幼女に転生したらイケメン冒険者パーティーに保護&溺愛されています

閑話01◇子供を拾った。

【レオンハルトSide】


──子供を、拾った。




街から街へと移動している途中、
良くも悪くも見晴らしのいい草原に、その子供はいた。

最初に見つけたのはジュードだった。急に魔物が1箇所に集まりだしているのを見つけたついでに、見つけたらしい。

そのときにはすでにその子供の周りにはレッドウルフが数匹 周りを囲んでいた。

レッドウルフはそんなに強い魔物ではないとはいえ、10歳になるかならないかくらいの小さな子供からしたら恐怖を覚えるには十分な存在だろう。

何か二言三言……ライム曰く、何か魔法を発動させようとしたらしいが…… しゃべったあと、頭を抱えてしゃがみこんだのがわかった。

視界を自ら塞いでくれたおかげで子供に残酷な光景を見せずに済んだことは、レオンハルトたちにとって幸いだった。


レッドウルフは俺とジュードの剣、それからライムの魔法によってあっという間に始末された。



【ジュードSide】

──子供を、拾った。




魔物は多くないけど少なくもない。
そこまで強い魔物はいないけど、子供でも倒せるほど弱くない。
木など遮るものもないただ広いだけの草原に、その子供はいた。

急に1箇所に魔物が集まりだした気配に気づき、探ってみれば人間の気配が混じっていた。
それで慌てて駆けつけたら、そこには1人の子供がいた。

──魔物は俺たちにとっては大したことなくて、あっという間に始末した。


聞けば1人だと言うから、置いて行くことなどできるわけもなく、街までは一緒に行くことになった。

緊張か不安か、両方か。
とにかく子供……改め、アリスは大人しかった。
……最初は。最初だけは。


1日もすればアリスはなぜか俺にだけやたらと文句を言ってくるようになった。

相変わらずレオやライムには子供らしくない気を使っている。
なのに俺にはそれがない。

子供らしさがまるでないわけではないとわかったから、それはそれでいいような気がした。


【ライムSide】

──子供を、拾った。



可愛い子供を、拾った。


一言目に 可愛い、抱っこしたい と思ったことをそのまま口にしてしまったせいで、すごく警戒心を持たれちゃったけど。

だって、しょうがないじゃん。可愛かったんだから。
レオにもジュードにもまったく理解してもらえないけど、可愛いは正義だよね。



とりあえず街まで一緒に行くことになった。
まぁここで  ｢じゃあこれからは気をつけて……｣ なんてなるわけないから、当然の流れ。


アリスは1番最初に、ジュードと仲良くなった。
俺やレオには遠慮がちに言ってくるくせに、ジュードだけには遠慮なんてものは欠片も見せずにズバズバ言い返す。

似たもの同士だな って思ってたらレオも同じことを思っていたみたいで呆れた顔をしつつも笑っていた。