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番外編
番外編「親父の回想」
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悠一が3歳の頃、妻が旅立った
今まで誰も信用せず生きてきた俺は、大学である人と出会った
「いつも難しそうな顔してるね?」
講義を受けるため早めにきて準備していたとき、そう声をかけられた
はじめは、なんだこいつはと急に話しかけてきた見知らぬ人物に警戒した
それから、なぜか何度も俺に声をかけてくるようになった
はじめはうっとおしかった
なぜ俺に声をかける?
そう思いつつも毎回話しかけてくる彼女につられ、いつしか話すようになっていった
そして気がつくと俺は彼女に惹かれていたのだった
俺があの家からでると決心した時も、彼女は隣で俺を支えてくれた
「家出るって決めたの?
じゃあ部屋探し行こうか、そういえばうちの近くに空いてる部屋あるって聞いたなぁ。不動産屋のおっちゃんと仲良いから電話してみるよ
なんなら今から行く?」
と言って家をでた後の準備やその後もほとんどやってくれた
家を出たあと何もできない俺を、笑って見捨てず大きな器で受け入れてくれた
「どんとこいだ」と言って笑った姿は今でも覚えている
俺にはもったいない人だと思った
それから大学を卒業し、ほどなく結婚した
そしてこどもを授かった
幸せだった
とても幸せな家族だった
しかし、それは妻の病気が見つかるまでのほんの短いひとときだった
妻が助からない病気だとはじめて知らされたとき俺は妻と一緒に死のうと思った
俺一人では子どもを育てられない
それに妻がいないと俺も生きていられないと思ったからだ
しかし、妻に「いっぱいいっぱい悠一を愛してね。誠一郎ならできるって大丈夫、大丈夫!」
と最後まで笑顔でそう言って旅立っていった
だから俺は、妻が残した大事な息子を全身全霊で育てると決めた
俺は妻と息子と暮らした家に誰も入れたくなくて、誰にも頼らずなんとか家事をこなした
その後、悠一が頑張って家事を覚えてくれてからは本当に助かった
はじめて料理を作ってくれたときのことは今でもよく覚えている
野菜を切っているとき怪我をしないかものすごく心配したが、なんとか無事作り終わり
「はい、お父さんできたよ!どーぞ!」
と笑顔で俺に食べさせてくれた
一生懸命俺のために作ってくれたサンドウィッチは本当に美味しかった
こんな息子がいてくれて俺は本当に幸せものだと思った
悠一が小学校に入学したときは大変だった
いろいろと準備しなければならない物がありすぎて、会社の子持ちの同僚にいろいろ聞きまわった
手さげ袋やぞうきんなどは同僚の奥さんにつくってもらったりと周りに助けられてなんとか無事に入学式を迎えた
しかし、小学校に入りだんだんと悠一は荒れはじめた
最初の方は宿題をしなかったり物を壊したりするようになり
いつからか、友達と喧嘩したり、夜遅くまで帰ってこなかったりと学校や警察に呼び出されることがあるようになっていった
その時俺は、母親がいないということが大きいのだろうかとかなり悩んだ
そのたびに、妻の
「いっぱいいっぱい悠一を愛してね。誠一郎ならできるって大丈夫、大丈夫!」
という言葉を思い出し、妻の分まで悠一を愛するのだと、そのためにどうしたら良いのか夜遅くなるまで毎晩ずっと考えた
それからはたくさん悠一と話したり、でかけたりして悠一の気持ちに寄りそう努力をした
でも、叱るときはちゃんと叱らないといけないとも、生前 妻に言われていたため、心を鬼にしてその度にお尻を叩いてお仕置きをした
それからは徐々に落ち着いていき、中学校ではあまり悪さをしなくなった
それでも隠れてケンカや悪いことをしたので、そのたびにしっかりお尻を叩いてお仕置きをしたが。
その頃からだろうか、
お仕置きでお尻を叩くと悠一が勃起するようになったのは
勃起したのをはじめてみたときは、しっかり成長しているのだなと実感して感慨深く思った
それから悠一はお仕置きする度に必ず勃起するようになった
中学高校の時期は特にそうなりやすいからだと思っていたのだが
あまりにも勃起するため少し不安になってきた
溜まりすぎると体に悪いだろうに、自分で抜いていないのか?
