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本編
身を守るためなのでここは自重しない 01
しおりを挟む「リル、寝てるロイさんの邪魔してないといいな……」
昨日の夜。ロイさんは特に何も言わずにどこかに行ったきり、帰ってこなかった。
朝 ようやく帰ってきたかと思えば、二日酔いで気持ち悪いって言ってるから、そのまま寝ることを勧めたら、あっという間に落ちた。
ーなんだ、飲んでたのか。何も言わずにいなくなるから心配したのに……。
せめて何か言ってから行ってほしかったなとちょっと思った。
まぁ昨日ロイさんがお酒に逃げたのは確実に私とリルのせいなのは言うまでもないから文句なんて言わないけど。
ーあのあと、縮小化のスキルの話になり、本来の姿を見ときたいってロイさんたっての希望で街の外に出て、リルに本来の大きさになってもらったんだけど……。 それを見てロイさん、絶句。鑑定石でフェンリルって見た時の比じゃないくらい驚いて固まって、息してないんじゃないかって慌てて確認するほど動かなくなっちゃって……。
ロイさんの意識が覚醒するまですごい時間かかってめんどくさい……じゃなくて、大変だった。
まぁそんなことがあったから、そのあとロイさんの意識戻ってきても終始無言でふらふらしてるみたいな感じでいて………からの夜だったから。一応責任は感じてるんだよね。
◇ ◇ ◇
ロイさん寝てるし、私は私でしたいことがあったからちょうどよかった と部屋にリルを残して、街に買い物にきた。
「材料はなんでもいいけど、デザイン性を求めるなら既製品使ったほうが楽だし、私の中のイメージで作るとデザインで目立つ気しかしない……」
旅に出る前に、ロイさんとリルに マジックアイテム作成魔法で作ったネックレスと同じ、魔法耐性と結界魔法が付与された装飾品を作って渡したいなって。
でも基本ロイさんと一緒に行動してるからそんなときに男物の装飾品買ったら1発でロイさん用って知られちゃうし、なにより買った時と明らかに違うものになってるって気づかれるからできなくて困ってたんだよね。
渡して、よく見られたらロイさんなら何か勘づいちゃう可能性高いけど、鑑定しない限り詳細はわからないハズだし、ちょっとした耐性くらいならマジックアイテムじゃなくてもついてる物はあるし。(例:ブレスレットとして買った時。耐性がついてるってだけで マジックアイテムとかではなくて普通の装飾品の1つだった。)
耐性が元からついてるものをベースに作ればマジックアイテムに見えないみたいだしね!
何より、自分たちの安全に関わることだから ここは自重しないでいきたいな、と。
「何探してんだ?遊びなら出ていきな」
「あ、えっと……欲しいものがあって。
大人の男の人用の何か耐性ついてる装飾品ってありますか?」
店内をキョロキョロと見回していたら店主らしきおっちゃんに声をかけられた。……いや、ちがうな。かけられたというか、邪魔者扱いかこれは。
「………………。
どの耐性がいいとかはあるか?」
丁寧に返答したから、冷やかしじゃないとわかってもらえたのか、追い出されたりすることはなかった。
「特にこだわりはありません」
どうせそんな耐性関係なくなるし。
「大人用の装飾品ってなると今はこの5つしかないな」
そう言って机に並べられた5つの装飾品。
1つ目は火魔法の耐性が付いた指輪。
2つ目が水魔法の耐性が付いたブレスレット。
3つ目も水魔法の耐性が付いたピアスで、
4つ目が風魔法の耐性が付いたベルト。
5つ目が土魔法の耐性が付いた紐っぽいものだった。
残念ながらネックレスはなかった。
「この紐?は何に使うんですか?」
「大抵が金の入った袋を腰にぶら下げるのに使ってるな」
「……それで効果あるんですか?」
聞けば、耐性付きの物は身につけていれば効果があるとのこと。
耐性付きの革紐はわりと人気商品なんだけどこれは長いこと売れ残ってて困ってるらしい。
なんで売れ残ってるのか聞いたら、単純に効果がかなり薄いせいらしい。
ーもし買ってくれるなら安くすると言われたことと、木材じゃなければなんでもOKでなんにでも作り替えられるから、これにした。
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