上 下
35 / 121
本編

ランクアップ

しおりを挟む


ーコンコンッ

「失礼します。用意ができました」

「あぁエミリー、戻ってきてまた済まないが、マリアのランクアップの手続きを頼む」

「ランクアップ、ですか? かしこまりました。 フフフッ、昨日の今日でなんて、最短でのランクアップですね。おめでとう、マリアちゃん」

エミリーさんがお金を持って戻ってきたかと思えば、ギルマスがそんなことを言った。

ランクアップできるの? はやくない?エミリーさんの言う通り、昨日の今日だよ??

「いや、Dだ」

ランクアップに驚いていたら、さらに驚くことを言った。

「D、ですか?」

「あぁ。大規模の集落をたった1人で短時間で殲滅したんだ。Dランクでも問題はないだろう」

「そうですね。では手続きをします。マリアちゃん、ギルドカードを貸してもらえるかしら?」

「あ、はい……」

言われるまま、ギルドカードをエミリーさんに渡す。


「ちょっと待っててね~

うん、これで完了っと。一応確認したいから軽く魔力を流してくれる?昨日みたいに光れば大丈夫よ」

「うん……」

光ったね。大丈夫そう。


「あ、それとこれが今回の買取額と報酬。 確認してくれるかしら?」

「……うん。大丈夫。ありがとう」


「それから、ロイ。びっくりするのはわかるけど、さすがにそろそろ行かないとまずいんじゃない?」

エミリーさんが戻ってきたあたりから完全に空気になってたロイさんに、エミリーさんは声をかけた。

……ごめん ロイさんのこと忘れてたわ。


「お、おう。そうだな。俺行くわ。マリア、今日の門が閉まる時間あたりに詰所に来い。話がある」

「それならお昼過ぎたころにまた外に出ようと思ってるから帰りにそのまま寄るね」

そういえば薬草も採ってたんだった。これもエミリーさんに(というかギルドに)買い取って貰おう。

外に行くのは、今日泊まる宿を探して、見つかればだけど。


というかロイさん、目が怖いよ……。
“どういうことか聞かせてもらおうか”って目だよね、これ完全に。

ギルマスに質問攻めされてる間、 ロイさんところどころ 腑に落ちてない顔してたもんなぁ……。
特にあれ。死体を穴に埋めたあと火魔法で消し炭にして水魔法で鎮火したことを、なんでそんなうやむやにしてんだ?って思われた気がするんだよね。

……火魔法使えない設定にしてます、とは言えないしなぁ……。でもロイさんとギルマス、個人的に知り合いっぽいし……さすがに、鑑定石での鑑定結果をロイさんに教えたりはしないだろうけど……なにかの拍子に、とか話の流れで、とかで どっちかがポロッと言っちゃって……とかになったら、面倒だよなぁ……。

うーん、どうしようか。
しおりを挟む
感想 106

あなたにおすすめの小説

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい

増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。 目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた 3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ いくらなんでもこれはおかしいだろ!

転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン… 紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢 座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!! もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。 全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。 作者は極度のとうふメンタルとなっております…

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

緑の魔女ルチルの開拓記~理想の村、作っちゃいます! 王都に戻る気はありません~

うみ
ファンタジー
 緑の魔女と謳われた伯爵令嬢ルチルは順風満帆な暮らしを送っていた。  ところが、ある日突然魔力が消失してしまい国外退去の命を受けることに。  彼女が魔力を失った原因は公子と婚約したい妹による陰謀であったが、彼女が知る由もなかった。  令嬢としての地位を失い、公子との婚約も破棄となってしまったが、彼女は落ち込むどころから生き生きとして僻地へと旅立った。  僻地に住む村人は生気を失った虚ろな目をしており、畑も荒れ放題になっていた。  そこで彼女はもふもふした大賢者と出会い、魔力を取り戻す。  緑の魔女としての力を振るえるようになった彼女はメイドのエミリーや一部の村人と協力し、村を次々に開拓していく。  一方、彼女に国外退去を命じた王国では、第二王子がルチルの魔力消失の原因調査を進めていた。  彼はルチルの妹が犯人だと半ば確信を持つものの、証拠がつかめずにいる。  彼女の妹はかつてルチルと婚約していた公子との婚約を進めていた。    順調に発展していくかに思えた僻地の村であったが――。 ※内容的には男性向け、女性向け半々くらいです。

流石に異世界でもこのチートはやばくない?

裏おきな
ファンタジー
片桐蓮《かたぎりれん》40歳独身駄目サラリーマンが趣味のリサイクルとレストアの資材集めに解体業者の資材置き場に行ったらまさかの異世界転移してしまった!そこに現れたのが守護神獣になっていた昔飼っていた犬のラクス。 異世界転移で手に入れた無限鍛冶 のチート能力で異世界を生きて行く事になった! この作品は約1年半前に初めて「なろう」で書いた物を加筆修正して上げていきます。

フェル 森で助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと一緒に暮らす話

カトウ
ファンタジー
こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 チートなんてない。 日本で生きてきたという曖昧な記憶を持って、少年は育った。 自分にも何かすごい力があるんじゃないか。そう思っていたけれど全くパッとしない。 魔法?生活魔法しか使えませんけど。 物作り?こんな田舎で何ができるんだ。 狩り?僕が狙えば獲物が逃げていくよ。 そんな僕も15歳。成人の年になる。 何もない田舎から都会に出て仕事を探そうと考えていた矢先、森で倒れている美しい女性騎士をみつける。 こんな人とずっと一緒にいられたらいいのにな。 女性騎士に一目惚れしてしまった、少し人と変わった考えを方を持つ青年が、いろいろな人と関わりながら、ゆっくりと成長していく物語。 になればいいと思っています。 皆様の感想。いただけたら嬉しいです。 面白い。少しでも思っていただけたらお気に入りに登録をぜひお願いいたします。 よろしくお願いします! カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しております。 続きが気になる!もしそう思っていただけたのならこちらでもお読みいただけます。

異世界転生は、0歳からがいいよね

八時
ファンタジー
転生小説好きの少年が神様のおっちょこちょいで異世界転生してしまった。 神様からのギフト(チート能力)で無双します。 初めてなので誤字があったらすいません。 自由気ままに投稿していきます。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

処理中です...