悠一は大丈夫なのだろうか?と心配になった
これは少し刺激をあたえて出させた方がいいのでは、と思いそれからはお仕置きの延長としてさりげなくそこに刺激を与えるようにしてきた
そして高校に入った今も変わらずお仕置きでお尻を叩き、そこを刺激して射精を促していた
終わったあとぐったりとして寝ている悠一を部屋まで運び、ベッドに寝かしつける
大きくなっても寝顔は赤ん坊の頃から変わっていない
そっとほほに触れる
すると、気持ちいいのかすりっとを寄せてきた
「ふっ…」
その動きをみて、とてもいとおしく感じる
こんなにも大きく立派に育ってくれて嬉しく思う
悪いこともするが、それでもちゃんと反省できる悠一はすごい
こうやって寝顔を見るたびに幸せを感じる
息子を残してくれた妻に感謝しなければならないな
そして頬を何度か撫でたあとゆっくりと顔を近づけた
「おやすみ」
小さい頃していたように唇にちゅっとキスを落とし、俺は部屋をあとにするのだった
○ ○ ○ ○ ○ ○
『「番外編 叔父さんの回想」の親父視点』
あれは、妻が亡くなってやっと落ち着き始めた頃だったと思う
家と絶縁したのにも関わらず何故かこいつは俺の居場所を嗅ぎつけてきたのだ
昔からこいつは好き勝手やっていて、そのとばっちりを受けていたからこいつとは関わりたくない
そう思って何度も追い返していた
そんなある日だった
どうしてもはずせない仕事があり、帰りが夜遅くなってしまったことがあった
急いで帰宅したところ、あいつが悠一と一緒に寝ていた
勝手に上がりこんで、しかも何故悠一と寝てるんだ?!
と怒りが込み上げたが、俺が帰ってきた気配を感じたのか悠一が起きた
「ん…あ、お父さんおかえりぃ…」
「すまない、帰りが遅くなった」
ぎゅっと抱きしめると、悠一もぎゅーっと抱きしめかえしてくる
「ほんとだよもー!心配したんだからね!お父さんいなくて寂しかったんだよ!」
とプーッとほっぺを膨らましている悠一が可愛らしくて、つい「フッ」と笑ってしまった
「ところで、どうしてこいつがいるんだ?そしてなぜ一緒に寝ているんだ」
「え?おじさん?あのね僕ね、お父さんいなくて泣いてたの
そしたら叔父さんも僕と一緒で寂しかったんだって
それで一緒に泣いたの!だから、僕と一緒に寝よって言ったの!」
詳しいことはわからないが俺が帰ってくるのが遅くて悠一が泣いていたという
「悠一泣いていたのか…っ」
「お父さん、今度叔父さん来ても追い返えしちゃダメだよ!叔父さんまた泣いちゃうもん。そしたら僕怒るからね!」
「あぁ…わかった」
なんだかよくわからないが悠一がそういうのなら…とうなずいてしまった
「うん!」
という出来事があってから、俺はあいつが来ても追い払うことはしなくなった
あいつも寂しいとか思うんだなってあいつに対する考えを変えたのもあるが、
あいつと留守番してるときの悠一の表情が明るかったのだ
妻と悠一との家にいれたくなかったが、悠一が一人で留守番してまた泣くのかと思うと胸が張り裂けそうだった。あいつがいて悠一が安心するならと許したのだ
その頃から悠一はあいつになついていったのだろう
いや、本当は逆だったのかもしれないが…
何だかんだ言っても、俺も弟のあいつに甘えていたのかもしれない
俺もあいつも家に縛られ苦しめられてきたからな
お互いに多少気持ちがわかるのだろう
あいつがきたことで少しだけ俺の肩の荷が軽くなった気がした
まぁふらふらとしてるやつだし、嫌いなのは変わらないが
多少なら許してやってもいいと思ったのだった
今まで誰も信用せず生きてきた俺は、大学である人と出会った
「いつも難しそうな顔してるね?」
講義を受けるため早めにきて準備していたとき、そう声をかけられた
はじめは、なんだこいつはと急に話しかけてきた見知らぬ人物に警戒した
それから、なぜか何度も俺に声をかけてくるようになった
はじめはうっとおしかった
なぜ俺に声をかける?
