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第2章 ドラゴン襲来編
第38話 報告
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ドラゴンとの交渉は2,3分ほどの短い時間で終わり、ベルゼスは20分もしない内に玉座へと戻ってきた。
ドラゴン達が去ったということは交渉がうまくいったという事かと、玉座内の者達は思っていたが、その割にはベルゼス様の表情は優れないように見える。
「それでベルゼス。交渉はどうだった? 相手は人間の言葉が分かるドラゴンだったのだろう?」
「いえ、それが」
玉座から見下ろすユーディーンが帰ってきたばかりのベルゼスにそう問いかけるとなぜかベルゼスは困惑したような表情で一瞬言葉に詰まる。
「どうした? 気を使う必要などない。あった事実だけを話せ」
ユーディーンがそう言うと「交渉とは直接関係ないのですが」と前置きをしつつ、ベルゼスは報告を始めた。
「まず私が交渉した相手……恐らくドラゴンのリーダーと目される人物なのですが、女です」
「女? 確かにあの声は女だったな。珍しいといえば珍しいが」
あの時の女の声を聞いていたのでドラゴンの性別くらいは分かっている。それがなんだ? と言わんとばかりのユーディーンの視線を感じたベルゼスは報告の意味を正確に告げる。
「陛下は恐らく勘違いされています。私が言いたかったのはドラゴンを率いていたのはドラゴンではなく人間の女だったということです」
そう言って初めてベルゼスの報告の意図に気付いたのか玉座の間は騒然となった。
確かにドラゴン相手に女という表現を使っているベルゼスの報告に違和感を持っている者は多かったが、まさかドラゴンを率いてやってきたのが人間の女など想像もつくはずがない。
事実としては女——エメラルドドラゴンロード・エルディアは竜族の中でも特殊な力を持ってはいるがれっきとした竜族、つまりはこの世界で言う所の神獣ドラゴンであり、ベルゼスの報告は間違いなのだが、外見的特徴だけを見ればエルディアは確かに人間の女だった。
「どういうことだ? 人間がドラゴンの主だという事か? もしやドラゴンは帝国の——」
支配下にあるのか? という言葉が喉元まで出かかったが、すぐにそれはないとユーディーンは判断した。
帝国はドレアス王国のずっと北方にあり、それとは真逆に位置するドラゴンが住む神獣の領域へドレアス王国に気付かれる事なくドラゴンを制圧する軍など送れるわけがないからだ。
それ以前に帝国にそれほど戦力があるというのならドレアス王国はもちろん人間国家全てが今頃帝国の軍門に下っていなければおかしい。
かといって他の国の人間だという事も考慮に入れて考えてみるが、どの可能性も矛盾が多すぎてとても答えを出す事などユーディーンにはできなかった。
「……まぁそれはどうでもよい」
結果、ユーディーンは女の正体がかなり気になったものの答えを出す事を放棄した。
前提条件が間違っているので、はなから答えなど出るはずもなかったのでこれがある意味正解であり、ユーディーン達の目的はこれからどうするかを話し合う事であって女の正体など別になんでも構わないのである。
「それよりも交渉はどうなった?」
「陛下の予想通り、ドラゴンの要求は剣聖レイの身柄の引き渡しでした」
「そうか」
ベルゼスの答えにユーディーンが頷くと、ちらりと黙って聞いていたレイを見る。
白銀の仮面の表情を窺い知る事はできないが、レイにそれほど動揺した様子は見られない。
「陛下の指示通り、3日の猶予を得る為に剣聖レイは北の帝国への極秘の偵察任務に出て3日は戻ってこないと説明した所、女から3日の猶予を得ることができました」
「そうか、よくやった」
正直、うまくいきすぎのように思えたが、これで3日間は王都からドラゴンの脅威から遠ざける事ができた。
それだけあればドレアス王国全軍10万の内の大半を王都に集結させることができる。
だが、これだけでドラゴンに勝てると考える程ユーディーンは楽天家ではない。
ドラゴンはその強さから一騎当千と例えられることが多いが、実際は恐らく1000人いても勝つことは難しいとユーディーンは考えている。
実際戦うとなれば、空飛ぶドラゴンへの有効な攻撃手段は弓やバリスタなどといった遠距離武器に頼る事になるがドラゴンの飛行速度から考えれば命中率は著しく低い上に当たった所でかなり効果が薄いのである。
要は下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる戦法で永遠と数を撃ち続けて、ドラゴンの飛翔能力を奪った所で地上戦に持ち込むというくらいしかドラゴンと戦う術はない。
そうしてやっと倒すころには恐らく人間側には1000人どころではない被害が出るのは確実で下手すればそれの何倍もの被害を覚悟して戦わなければいけないのが神獣ドラゴンという存在なのである。
そんなドラゴンが少なくても300体、下手すれば500体ほど相手にしなければいけないと考えれば10万程度の兵で戦える相手ではない。
どうしてもそれ以外に強力な力が必要だ。
そうして、ユーディーンがベルゼスから視線をエリシアへと移そうとした時。
「陛下、話はまだ終わっておりません」
そう言われ、ユーディーンが逸らしかけていた視線を戻すと、ベルゼスの表情は今まで見たことない程までに固く何かを恐れているようなそんな緊張感があった。
「どうした? ベルゼス。顔色が悪いぞ」
昨日の今日で睡眠不足なのはあるだろうが、引き留めたベルゼスの顔色は先程よりも明らかに悪く、酷く汗を掻いている。
「最後に重要な話があります。ドラゴンは……いや、あの女は3日後にレイを引き渡す引き渡さないに関わらずこの王都を滅ぼす気です」
「どういうことだ? レイを引き渡すのが条件だったのだろう? それではこちらがレイを引き渡す意味がないではないか?」
ユーディーンの言う通りそれでは交渉も何もない。
どのみち滅ぼされるというのに、馬鹿正直にレイを引き渡す者がどこにいるというのか?
