異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた

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本編

言ったそばから何してんだコイツ ルイスSide

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「……ってことで、別に何もねぇからな!? 変な勘違いすんなよ!?」

騎士団宿舎の食堂で、朝から必死な形相を見せる騎士団の同期(つっても年は全然ちがう)で幼馴染で悪友の、ロイ。そしてその隣で大人しく飯を食う獣人の子供ガキ


ロイは昨日 散々、この子供ガキ…マリアがゴブリンの討伐に行ったきり帰ってこないと騒いだ挙句、迎えに行くと言い出し、口だけかと思って流していたら本当に迎えに行き、門が閉まる本当ギリギリに帰ってきた。そんなのは俺の知ってるロイじゃない。いまさらコイツの新たな一面を見ることになるとは、夢にも思わなかった。



ーそして今、コイツが必死に弁明している内容、それはさかのぼるほどもない、たった10分前のこと。

騎士団に入ってから毎朝かかさず、食堂に行く前に、意外と朝が弱いロイを起こすためにアイツの部屋に行っていた。今日もそれは変わらず、いつものごとくノックなんかせずに入った。どうせノックごときじゃ起きねぇし。

だがそれを、今日は……今日だけは、後悔することになるとはな。


◇  ◇  ◇

「だから、俺は何も見てない。見なかったことにするつっただろ」

「だから、そもそもそれが違ぇつってんだよ!」

「さすがに、言ったそばから何してんだコイツ、とは思ったけどまぁ、あれだ。お前らがそれでいいならいいと思うぞ、ホント」

「コイツはっ! 帰るとこもなきゃ、どっか泊まる金もねぇからだったら泊まってけってなっただけであって……」

言っとくけど俺は、何かあったなんて思ってねぇし。さすがに。必死に言い訳するコイツが面白くて、からかってるだけだし。
上半身裸なのはいつも裸で寝てるからその癖で夜中無意識に脱いだ とかだろどうせ。(正解)

「そこで簡単に泊まっていけって言うのかよ」

「時間も時間だったし、あそこで追い出したらそれはそれで問題だろ!?」

「わかったから飯食えよ。仕事前にこの子供ガキと冒険者ギルド行くんだろ?」

「ガキじゃなくてマリアだから!」

「はいはいわかったって。うるさいな」

つかまじでコイツマリア大人しいな。10歳になったばっかって言ってたか?冒険者登録ができる歳とはいえ、物珍しさにキョロキョロチョロチョロしたり、騒がしかったりするもんじゃねえのかよ。


「ロイさん、うるさいよ」

ようやくしゃべったかと思えばそれかよ。しかもこんな子供ガキに怒られてやがるし……。

「マリアは勘違いされたままでいいわけ?」

「良いもなにも本気でそんなこと思ってないよ、この人……じゃなくて、ルイスさん」

「そうなのか!?」

「当たり前じゃん。笑ってるもん。部屋からでてったときですらちょっと笑ってたよ。 それに、本気でそう思ってたら笑えないよ内容が内容だから。ロイさんが慌てまくってるの面白くて言わなかったけど」

「なんで言わねぇの?慌て損だろ完全に!」

「おもしろかったから」

「ひでぇな、恩師に向かって……」

「それは感謝してる。でもそれとこれは別かな」

……本当に10歳なのかと本気で疑うほど、言動が子供らしくないヤツ。

それが俺が抱いた、コイツの印象だった。
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