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第2章 魔人侵攻編
第52話 オールレンジ対応冒険者
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システアの転移門では200キロの距離を一度では飛べなかったらしく、2回に分けて行われたが、問題なく俺達は目的の魔人達の侵攻ルートの先2キロ地点まで無事到着した。
2キロとはいっても魔人達の侵攻速度から考えれば目と鼻の先と言っても過言ではなかった。
「うわっ、ヤバくないっスか? これ?」
到着した瞬間、ガランは全員に聞こえる声で言った。
恐らくこの場で魔力探知が苦手そうなガランにもはっきりと魔人達の存在ははっきりと確認できている。
「確かにいるな、だがガランよ、心配することはない。クドウ様と私がいる」
「すげぇっスね……。アールさんは」
ちょっと飽きてきたな。このやり取り。ていうかやっぱ馬鹿にされてる気がするな。
まぁどちらにしてもアルジールの戦闘を見ればアルジールの発言も大げさなものではない事にガランも気づくだろう。
ガランは驚いていたが俺としては想定内だ。まぁ確かに勇者パーティーといえどかなり苦戦しそうな相手と数ではあるが。
「時間もないことですし、すぐ別れましょうか? 多分相手もこちらに気づいています」
「そうですね、クドウさん。ではシステアさんを頼みます」
「こちらこそアールをお願いします。ちょっとやそっとじゃ大丈夫だと思いますからこき使ってやってください」
「頼りにさせてもらいます。では」
アリアスはそう言うとアルジール達と共に森の奥へと消えていった。
「さて、じゃあ俺達も行きましょうかね」
「「はい」」
あ、今気づいたが、俺1人にシステアとアルメイヤか。ちょっとしたハーレムパーティーになってるな。
などと思いつつ、俺は名も思い出せないブリガンティス軍軍団長? の元へと歩き始めた。
魔人達に近づくごとに気配が段々濃くなってくる。
もうすぐそこまで来ているはずだ。
あちらもこちらに気づいているらしく、移動速度がかなり落ちている。
「そういえば聞いてませんでしたけど、システアさんって後衛タイプの魔法使いですよね?」
他にどんな魔法使いのタイプがあるんだ? って話だが、稀に近接戦闘型の魔法使いもいるにはいる。
強化魔法で自身の体を強化して、自らの魔力で作った武器で接近戦を繰り広げるタイプだ。
まぁそんな戦闘スタイルはほぼ魔人くらいのもので人間でやっているやつは見たことはないので魔法使いはほぼ後衛タイプと考えていいだろう。
「もちろん、後衛タイプです。人間ですから……」
ちょっと呆れられたかな? とはいえ、確認は大事である。
「あ、ちなみに俺とメイヤに強化支援系の魔法は使わなくていいですよ。自動でかけますから。ダメージ食らった時の回復と攻撃魔法を敵にぶっ放してもらえればOKです」
まぁ状況次第だどけね。そもそもできることなら俺一人でどうにかしたいくらいだ。
「えっ、そうなんですか?」
普通は後方支援の魔法使いに近接戦闘系の戦士は支援魔法をかけてもらうのだが、俺達には必要ない。
上位魔人は大体が自動で支援魔法をかける術を持っている。今は魔人ではないが、使える魔法に変化はないので問題なく使えるのだ。
「そうなんです。ちなみに俺はどちらかといえば近接タイプですが、中距離遠距離攻撃全て可能です。メイヤは中距離、たまに近接ですかね?」
「概ねそれで間違いありません」
「メイヤさんはともかくクドウさんはとんでもないですね」
なかなか全レンジ攻撃可能な戦士や魔法使いというのは中々存在しない。魔人であればそう珍しくもないのだが、人間の中ではかなり稀だろう。
「まぁ一応可能ってくらいですよ」
一応謙遜してみたが、自分でいうのもなんだがどれも一級品である。
「あ、見えてきましたね」
森の奥から10体ほどの魔人の姿が見えてきた。
魔物相手なら奇襲を試みたりもするのだろうが、既にお互いの存在は把握していたので、意味はない。
すると、突然アルメイヤが俺の耳元で呟いた。
「第3級魔法は使ってもよろしいのでしょうか?」
あ、そういや、ここに来る前にミンカの宿屋で魔法制限しろって言ってたんだっけ? 忘れてたわ。
(アルジールにも制限つけっぱなしだったけど、まぁそこらへんは臨機応変にやるよな?)
