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第1章
第2話
しおりを挟む僕は男の人が好きだとバレないように、学校の人とはあまり関わらなかったため、友達と呼べる人なんて一人もいなかった。
周りの高校生らしい青春を送っている人たちを見ると虚しくて、悲しくて仕方なかった。
でも僕は遊ぶお金も時間も、友達さえも居ないのだから無理だって分かりきっていた。
もし、あの日自分が隠し通せたなら今でもあの両親の元にいれたのだろうかと後悔している。
きっと今も一緒にいたなら、もっとあの時よりも親は厳しくて、僕は毎日我慢の日々だったかもしれないけれど、実の親に捨てられたという事実はやはり辛くて仕方がない。
毎日夜遅くまで働いている上に、学業に遅れをとらないように勉強にも時間を回すと、睡眠時間はどんどん削られていった。
そんな生活を送っていたため、僕は常に体調が悪かった。
ある日のこと、睡眠不足と食事をまともに取っていないことが原因で朝からいつも以上に気分が悪かった。
学校の廊下をふらふらとおぼつかない様子で歩いていると、反対側から来た人とぶつかってしまった。
「わ、ごめん。大丈夫?」
ぶつかったのは学校でかっこよくて人気者の九条樹くんだった。
「だいじょぶです、、、すみません。」
そう言って僕は立ち上がろうとするが体に力が入らない。
起き上がることができずにいると、
「ひどい顔色だ。保健室まではこぶ。」
と言い、僕を持ち抱えてお姫様だっこの体制で保健室まで歩き出した。
「そんな、、、悪いです。歩きますから。」
と降りようと抵抗するが
「そんな体に力も入らない様子で何を言ってるんだ。これ以上体調が悪化しないように大人しくしていろ。」
僕は本当に限界が来ていたみたいで、体を預け何も出来ないまま、大人しくしていた。
九条くんはかっこよくて、こんなにも密接している状況にドキドキしていた。
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