異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

それぞれがそれぞれに。

「よし、材料は揃ったし、ロイさん帰ってきちゃう前に作っちゃお～」

「きゃうん！」

今日は、旅に出る前に必要なことをお互い終わらせようってことになって、別行動。

まぁ、旅に出る前に色々やっとくことがあるのはロイさんだけなんだけどね。

私には 出ることを報告するような相手は、いない。

ロイさんがいない隙に作っときたい物はいろいろあるからそれを作ろうと思う。


◇  ◇  ◇


「まぁこんなもんでいいかな。終了～」

数時間後。

目の前には マジックアイテムの小山が出来上がっていた。


「何が終わったんだ？」

「何ってそりゃあ、マジックアイテ……ムに決まってんじゃ……ん………？」

すると頭上から急に、ちょっと怒り気味の聞きなれた声が降ってきた。

「ロ、ロイさん……？」

恐る恐る振り返ってみるとそこには腕を組み、仁王立ちしたロイさんがいたー……。

か、帰ってきてたんだ…… 全然気づかなかった……。

「おかえりなさい！はやかったね。もう終わったの？」

「あぁ」

「そっかぁ。部屋の中散らかしちゃっててごめんね。今片付「誤魔化そうとしても無駄だぞ」

……だよね。ツッコミいれないわけないよね。わかってます。はい。

「ご、誤魔化そうとなんかしてないもん……」

「じゃあ説明するよな？ どんなものマジックアイテムなのか。

もちろん、全部」

ロイさんはベットにどかっと座り、足を組み、有無を言わせない口調でそう言ってきた。

「よ、喜んで……」

───宣言通り、作ったものを1つ1つ、何をするための道具なのか、なぜ作ったのかを説明させられたー……。

終わったときには夕飯の時間も過ぎていたー……。