そう言うユーディーンにベルゼスは止まらない汗を袖で拭いながら言った。
「女は何も言いませんでしたがレイを引き渡さなければ、ドレアス王国そのものを滅ぼす気なのです。あの女は。つまり王都を滅ぼすのは神獣ドラゴンに手を出した報いであり、こちらがどう償おうとそれは決定事項なのでしょう」
そんなベルゼスの報告に玉座の間が騒然となる中、ユーディーンはどこか納得したような気がした。
あまりにもうまくいきすぎていると感じていたからだ。
重臣達は騒いでいるが本来ならすぐにこのドレアスが滅ぼされたとしてもおかしくはない状況だったのだ。
(いや、実際うまくいっている。悪くはない。こちらの目論見通り、3日の猶予を得たのだからな)
そもそもユーディーンはレイをドラゴンなどに差し出す気など毛頭なかった。
あくまでレイを交渉の材料に加えたのは時間稼ぎが目的であって、時間さえ得たら約束を守る気などさらさらなかったのである。
それもこれもこれからの結果次第となるのだが、これからやること自体に変更はない。
「其方ら、いつまで騒いでいる気だ! 静かにせよ!」
止まない喧騒を一喝し、静かになった所を見計らって、ユーディーンはエリシアへと視線を向ける。
「エリシア、其方は予定通りアッシュへの交渉へと向かってもらう。だが、其方の任務の重要性は増したと心得よ。其方の交渉の成否でレイひいてはドレアス王国そのものの命運が決まる事になる。どんな手段と交渉材料を使っても構わない。絶対にアッシュと口説き落とせ」
そんなユーディーンの言葉に視線の先にいるエリシアは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに静かに使命感に燃える女の顔になった。
ドラゴン達が去ったということは交渉がうまくいったという事かと、玉座内の者達は思っていたが、その割にはベルゼス様の表情は優れないように見える。
「それでベルゼス。交渉はどうだった? 相手は人間の言葉が分かるドラゴンだったのだろう?」
「いえ、それが」
玉座から見下ろすユーディーンが帰ってきたばかりのベルゼスにそう問いかけるとなぜかベルゼスは困惑したような表情で一瞬言葉に詰まる。
「どうした? 気を使う必要などない。あった事実だけを話せ」
ユーディーンがそう言うと「交渉とは直接関係ないのですが」と前置きをしつつ、ベルゼスは報告を始めた。
「まず私が交渉した相手……恐らくドラゴンのリーダーと目される人物なのですが、女です」
「女? 確かにあの声は女だったな。珍しいといえば珍しいが」
あの時の女の声を聞いていたのでドラゴンの性別くらいは分かっている。それがなんだ? と言わんとばかりのユーディーンの視線を感じたベルゼスは報告の意味を正確に告げる。
「陛下は恐らく勘違いされています。私が言いたかったのはドラゴンを率いていたのはドラゴンではなく人間の女だったということです」
そう言って初めてベルゼスの報告の意図に気付いたのか玉座の間は騒然となった。
確かにドラゴン相手に女という表現を使っているベルゼスの報告に違和感を持っている者は多かったが、まさかドラゴンを率いてやってきたのが人間の女など想像もつくはずがない。
事実としては女——エメラルドドラゴンロード・エルディアは竜族の中でも特殊な力を持ってはいるがれっきとした竜族、つまりはこの世界で言う所の神獣ドラゴンであり、ベルゼスの報告は間違いなのだが、外見的特徴だけを見ればエルディアは確かに人間の女だった。
「どういうことだ? 人間がドラゴンの主だという事か? もしやドラゴンは帝国の——」
支配下にあるのか? という言葉が喉元まで出かかったが、すぐにそれはないとユーディーンは判断した。
帝国はドレアス王国のずっと北方にあり、それとは真逆に位置するドラゴンが住む神獣の領域へドレアス王国に気付かれる事なくドラゴンを制圧する軍など送れるわけがないからだ。
それ以前に帝国にそれほど戦力があるというのならドレアス王国はもちろん人間国家全てが今頃帝国の軍門に下っていなければおかしい。
かといって他の国の人間だという事も考慮に入れて考えてみるが、どの可能性も矛盾が多すぎてとても答えを出す事などユーディーンにはできなかった。
「……まぁそれはどうでもよい」
結果、ユーディーンは女の正体がかなり気になったものの答えを出す事を放棄した。
前提条件が間違っているので、はなから答えなど出るはずもなかったのでこれがある意味正解であり、ユーディーン達の目的はこれからどうするかを話し合う事であって女の正体など別になんでも構わないのである。
