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お疲れのお客様へ
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浜薔薇に初来店時には、アンケートにご協力いただいてる。
それは浜薔薇の裏に住むワンコ、フェカリスの飼い主が…
>店を継ぐならちゃんとした方がいいよ。
といったからである。
「どういう方法があるんだよ?」
そういった宣伝の類はピンと来ないものだから。
>始めてきたお客さん、いや、今来ているお客さんにもアンケートを取って、どこから浜薔薇を知ったのか、そして店に来たのかも把握してないとダメだよ。
ということでアンケートを取っていると、妙なことがわかった。
「うちの店な、常連客、近所に住んでいる人、それと最近はブログを見た人がやって来ているだろうなって思ってたんだが」
「違うんですか?」
「一つ把握してなかったが、とんでもなくでかい層が隠れてた」
そう、それは猫がきっかけで来店である。
蘆根の飼い猫イツモは、自宅と店と裏に住んでいる仲良しワンコのフェカリスの辺りをテリトリーにしている。
そのため浜薔薇の前を通ると、猫が庭先で寛いでいるのを見たことある人は多いと思う。
しかしだ。
「イツモが自分を見ている人に近づいていって、仲良くなり、その人がお客さんになってくれていることがわかったんだ」
「えええ」
「たまに、おたくの猫ちゃんにってことで、いろいろといただいて、そういうことがよくあるなぐらいだったんだが、アンケートでハッキリした、イツモは知らない間に営業してくれてたと」
なお、いただいたプレゼント(フードや猫砂等)は、国内にある王立ケットシー協会を通じて、必要な団体に寄贈されております。
「それでな、寄贈したということで、今度表彰されることになったんだ」
「ええ!」
「その通知が来たんだわ」
ほらと見せてくれた、高そうな紙にはケットシー協会会長の名前で、イツモ殿は猫の保護活動に貢献し、その功績を称えて表彰いたしますとある。
「それで写真だけでも、店内にご報告を飾ろうかなって」
「あ~それなら、外からも見えるようにしたらどうですかね?」
いわゆる店の定休日などの看板が飾られるところである。
「おお、それもいいな」
猫用のマントを身につけたイツモが、写真と共に表彰されたというお知らせを出した。
「おめでとうございます」
すると、イツモがきっかけでお店にやって来たお客さんの何人かが、それは目出度いと菓子折などを持ってきたという。
何気なく耳を触ったら、耳が汚かった。
「そういうときにすぐ、耳かきしちゃうとやっぱり上手くいかなくて」
同じところを何回もかいてしまったり、奥までうまいこと入らなかったり。
「それはあります」
心が乱れているとなかなか上手く行かないものである。
そのために浜薔薇にやってきたお客さんのために、蘆根は耳かきをするのだが、彼は耳かきをするぞ!となると、その他の雑念が消えるぐらいには訓練されていた。
(いい目するようになったじゃねえか)
口に出して誉めないが、心ではタモツは蘆根を認めている。
お客さんの耳を見ると、耳の中は荒れているように見える、その荒れているように見えるものは垢である。
確かにこれは難物、そしてこのぐらいになっていると、何気なく触っただけで指に汚れがついてしまうだろう。
耳の中を覗く。
さぁ、どうやって片付けてやろうか。
ペリペリ
そう思いながらも、耳かきは軽く動かし、垢を崩しにかかっていく。
一ヶ所、一回では全部とれない、こういう時はやはり耳かきするぞと、そのために時間をとってもらいたい。
心を落ち着けて、寝転んでもらいながら、職人が作った耳かきで、掃除をしてもらいたいものである。
ガサガサガサ
中に進んでいくと、それだけでお客さんは目を見開いていく。
垢が固まった道を耳かきが進むと、音の響きが違うからである。
ごそっ
そしてそこから引く抜くと、白いものが乗るが、音の割りには小さい。
(いるな)
音の主は、まだ耳の中にいる。
じっ
耳の中をじっと見る。
そしてそこに耳かきを入れて、ガサガサとまた音がした。
はずれた感じがしたので、匙を見るために耳かきを引き抜くと、乗ってる、乗ってる、たっぷりといっていい。
「やっぱり汚い?」
「見ます?」
「おお、汚い!!」
この反応は耳かき好きである。
(いや、むしろ浜薔薇に耳掃除で取れたものを見て、嫌悪するタイプって…いたかな?)
毎日耳かき出来るなら、毎日でもしたいや耳かき動画新作待っていますとか、そういうタイプがほとんどだろう。
(動画もな、考えてはいるんだがな、需要あるかな?)
