マッサージ受ける人の心音が一番合わせられるのがあの部屋で、心身の回復をその時出来る範囲で設計したっていってな」
「そういえば先輩は眠くならないんですか?」
「ああ、最初は眠かったりもしたな、あの部屋は音はもちろんだが、間接照明にすると人間は睡魔に逆らえなくなるから」
マッサージする人間は疲れてないことが求められます。
「すごいですよね、マッサージされる方もする方も眠くなる部屋って」
「裏技教えようか?」
「はい」
「疲れた時はあの部屋で寝ればいいんだよ」
「えっ?」
「いや、本当に、あの部屋でちょっと仮眠するかでも、朝まで熟睡ぐらいの疲れがとれるわけだから、あそこで寝ておくと、あの部屋では眠気に襲われないぐらい回復するからさ」
そんなバカなと思いながら、一度お昼寝させてもらいました。
「…本当だ」
「俺が習ったときはこういう部屋はないから、自分にマッサージをして疲れ残さずに寝るとか、しっかり管理をしなきゃいけなかったけども、この部屋一つあれば、ある程度以上疲れてもなんとかなるんじゃないかって思うよ」
「いえいえ、こんな部屋日本中でもここだけですよ」
「あっ、そういえばそうだな」
マッサージ以外でも浜薔薇では仮眠サービスを取り扱っております。
お疲れのそこのあなた、この部屋にまずは試しに入ってみてください。
(あ~時間が止まってくれればいいのにな、面倒くさいな)
そんなあなたも、この部屋で強制的に全てから解放されます。
(あれ、なんかちょっと変かも…)
心を無にしてリラックス、疲れた方こそお試しください。
お客様の声
やっと短時間自由時間がとれたために、浜薔薇の仮眠サービスを頼んでみました。
まず時間がすぐに気にならなくなったんです、やっぱり焦るじゃないですか、時間ないと、でもそういうのがすっきりと抜けて…
けど気がつくと、30分ぐらいでした、あの時間でここまで無になって、疲れが抜けるなら、価値はあるサービスだと思います。
またお願いしたいです。
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