「それよりも交渉はどうなった?」
「陛下の予想通り、ドラゴンの要求は剣聖レイの身柄の引き渡しでした」
「そうか」
ベルゼスの答えにユーディーンが頷くと、ちらりと黙って聞いていたレイを見る。
白銀の仮面の表情を窺い知る事はできないが、レイにそれほど動揺した様子は見られない。
「陛下の指示通り、3日の猶予を得る為に剣聖レイは北の帝国への極秘の偵察任務に出て3日は戻ってこないと説明した所、女から3日の猶予を得ることができました」
「そうか、よくやった」
正直、うまくいきすぎのように思えたが、これで3日間は王都からドラゴンの脅威から遠ざける事ができた。
それだけあればドレアス王国全軍10万の内の大半を王都に集結させることができる。
だが、これだけでドラゴンに勝てると考える程ユーディーンは楽天家ではない。
ドラゴンはその強さから一騎当千と例えられることが多いが、実際は恐らく1000人いても勝つことは難しいとユーディーンは考えている。
実際戦うとなれば、空飛ぶドラゴンへの有効な攻撃手段は弓やバリスタなどといった遠距離武器に頼る事になるがドラゴンの飛行速度から考えれば命中率は著しく低い上に当たった所でかなり効果が薄いのである。
要は下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる戦法で永遠と数を撃ち続けて、ドラゴンの飛翔能力を奪った所で地上戦に持ち込むというくらいしかドラゴンと戦う術はない。
そうしてやっと倒すころには恐らく人間側には1000人どころではない被害が出るのは確実で下手すればそれの何倍もの被害を覚悟して戦わなければいけないのが神獣ドラゴンという存在なのである。
そんなドラゴンが少なくても300体、下手すれば500体ほど相手にしなければいけないと考えれば10万程度の兵で戦える相手ではない。
どうしてもそれ以外に強力な力が必要だ。
そうして、ユーディーンがベルゼスから視線をエリシアへと移そうとした時。
「陛下、話はまだ終わっておりません」
そう言われ、ユーディーンが逸らしかけていた視線を戻すと、ベルゼスの表情は今まで見たことない程までに固く何かを恐れているようなそんな緊張感があった。
「どうした? ベルゼス。顔色が悪いぞ」
昨日の今日で睡眠不足なのはあるだろうが、引き留めたベルゼスの顔色は先程よりも明らかに悪く、酷く汗を掻いている。
「最後に重要な話があります。ドラゴンは……いや、あの女は3日後にレイを引き渡す引き渡さないに関わらずこの王都を滅ぼす気です」
「どういうことだ? レイを引き渡すのが条件だったのだろう? それではこちらがレイを引き渡す意味がないではないか?」
ユーディーンの言う通りそれでは交渉も何もない。
どのみち滅ぼされるというのに、馬鹿正直にレイを引き渡す者がどこにいるというのか?
そう言うユーディーンにベルゼスは止まらない汗を袖で拭いながら言った。
「女は何も言いませんでしたがレイを引き渡さなければ、ドレアス王国そのものを滅ぼす気なのです。あの女は。つまり王都を滅ぼすのは神獣ドラゴンに手を出した報いであり、こちらがどう償おうとそれは決定事項なのでしょう」
そんなベルゼスの報告に玉座の間が騒然となる中、ユーディーンはどこか納得したような気がした。
あまりにもうまくいきすぎていると感じていたからだ。
重臣達は騒いでいるが本来ならすぐにこのドレアスが滅ぼされたとしてもおかしくはない状況だったのだ。
(いや、実際うまくいっている。悪くはない。こちらの目論見通り、3日の猶予を得たのだからな)
そもそもユーディーンはレイをドラゴンなどに差し出す気など毛頭なかった。
あくまでレイを交渉の材料に加えたのは時間稼ぎが目的であって、時間さえ得たら約束を守る気などさらさらなかったのである。
それもこれもこれからの結果次第となるのだが、これからやること自体に変更はない。
「其方ら、いつまで騒いでいる気だ! 静かにせよ!」
止まない喧騒を一喝し、静かになった所を見計らって、ユーディーンはエリシアへと視線を向ける。
「エリシア、其方は予定通りアッシュへの交渉へと向かってもらう。だが、其方の任務の重要性は増したと心得よ。其方の交渉の成否でレイひいてはドレアス王国そのものの命運が決まる事になる。どんな手段と交渉材料を使っても構わない。絶対にアッシュと口説き落とせ」
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