浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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伝説のタモツ第三話

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最近、浜薔薇って混んできてない?
とある常連客は思ってしまう。
タモツに蘆根(ろこん)に傑(たける)。
「ニャー」
そこにちょうど良く、ケットシーのイツモの鳴き声が聞こえるのだが、今回はイツモは含めない。
3人揃ってから、すぐは電話がかかってきても。
「はい、浜薔薇です、いつも(ニャー)お世話になっております」
電話に出てた。
イツモという単語に反応して鳴き声が入るのはお約束である。
「イツモは出雲にも反応するがな」
元々は海藻からなのだが。
「イツモ(ニャー)は他に姉妹がいるんだけどもな」
ここで子猫時代の写真が登場、イツモは子猫の時からイツモという顔だが、他二匹がその姉妹なのだろう。
「俺は海藻みたいだから、イツ藻からイツモにしたんだが、そしたら、イツモの名前からな」
ココとカラになりました。
「それは3兄姉妹なんですか?」
「いや、順番としてはカラ、イツモ、ココだな」
話がそれた。
それが最近の浜薔薇はどうかというと。
電話が鳴っても、3人の手は埋まってる。
「あっ、ちょっとすいません」
このように途中で手を止めて対応するようになっている。
(おかしい)
常連客は思った、特に浜薔薇にお客さんが増えるような要素はなかったはずだ。
前にいきなりお客さんが増えた理由は、ブログ、コニーのおすすめに浜薔薇に行きましたが載ったため、今回も何かあるんじゃないか?その何かは何か、どうも気になってしまう。
いや、確かにさ、浜薔薇の耳掃除は気持ちいいからね
「お客様、それでは耳かき失礼します」
「はふん!」
一発ですぐに落ちてしまうぐらいである。

今日もたまらんなかったぜ…
この余韻を大事にしたかったために、日帰りの温泉に立ち寄る。
水道料金を気にせず、風呂に浸かり、ごろごろしたい、そんな気分!
(あ~でも〆切迫っているから、そろそろアイディアだしたいんだよな)
そういって、短くなった髪を洗おうとするのだが、短くなったことを忘れ、いつもの量でシャンプーをプッシュしてしまった。
泡がモコモコになり、洗い流そうとすると、耳にお湯がゴボォ!とはいった。
トントン
急いで耳の中からお湯を出すが、これはいけない、きちんと乾かしたり、ここって綿棒あったかな。
その感覚があまりいいものではなかったために、長湯をしようの気持ちを切り上げた。湯から出て、体を拭いて着替えて、さてドライヤーかと思ってたところ。
(綿棒発見)
そう思って手を伸ばそうとしたとき、綿棒のケースに書いてある文字を見た。
浜薔薇の耳掃除
プラスチックのケースに直接印刷されたものではなく、シールが貼ってある。
おそらくケースは100円ショップのもの、シールはおそらく自前であろう。
(へぇ~こんなところで宣伝しているんだ)
と思って椅子に座ると、テーブルにも宣伝がある。
伝説のタモツ第三話
昔の浜薔薇の写真と共にタモツの話がエッセイとして載っているのだが、これがちょうどドライヤーで髪を乾かしたり、綿棒で耳掃除をしえ手が塞がっているときに見るのに、ちょうどいいのである。
「いつの間に第三話なんだろう」
くっそ、一話、二話もみたい!バックナンバーはどこかにあるのだろうか!いやそもそもこれ他の常連客は知っているだろうか、これパンフ配ってないのかな、脱衣場はカメラ使えないので、撮影するというわけにもいかない。
この話はすぐさま他の常連客、S席の仲間に伝えられると、その仲間たちもこぞってそこ温泉に出向き、綿棒を使いながらその記事を読む。
「一話と二話どこなんだよ!」
読んだあと、だいたいみんなそういった。

「新しいお客さんを増やしていかないと、やっぱりダメですよ」
そう傑はちょっと前に言った。
「でもどうやってだ?」
「ええっとですね」
結局そこは傑が考えて、そのまま傑の案を採用されることになる。
「耳かきか、綿棒売っている所に浜薔薇の宣伝を…あ~それだったら、待ってくださいよ!」
とそのまま近所の温泉施設の綿棒を宣伝として置かせてもらって、その時に浜薔薇の話を読んでもらう形をとった。
「ほら、家でドライヤーするときと違うじゃないですか、両手塞がっているし、面倒だなって、そんな面倒な時間に読んでもらう!」
もしくは綿棒を使いながら見てもらう、そして
その狙いは当たった。
(傑ってこういうとき、おじさんみたいだな)
おじさんというのは、傑の父のことである。
一代で会社を大きく育てた父、傑のその手腕は確かに父親の気配がした。
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