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第1章
第5話
しおりを挟むえっと、放っておけないって、、、
今言われた言葉が頭の中をぐるぐるする。
「なんか、昔飼ってた子猫みたいなんだよな。雪。」
「こ、こねこ、、、」
なんかなんとも言えない気持ちになる。
「てか、雪の家ここであってる?」
いつの間にか僕の家の前に着いていたようだ。
「えっと、うん。」
僕の部屋の前まで、九条くんは連れてきてくれた。
「雪って一人暮らし?んー、ここって人住めるのか。」
僕が今暮らしているところはもちろんお金が無いのでぼろぼろのアパートだ。
御曹司である九条くんの家はきっと立派だしこんなにボロボロなのが信じられないのだろう。
「す、住めるよ!」
僕は少し怒った感じでぷんぷんしながらいい返すと、
九条くんはぷっと吹きだして、
「やっぱ雪、子猫みたいだ。」
九条くんが笑いながら言った。
僕はその笑顔に胸の奥がきゅっとなった。
「あの、送ってくれてありがとう。色々迷惑かけてごめん。」
「雪、しっかり休むんだぞ。また明日な。」
僕は家の中に入ったあと、布団に入り休むことにした。
さっきの九条君の笑顔が目を瞑っても浮かび上がってきて忘れられない。
どうしよう、好きになっちゃダメなのにドキドキが治まらないよ。
頭の中で昔、お父さんに気持ち悪いと言われた記憶と九条くんの笑顔がまぜ合わさって胸が苦しくて辛くてどうしようもなかった。
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