美しい夜の獣

14話 ため息

朝起きると何事もなかったかのように服は整えられていた
しかし夢ではないということは尻の痛みとともに昨日の衝撃的な記憶で理解した

連日の夢見の悪さもウルが昨夜のように何かしていたのだろうか
前にみたウルに犯されていた夢もすべて現実だったということか…？

なんてことだ
頭を抱える

なんだかもう俺の頭では処理しきれない内容だ


今後どうすればいい…




もそり


顔をあげるとウルがこちらをみていた
「どうした？」みたいな顔をしている



はぁぁぁ…

その顔をみたらなんだか一気に力が抜けた

予想外すぎるだろ
まさかお前だったなんて
そんなの誰も思わないだろ…


「お前なぁ…なにやってくれてんだよ…」


そういって軽くウルの頭を叩いた




とりあえず、もうあんなことはしないと約束させる
ウルは「クゥン」とはじめてきくような切ない声をだした

「ああいうのは俺じゃなくて、同じ犬でいい子をみつけてするもんだからな？」

子犬みたいな潤んだ目をして見上げてくる

「そんな顔をしてもダメなものはダメだ」

そう言って立ち上がり部屋を出た







はぁ…まさか約一ヶ月間も好き勝手されていたとはなぁ…


……近々病院にでもいった方がいいだろうか…



しばらくため息が止まらないのだった