本腰ではないようだが、おそらくアップしたのならば、すぐにチャンネル登録がバババババと増え、再生回数がとんでもないことになるのではないだろうか。
奥のガサゴソっという音がなくなるまで耳掃除はされていき、疲れもあるだろうと、ツボをマッサージされ。
「お金は払うから、寝落ちさせてくれ」
と頼まれてしまい。
奥の個室でぐーすかお客さんは寝ております。
(よっぽど疲れていたんだな)
浜薔薇ではこういうご要望にもお応えして、サービスは増え行く一方です。
それは浜薔薇の裏に住むワンコ、フェカリスの飼い主が…
>店を継ぐならちゃんとした方がいいよ。
といったからである。
「どういう方法があるんだよ?」
そういった宣伝の類はピンと来ないものだから。
>始めてきたお客さん、いや、今来ているお客さんにもアンケートを取って、どこから浜薔薇を知ったのか、そして店に来たのかも把握してないとダメだよ。
ということでアンケートを取っていると、妙なことがわかった。
「うちの店な、常連客、近所に住んでいる人、それと最近はブログを見た人がやって来ているだろうなって思ってたんだが」
「違うんですか?」
「一つ把握してなかったが、とんでもなくでかい層が隠れてた」
そう、それは猫がきっかけで来店である。
蘆根の飼い猫イツモは、自宅と店と裏に住んでいる仲良しワンコのフェカリスの辺りをテリトリーにしている。
そのため浜薔薇の前を通ると、猫が庭先で寛いでいるのを見たことある人は多いと思う。
しかしだ。
「イツモが自分を見ている人に近づいていって、仲良くなり、その人がお客さんになってくれていることがわかったんだ」
「えええ」
「たまに、おたくの猫ちゃんにってことで、いろいろといただいて、そういうことがよくあるなぐらいだったんだが、アンケートでハッキリした、イツモは知らない間に営業してくれてたと」
なお、いただいたプレゼント(フードや猫砂等)は、国内にある王立ケットシー協会を通じて、必要な団体に寄贈されております。
「それでな、寄贈したということで、今度表彰されることになったんだ」
「ええ!」
「その通知が来たんだわ」
ほらと見せてくれた、高そうな紙にはケットシー協会会長の名前で、イツモ殿は猫の保護活動に貢献し、その功績を称えて表彰いたしますとある。
「それで写真だけでも、店内にご報告を飾ろうかなって」
「あ~それなら、外からも見えるようにしたらどうですかね?」
いわゆる店の定休日などの看板が飾られるところである。
「おお、それもいいな」
猫用のマントを身につけたイツモが、写真と共に表彰されたというお知らせを出した。
「おめでとうございます」
すると、イツモがきっかけでお店にやって来たお客さんの何人かが、それは目出度いと菓子折などを持ってきたという。
何気なく耳を触ったら、耳が汚かった。
「そういうときにすぐ、耳かきしちゃうとやっぱり上手くいかなくて」
同じところを何回もかいてしまったり、奥までうまいこと入らなかったり。
「それはあります」
心が乱れているとなかなか上手く行かないものである。
そのために浜薔薇にやってきたお客さんのために、蘆根は耳かきをするのだが、彼は耳かきをするぞ!となると、その他の雑念が消えるぐらいには訓練されていた。
(いい目するようになったじゃねえか)
口に出して誉めないが、心ではタモツは蘆根を認めている。
お客さんの耳を見ると、耳の中は荒れているように見える、その荒れているように見えるものは垢である。
確かにこれは難物、そしてこのぐらいになっていると、何気なく触っただけで指に汚れがついてしまうだろう。
耳の中を覗く。
さぁ、どうやって片付けてやろうか。
ペリペリ
そう思いながらも、耳かきは軽く動かし、垢を崩しにかかっていく。
一ヶ所、一回では全部とれない、こういう時はやはり耳かきするぞと、そのために時間をとってもらいたい。
心を落ち着けて、寝転んでもらいながら、職人が作った耳かきで、掃除をしてもらいたいものである。
ガサガサガサ
中に進んでいくと、それだけでお客さんは目を見開いていく。
垢が固まった道を耳かきが進むと、音の響きが違うからである。
ごそっ
そしてそこから引く抜くと、白いものが乗るが、音の割りには小さい。
(いるな)
音の主は、まだ耳の中にいる。
じっ
耳の中をじっと見る。
そしてそこに耳かきを入れて、ガサガサとまた音がした。
はずれた感じがしたので、匙を見るために耳かきを引き抜くと、乗ってる、乗ってる、たっぷりといっていい。
「やっぱり汚い?」
「見ます?」
「おお、汚い!!」
この反応は耳かき好きである。
(いや、むしろ浜薔薇に耳掃除で取れたものを見て、嫌悪するタイプって…いたかな?)
毎日耳かき出来るなら、毎日でもしたいや耳かき動画新作待っていますとか、そういうタイプがほとんどだろう。
(動画もな、考えてはいるんだがな、需要あるかな?)
本腰ではないようだが、おそらくアップしたのならば、すぐにチャンネル登録がバババババと増え、再生回数がとんでもないことになるのではないだろうか。
奥のガサゴソっという音がなくなるまで耳掃除はされていき、疲れもあるだろうと、ツボをマッサージされ。
「お金は払うから、寝落ちさせてくれ」
と頼まれてしまい。
奥の個室でぐーすかお客さんは寝ております。
(よっぽど疲れていたんだな)
浜薔薇ではこういうご要望にもお応えして、サービスは増え行く一方です。
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