そう思いつつも毎回話しかけてくる彼女につられ、いつしか話すようになっていった
そして気がつくと俺は彼女に惹かれていたのだった
俺があの家からでると決心した時も、彼女は隣で俺を支えてくれた
「家出るって決めたの?
じゃあ部屋探し行こうか、そういえばうちの近くに空いてる部屋あるって聞いたなぁ。不動産屋のおっちゃんと仲良いから電話してみるよ
なんなら今から行く?」
と言って家をでた後の準備やその後もほとんどやってくれた
家を出たあと何もできない俺を、笑って見捨てず大きな器で受け入れてくれた
「どんとこいだ」と言って笑った姿は今でも覚えている
俺にはもったいない人だと思った
それから大学を卒業し、ほどなく結婚した
そしてこどもを授かった
幸せだった
とても幸せな家族だった
しかし、それは妻の病気が見つかるまでのほんの短いひとときだった
妻が助からない病気だとはじめて知らされたとき俺は妻と一緒に死のうと思った
俺一人では子どもを育てられない
それに妻がいないと俺も生きていられないと思ったからだ
しかし、妻に「いっぱいいっぱい悠一を愛してね。誠一郎ならできるって大丈夫、大丈夫!」
と最後まで笑顔でそう言って旅立っていった
だから俺は、妻が残した大事な息子を全身全霊で育てると決めた
俺は妻と息子と暮らした家に誰も入れたくなくて、誰にも頼らずなんとか家事をこなした
その後、悠一が頑張って家事を覚えてくれてからは本当に助かった
はじめて料理を作ってくれたときのことは今でもよく覚えている
野菜を切っているとき怪我をしないかものすごく心配したが、なんとか無事作り終わり
「はい、お父さんできたよ!どーぞ!」
と笑顔で俺に食べさせてくれた
一生懸命俺のために作ってくれたサンドウィッチは本当に美味しかった
こんな息子がいてくれて俺は本当に幸せものだと思った
悠一が小学校に入学したときは大変だった
いろいろと準備しなければならない物がありすぎて、会社の子持ちの同僚にいろいろ聞きまわった
手さげ袋やぞうきんなどは同僚の奥さんにつくってもらったりと周りに助けられてなんとか無事に入学式を迎えた
しかし、小学校に入りだんだんと悠一は荒れはじめた
最初の方は宿題をしなかったり物を壊したりするようになり
いつからか、友達と喧嘩したり、夜遅くまで帰ってこなかったりと学校や警察に呼び出されることがあるようになっていった
その時俺は、母親がいないということが大きいのだろうかとかなり悩んだ
そのたびに、妻の
「いっぱいいっぱい悠一を愛してね。誠一郎ならできるって大丈夫、大丈夫!」
という言葉を思い出し、妻の分まで悠一を愛するのだと、そのためにどうしたら良いのか夜遅くなるまで毎晩ずっと考えた
それからはたくさん悠一と話したり、でかけたりして悠一の気持ちに寄りそう努力をした
でも、叱るときはちゃんと叱らないといけないとも、生前 妻に言われていたため、心を鬼にしてその度にお尻を叩いてお仕置きをした
それからは徐々に落ち着いていき、中学校ではあまり悪さをしなくなった
それでも隠れてケンカや悪いことをしたので、そのたびにしっかりお尻を叩いてお仕置きをしたが。
その頃からだろうか、
お仕置きでお尻を叩くと悠一が勃起するようになったのは
勃起したのをはじめてみたときは、しっかり成長しているのだなと実感して感慨深く思った
それから悠一はお仕置きする度に必ず勃起するようになった
中学高校の時期は特にそうなりやすいからだと思っていたのだが
あまりにも勃起するため少し不安になってきた
溜まりすぎると体に悪いだろうに、自分で抜いていないのか?