「あぁ、ていうかメイヤは全力でいいぞ」
俺はメイヤに言っていた制限の解除を許可すると、アルメイヤはなにやら不穏な事を言い始めた。
「では少し見晴らしを良くしましょう。こんな森の中では戦いづらそうですので」
2キロとはいっても魔人達の侵攻速度から考えれば目と鼻の先と言っても過言ではなかった。
「うわっ、ヤバくないっスか? これ?」
到着した瞬間、ガランは全員に聞こえる声で言った。
恐らくこの場で魔力探知が苦手そうなガランにもはっきりと魔人達の存在ははっきりと確認できている。
「確かにいるな、だがガランよ、心配することはない。クドウ様と私がいる」
「すげぇっスね……。アールさんは」
ちょっと飽きてきたな。このやり取り。ていうかやっぱ馬鹿にされてる気がするな。
まぁどちらにしてもアルジールの戦闘を見ればアルジールの発言も大げさなものではない事にガランも気づくだろう。
ガランは驚いていたが俺としては想定内だ。まぁ確かに勇者パーティーといえどかなり苦戦しそうな相手と数ではあるが。
「時間もないことですし、すぐ別れましょうか? 多分相手もこちらに気づいています」
「そうですね、クドウさん。ではシステアさんを頼みます」
「こちらこそアールをお願いします。ちょっとやそっとじゃ大丈夫だと思いますからこき使ってやってください」
「頼りにさせてもらいます。では」
アリアスはそう言うとアルジール達と共に森の奥へと消えていった。
「さて、じゃあ俺達も行きましょうかね」
「「はい」」
あ、今気づいたが、俺1人にシステアとアルメイヤか。ちょっとしたハーレムパーティーになってるな。
などと思いつつ、俺は名も思い出せないブリガンティス軍軍団長? の元へと歩き始めた。
魔人達に近づくごとに気配が段々濃くなってくる。
もうすぐそこまで来ているはずだ。
あちらもこちらに気づいているらしく、移動速度がかなり落ちている。
「そういえば聞いてませんでしたけど、システアさんって後衛タイプの魔法使いですよね?」
他にどんな魔法使いのタイプがあるんだ? って話だが、稀に近接戦闘型の魔法使いもいるにはいる。
強化魔法で自身の体を強化して、自らの魔力で作った武器で接近戦を繰り広げるタイプだ。
まぁそんな戦闘スタイルはほぼ魔人くらいのもので人間でやっているやつは見たことはないので魔法使いはほぼ後衛タイプと考えていいだろう。
「もちろん、後衛タイプです。人間ですから……」
ちょっと呆れられたかな? とはいえ、確認は大事である。
「あ、ちなみに俺とメイヤに強化支援系の魔法は使わなくていいですよ。自動でかけますから。ダメージ食らった時の回復と攻撃魔法を敵にぶっ放してもらえればOKです」
まぁ状況次第だどけね。そもそもできることなら俺一人でどうにかしたいくらいだ。
「えっ、そうなんですか?」
普通は後方支援の魔法使いに近接戦闘系の戦士は支援魔法をかけてもらうのだが、俺達には必要ない。
上位魔人は大体が自動で支援魔法をかける術を持っている。今は魔人ではないが、使える魔法に変化はないので問題なく使えるのだ。
「そうなんです。ちなみに俺はどちらかといえば近接タイプですが、中距離遠距離攻撃全て可能です。メイヤは中距離、たまに近接ですかね?」
「概ねそれで間違いありません」
「メイヤさんはともかくクドウさんはとんでもないですね」
なかなか全レンジ攻撃可能な戦士や魔法使いというのは中々存在しない。魔人であればそう珍しくもないのだが、人間の中ではかなり稀だろう。
「まぁ一応可能ってくらいですよ」
一応謙遜してみたが、自分でいうのもなんだがどれも一級品である。
「あ、見えてきましたね」
森の奥から10体ほどの魔人の姿が見えてきた。
魔物相手なら奇襲を試みたりもするのだろうが、既にお互いの存在は把握していたので、意味はない。
すると、突然アルメイヤが俺の耳元で呟いた。
「第3級魔法は使ってもよろしいのでしょうか?」
あ、そういや、ここに来る前にミンカの宿屋で魔法制限しろって言ってたんだっけ? 忘れてたわ。
(アルジールにも制限つけっぱなしだったけど、まぁそこらへんは臨機応変にやるよな?)
「あぁ、ていうかメイヤは全力でいいぞ」
俺はメイヤに言っていた制限の解除を許可すると、アルメイヤはなにやら不穏な事を言い始めた。
「では少し見晴らしを良くしましょう。こんな森の中では戦いづらそうですので」
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