異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ！ のんびり冒険者 (仮)

本編

思ってた反応と違う

｢ねえリル。ロイさんの反応微妙だったよね……？｣

｢きゃうん？｣

ネックレスを渡した時のロイさんの反応が、想像と違いすぎた。

ただのネックレスに見えたから反応が薄かったとかそういうんじゃなくて。
ネックレスそのものに困ってたって感じだった。


ーやっぱり、アクセサリーはまずかったのかなぁ……。

日本だと、独占欲とかそういう意味が隠されてるって話もあったりしたけど……こっちにもそういうのあるのかな？ 


｢リルは首輪、気に入ってくれた？｣

｢きゃん！｣

もちろん！とでも言いたげに声をあげ、ぶんぶんと尻尾を振りながら抱っこをせがんでくるリル。


｢ロイさんには内緒なんだけど、任意で結界魔法が発動する機能付きなんだよ。リルでも出来るみたいだから戦闘中使ってね｣

｢きゃうん？｣

｢言ってる意味、わかる？結界魔法が使えるんだよ｣

｢きゃん！｣

｢リルは賢いね～｣

｢きゃう～ん！｣

ー甘えてくるリルの可愛さにしばらくの間、悩んでいたことを忘れ、戯れた。


◇  ◇  ◇

ー確信したのは、翌朝になってからだった。

いつものようにリルをお腹に突進させて起こして、着替えてご飯を食べる。

そして食べ終わってひと休憩ついたら ギルドに依頼を受けに行く。

これがいつもの流れ。



｢ロイさん、ネックレス置きっぱなしじゃん……｣

ロイさんはエミリーさんに私用があるとかで 先にギルドに向かった。

ー 昨日渡したネックレスは、棚の上に置かれたままだった。


置いてるの、視界に入らない位置じゃないんだけどなぁ……。


｢きゃう？ きゃう～ん｣

｢とりあえず持っていこっか｣

｢きゃん！｣

リルが心配するから顔に笑みは浮かべるものの……内心は、だいぶ落ち込んでいた。

ー付けたくないなら付けたくないで、ちゃんと言われたかったなー……。