20 / 27
護衛役が欲しい 02
しおりを挟む「オッサン、いるかー?」
ジュードを筆頭に3人は手馴れた様子で家の中へ入って行く。
アリスも いいのかと悩みつつも置いていかれても嫌だったので着いて行った。
玄関から見える、1番遠い扉をジュードはノックをすることもなく雑に開けた。
「あ?誰がオッサンだ……って、おぉジュードじゃないか。随分と久しぶりだなぁ」
その部屋の中には、筋骨隆々で左眼に眼帯を付けた男がいた。年は四十前後だろう。
顔はもちろん、腕や足など 服から出ている見える部分には古傷がいくつもあった。
彼はこの牧場の経営者で、 名をガリオンと言う。
「従魔契約してぇんだけど、今 何がいる?」
「とうとう従魔持つ気になったのか」
「いや、俺じゃねぇ。契約させてぇのはコイツだ」
「……子供? お前、結婚したのか」
「んなわけねぇだろ。いくつだと思ってんだ」
「冗談だ。 で、この嬢ちゃんが従魔契約するっていうのか」
「あぁ」
「…………………」
無言のままガリオンの視線がアリスを上から下まで何回も往復する。
「嬢ちゃん、名前は?」
「………アリス」
意外にもガリオンはしゃがみこみ、目線の高さをアリスに合わせながら話しかけてきた。
「従魔を契約したいのは、自分の意思か?」
「うん。好きなの選んでいいって言われてる」
「……そうか。
嫌々ってわけじゃないみたいだし、いいぞ。何がいい?」
「まずは 護衛に役立ちそうな魔物を10~15。あとは愛玩系を何種類か見せてほしい」
「わかった。用意しよう。手伝え」
「あぁ」
◇ ◇ ◇
「………ライム。 とりあえずこの魔物だらけの牧場の説明、ちょうだい」
ガリオンとジュードは話をしながら部屋を出ていってしまった。
ここでようやく、アリスは疑問を口にすることが出来たのだった。
「説明しようと思うと長くなるから簡単に言うけど、従魔が欲しけりゃここに来いって場所だよ」
「………うん?」
簡単に説明しすぎだろう、とアリスは首を傾げるが、ライムにはそれ以上説明をする気がないことが見て取れた。
ならば、とレオンハルトにさらなる説明を求めようとアリスは視線を動かした。
「細かいことは気にしなくていい。気に入る魔物が見つかるといいな」
「はーい……」
だがしかし。 これ以上の説明をするつもりがないのはレオンハルトも同じだった。
気にするな、と言いながら頭を撫でられてしまえば、それ以上の質問はできなかった。
207
お気に入りに追加
7,358
あなたにおすすめの小説
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
森だった 確かに自宅近くで犬のお散歩してたのに。。ここ どこーーーー
ポチ
ファンタジー
何か 私的には好きな場所だけど
安全が確保されてたらの話だよそれは
犬のお散歩してたはずなのに
何故か寝ていた。。おばちゃんはどうすれば良いのか。。
何だか10歳になったっぽいし
あらら
初めて書くので拙いですがよろしくお願いします
あと、こうだったら良いなー
だらけなので、ご都合主義でしかありません。。
転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~
桜月雪兎
ファンタジー
祖父に勘当された叔父の襲撃を受け、カイト・ランドール伯爵令息は幼い弟妹と幾人かの使用人たちを連れて領地の奥にある魔の森の隠れ家に逃げ込んだ。
両親は殺され、屋敷と人の住まう領地を乗っ取られてしまった。
しかし、カイトには前世の記憶が残っており、それを活用して魔の森の開墾をすることにした。
幼い弟妹をしっかりと育て、ランドール伯爵家を取り戻すために。
異世界でのんびり暮らしたい!?
日向墨虎
ファンタジー
前世は孫もいるおばちゃんが剣と魔法の異世界に転生した。しかも男の子。侯爵家の三男として成長していく。家族や周りの人たちが大好きでとても大切に思っている。家族も彼を溺愛している。なんにでも興味を持ち、改造したり創造したり、貴族社会の陰謀や事件に巻き込まれたりとやたらと忙しい。学校で仲間ができたり、冒険したりと本人はゆっくり暮らしたいのに・・・無理なのかなぁ?
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる