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本編
薬草も大量
しおりを挟む「エミリーさん」
「はーい。何かしら?」
ギルマスもロイさんもいなくなった部屋で、受付の仕事に戻ろうとするエミリーさんを呼び止めた。
「薬草も採ってきたんですけど、とりあえずF、Eランクの常駐依頼ってことで受けて、すぐに薬草共々提出ってマズいですか?」
「……薬草?」
「はい。昨日ゴブリン探すついでに道中で薬草を見つけたんで、採ってきたんですけど……」
「ちょっと待ってマリアちゃん。あなた昨日、ゴブリンだけじゃなくて薬草まで採ってたの!?」
え、驚くところそこなの?
「えぇ。たまたま道端に咲いていたのを見つけて……」
「もちろん買い取るわ~。 薬草はいくらあっても困らないもの!それに今ちょうど薬草が不足してて困ってたのよね~」
薬草がと聞いてエミリーさんはまぶしいほどの笑顔を見せ、そして籠を渡してきた。
ここにいれろってことかな?
「ちょっと多いんですけど……」
採った分全部だすのはやめとこうと思ってたけど不足してるなら出しちゃってもいいよね。
そう思ってロイさんが貸してくれてる魔法鞄からだすフリをして無限収納から出した。
「す、すごい量ね……」
籠いっぱいどころか籠に山盛り5つ分までだしたところで無言のまま呆然としていたエミリーさんがようやく我に返ったみたいで、感嘆とも呆れとも取れる声をあげた。
「え、あぁ、なんか、群生地を見つけたみたいで。これで最後ですよ」
本当はもっとあって、あとこれの3倍分くらいはあるんだけど、これ以上は出さない方が良さそう。
「数えて査定しておくけど、量が量だから2時間くらい待ってもらってもいいかしら?」
「あ、そうしたらその間に今日の泊まるところ探したいんでオススメの宿と場所を教えてもらえませんか? 子供が1人でも、泊めてくれそうなところをいくつか……」
「それならギルドの宿に泊まっていけばいいわ~」
ギルドの宿?一瞬何のことを言ってるのかと思ったけど思い出した。
そういえば冒険者用に、格安の宿も兼ねてるって言ってたっけ……。
「いいんですか?」
「もちろん! 案内するからいらっしゃい~」
「ありがとうございます!」
聞けば、ギルド職員の紹介があれば10日単位での部屋の貸し出しもしてるとのことで、そっちでお願いできないか聞いてみたらあっさりOK。
とりあえず今日から しばらくのあいだの泊まるところは確保できた。よかった~
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