悠一は大丈夫なのだろうか?と心配になった
これは少し刺激をあたえて出させた方がいいのでは、と思いそれからはお仕置きの延長としてさりげなくそこに刺激を与えるようにしてきた
そして高校に入った今も変わらずお仕置きでお尻を叩き、そこを刺激して射精を促していた
終わったあとぐったりとして寝ている悠一を部屋まで運び、ベッドに寝かしつける
大きくなっても寝顔は赤ん坊の頃から変わっていない
そっとほほに触れる
すると、気持ちいいのかすりっとを寄せてきた
「ふっ…」
その動きをみて、とてもいとおしく感じる
こんなにも大きく立派に育ってくれて嬉しく思う
悪いこともするが、それでもちゃんと反省できる悠一はすごい
こうやって寝顔を見るたびに幸せを感じる
息子を残してくれた妻に感謝しなければならないな
そして頬を何度か撫でたあとゆっくりと顔を近づけた
「おやすみ」
小さい頃していたように唇にちゅっとキスを落とし、俺は部屋をあとにするのだった
○ ○ ○ ○ ○ ○
『「番外編 叔父さんの回想」の親父視点』
あれは、妻が亡くなってやっと落ち着き始めた頃だったと思う
家と絶縁したのにも関わらず何故かこいつは俺の居場所を嗅ぎつけてきたのだ
昔からこいつは好き勝手やっていて、そのとばっちりを受けていたからこいつとは関わりたくない
そう思って何度も追い返していた
そんなある日だった
どうしてもはずせない仕事があり、帰りが夜遅くなってしまったことがあった
急いで帰宅したところ、あいつが悠一と一緒に寝ていた
勝手に上がりこんで、しかも何故悠一と寝てるんだ?!
と怒りが込み上げたが、俺が帰ってきた気配を感じたのか悠一が起きた
「ん…あ、お父さんおかえりぃ…」
「すまない、帰りが遅くなった」
ぎゅっと抱きしめると、悠一もぎゅーっと抱きしめかえしてくる
「ほんとだよもー!心配したんだからね!お父さんいなくて寂しかったんだよ!」
とプーッとほっぺを膨らましている悠一が可愛らしくて、つい「フッ」と笑ってしまった
「ところで、どうしてこいつがいるんだ?そしてなぜ一緒に寝ているんだ」
「え?おじさん?あのね僕ね、お父さんいなくて泣いてたの
そしたら叔父さんも僕と一緒で寂しかったんだって
それで一緒に泣いたの!だから、僕と一緒に寝よって言ったの!」
詳しいことはわからないが俺が帰ってくるのが遅くて悠一が泣いていたという
「悠一泣いていたのか…っ」
「お父さん、今度叔父さん来ても追い返えしちゃダメだよ!叔父さんまた泣いちゃうもん。そしたら僕怒るからね!」
「あぁ…わかった」
なんだかよくわからないが悠一がそういうのなら…とうなずいてしまった
「うん!」
という出来事があってから、俺はあいつが来ても追い払うことはしなくなった
あいつも寂しいとか思うんだなってあいつに対する考えを変えたのもあるが、
あいつと留守番してるときの悠一の表情が明るかったのだ
妻と悠一との家にいれたくなかったが、悠一が一人で留守番してまた泣くのかと思うと胸が張り裂けそうだった。あいつがいて悠一が安心するならと許したのだ
その頃から悠一はあいつになついていったのだろう
いや、本当は逆だったのかもしれないが…
何だかんだ言っても、俺も弟のあいつに甘えていたのかもしれない
俺もあいつも家に縛られ苦しめられてきたからな
お互いに多少気持ちがわかるのだろう
あいつがきたことで少しだけ俺の肩の荷が軽くなった気がした
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