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番外編

番外編「叔父さんの仕事②」

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その後、財布を渡しなんとか撮影に戻った叔父さんを見届けて帰ろうとしたところスタッフさんに呼び止められた

撮影を中断させてしまったから怒られるのかとビクビクしながら返事をすると…

怒られるどころか、まだいてほしいお願いをされてしまった

なにやら叔父さんの新たな一面がみれたからそれを撮りたいのこと

俺がいて役に立つのか?むしろ邪魔にしかならないだろう?と疑問だったが、お願いされた通り、最後まで撮影を見届けることとなった


その撮影中、叔父さんは俺と目が合うたびに、にやにやと腑抜けみたいな顔になっていた
必死にお願いされたからここにいるけど、これ本当に俺がいて良かったのだろうか?
どう考えても俺がいない方がいい気がするんだけどな…と最後まで疑問だった



無事撮影が終了となり、抱きついてくる叔父さんと格闘しながらスタッフさんに挨拶をして帰ろうとすると…

「銀二の新しい一面を撮ることができたよ、ありがとう!!」

「また撮影の見学に来てね!!!」

とスタッフさん一同にすごく感謝され、お菓子やらなにやらたくさんもらったのだった





ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー

日が傾いてきて空がオレンジ色に染められた道を叔父さんと並んで歩いて帰った

俺はたくさんもらったものを抱えながら、今日のことを思い出していた

「叔父さんって普通に仕事できたんだな」

「ん?それって俺が仕事できない人間だって思ってたってこと?」

「普段の叔父さんみてたらどう考えてもまともに仕事できると思わないでしょ」

「えーひどいなぁ
…じゃあさ、今日ちゃんと仕事してる俺みてどうだった?」

「そりゃあ、びっくりした。普段ダメ人間があんなまともになれるとは思わないし」

「へぇ~じゃあさ、かっこいいって思った?」

「はあ?」

「だから、ちゃんと仕事してる俺かっこよかった?」

「うっざ」

「俺の知らない顔みて見とれてたじゃん」

「みとれてねぇよ!」

「俺と目が合った時顔真っ赤にして、ぽや~ってなってただろ?俺の色気に当てられちまったんだろ~」

「なってねぇよ!」

後ろから肩を回してにやにやと覗き込んできたのを振り払い腹に蹴りをいれる

「しつこい!」

「ぐは…っ!」

叔父さんがその場にうずくまったのを放置して俺はさっさと歩きだした


「………まぁ、多少はかっこいいとは思ったけどさ……」

ぼそりと叔父さんに聞こえないように呟いた






「……………………
………………………
今なんて言った…?
…えっうそ!今、悠一「かっこいいと思った」って言った?!?!?!」


(~~~っ?!なんで聞こえてんの?!
耳おかしいんじゃねぇの?!マジでなんで聞こえてんだよっ!!)

「うわっうわぁ~!!悠一が俺のことかっこいいって言った!!!!」

「あ~~~っっ!うるさっ!叫ぶな!」

「え~~??俺のことかっこいいって思ったんだ~へぇ~ほ~~?ふーーん」

「うっっせ!!」

「へぇ~そ~俺かっこよかったんだぁ~~~」

にやにやとしながら顔を覗き込んできた

「うざいっ」

今度は腹に肘を入れ、「ぐはっ!」と離れたところを背中に蹴りとばした

「いっっっ!!!いったぁ、、…まったく照れてんの?かっこいい俺みて照れちゃった?あぁもうかーわいいなぁ!!帰ったら俺の体好きなだけみていいぞ
もちろん悠一だけ特別に俺の恥ずかしいところも全部みせてあげ…」

「やめろ」

ガンッ

「う…っ!い、今のはちょっとやば…い…」

後ろを見ずに蹴りをいれたのがちょうど急所に入ったらしく、顔が青ざめていった
悠一はそのまま叔父さんを置いて先に家に帰った


叔父さんには言わなかったが、仕事中の叔父さんはいつもと別人で、しっかりプロとして働いてる姿をみて見直した
素直にかっこいいと思った
叔父さんってちゃんと大人だったんだなってちょっと尊敬もした
いつもダメ人間のあんな姿にみたら誰だってびっくりするだろ?すごいって思うだろ?

なんだか、そんな叔父さんが仕事場で評価されていたのも嬉しく誇らしく思うのだった




…あー…なんてそんなことを思ったが、家帰ってきてご飯ぼろぼろこぼしながら食べているのをみて遠い目になった

その後、風呂上がりビチャビチャで出てきて俺がタオルを持ってくる前に、そのままソファに座りやがった

うん…そうだよな叔父さんってこうだよな…
と、夢から覚めたような感覚になったのだった


そういや、親父も仕事は完璧だけど家事ポンコツだから…
親父の家は先祖代々仕事特化人間なのか?
この二人ほんと兄弟なんだなぁ
あははは


……で、このソファ誰が掃除すると思ってんだ?あ?


「…なあ、叔父さんずっと仕事してればまともな人間になるんじゃない?」

ソファを拭きながら、体濡れてるのにソファに座る心理とは?と、少し考えてみたが理解不能すぎてすぐやめた

「なにそれずっと働けって?嫌だよ悠一といられなくなるじゃん」

「俺はその方がいい」

「え、俺と一緒にいられなくても平気なの?!」

「いない方が平和だし」

「ひどっ!なあ!兄貴今の聞いた?!ひどくね?!」

「さっさと家から出ていけ」

「み、味方がいない…」

なんで親父に聞いたんだ、バカなのか


「まぁ叔父さんは仕事中はしっかりしてるんだからがんばってよ」

「!!悠一が応援してくれるなら…俺がんばる…!」

「そーそーがんばって」




そうしてやる気になった叔父さんはより悠一にかっこいいと思われたいと本気をだし、仕事に全力で勤しんだ結果、順調に仕事が増えていった


あと、今回悠一のおかげで銀二の新たな一面が発見されたことにより、ギャップがいいと一部で話題になった
で、仕事の幅が広がり、また仕事が増えた
そうして叔父さんは多忙な毎日を送ることとなったのだった






「うぅ…悠一にがんばってって言われてがんばったら悠一に会えなくなっちゃった…
明日も朝から夜まで…ああぁ嫌だーーーっ!!!」

と、叔父さんが毎日泣いて電話をかけてくるようになって、悠一としてもめんどくさいことになってしまった


「あー…叔父さん…ほどほどに…ほどほどに頑張ってくれ…」

居ても居なくても世話のかかる叔父さんに思い通りにいかないなぁ…と、ため息をついたのだった




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みんなの感想(7件)

静葉
2020.09.06 静葉

わぁ!次回結腸攻め!!!

解除
ねこねこ
2020.09.04 ねこねこ

続編、待ってました!楽しみです

解除
ななこ
2020.06.28 ななこ

最高です!!ぜひ続きをお願いしたいです!!

解除

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