異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

マジックアイテム作成 with ロイさん 02

｢ー付与エンチャント｣

頭の中でどんなデザインにしたいか、あとは付けたい魔法名を思い浮かべることも忘れないよう気をつけて……っと。

まぶしいくらい光って、光が収まるとそこには 原型をまったく留めない物があってー……。

私には見慣れた光景(ただし、納得はしていない)だけどロイさんは……

｢は？｣

かつてないほどの低ーい声を発して、そして鋭い眼差しで、出来上がった物を睨む。


｢ロイさん、怖い。目が怖すぎる｣

｢エンチャントつってるけどそれだけじゃねぇよな？ 何やったんだ。エンチャント以外になにを同時発動させた？｣

｢エンチャントだけだよ｣

｢頼むからこれに関しては嘘つかないでくれないか？｣

｢嘘じゃないよ。本当に、エンチャントだけ｣

まぁ、頭の中で考えてはいるけど。それは言わなくていい……よね？

｢俺の知ってるエンチャントとは明らかに違うんだが｣

｢うん｣

それに関しては激しく同意するわ～。

｢本当に、他の魔法は発動していないのか？｣

｢うん｣

｢………そうか。その魔法、絶対に人前でやるなよ｣

｢もちろん！ ロイさんだから見せたんだよ！｣

ロイさんにまで隠れてコソコソやるの面倒だし。
まぁロイさんだし、その前に感づかれそうだけど。


｢というか、これはなんだ？｣

｢ランタンだよ。ただの魔物よけにするより、他の機能も付けちゃったほうが楽かなーって。

ちなみにこのボタン部分を触りながら念じるだけで光魔法が展開、収束できるよ。私とロイさんはもちろん、リルでもできるようにしてみた！｣

｢………そうか｣

ロイさんはツッコミ疲れたらしく、諦めた表情でそれだけ言うと、黙り込んでしまったー……。


◇  ◇  ◇


ーちなみに、 出来あがったランタンをこっそり鑑定した結果はというと。

そこらへんに普通にありそうな物になんて、もちろんなってるはずもなく。

普通のランタンとしての機能、そして任意発動以外の機能としては、
“敵意のある人・魔物ものの侵入を拒否する結界魔法が発動される”というこれまたバレたらめんどくさいことにしかならないだろうなって物になっていたー……。


まぁ、盗賊とかの心配をしなくていいし、対盗賊用にまたなんか作るとかになるのも面倒だからよかったよね。うん。

そう思うことにしようー……。