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第3章 小松聖亜

第19話(現世界)ライバル

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「こらー、起きろー! 大和ちゃーん!!」

 相変わらず煩い奴が来た。
 毎度言っているが、僕は眠い。
 いい加減に寝かせてくれたまへ。

「ふふーん。でも、今日という今日は間に合うようにしてやるっ!」

 布団を引っ張るのをやめたか。
 良い心がけだ。
 というわけで、二度寝しよう。

「それじゃ、ちゃんと起きてね、大和ちゃん!」

 お?
 ドアを締める音までした。
 それまで何やら色々やっていたようだが、そんな些細なことはどうでもいい。
 僕はゆっくり寝かせてもらおう。
 布団を被り直し、深い眠りに落ちる、その直前。


 ジリリリリリリリリッ!
 ピリリリリリリリリッ!
 ピピーッ! ピピーッ!
 僕カシパンマン! 僕カシパンマン!


 相当数の目覚まし時計が一斉に鳴り出した。
 なお、僕の部屋にそんな安眠妨害時計など置いておくはずもない。
 恐らくは榛名の仕業だろう。

(……なかなか心地良い子守歌だ)

 甘いぞ榛名。

 僕ぐらいの朝の弱さを持ってすれば、目覚まし時計の100や200あっても、無駄なものは無駄なのだ。

(……ぐー)

「こらーーーー! 大和ちゃーーーーん!!!」

 くそっ、どんなに時間が経っても、こいつの声だけは耳に届く。
 何とか耐性を作ってくれ、僕の身体。

「んもー! 今日は本当に怒ったぞっ!」


 ドスッ!!


「ぐへぁっ!!」

 腹に……腹に来たっ!

 さすがの僕も目覚める。
 布団の上には、ちょうど腹の部分に跨がる榛名の姿。

「へっへー。さすがに起きたでしょ?」

 まあ、確かに、この衝撃では目覚めるしかない。
 そして、僕の視線は、嫌が応でも、スカートの奥のデルタ地帯に行ってしまう。
 どうあれ男なのだ。
 仕方のないことなのだ。
 相手は兄弟にも似通った幼なじみであったとしても。
 そこが見えるなら、見てしまう。
 榛名も、その視線に気づいたのか、慌ててスカートで隠す。

「……もう、大和ちゃんのエッチ」

 まんざらでもないのか、顔を赤らめ、頬を両手で押さえ、首を小さく横に振る。

「……ま、とりあえず起きるからどいてくれ」

「あ、うん」

 この空気に流されまいと、あえて払拭する。
 そして、時計を見て、更にお茶を濁す。

「はは、これまたいい時間だ」




 ◆ ◆ ◆




 相変わらずの教室。
 僕の隣にいる榛名が突っ伏しており、目の前では鉄アレイを持って筋トレに励む慶太。
 そして、後ろでくっついている長山。

 だが、変わった点が1つ。
 僕の右腕に、委員長がくっついていることだ。

「あのー、委員長?」

「あ、杏奈って呼んで……?」

 そう言われても、なかなか呼びづらい。
 今まで「委員長」と呼んでいたことだけが原因ではない。
 むしろ、要因の最たるものは。

「杏奈、ちょっと近い」

「そ、そんなことない。私と大和君の距離は、前からこのくらいだよ」

 女の戦いが勃発している。
 いや、マジで怖い。

「わ、私は大和君に告白したんだもん」

「……そうなの? 大和」

「あ、えっと、はい」

「はっきりしなさい!」

「はい、その通りです!」

 渇を入れられ、思わず軍隊ばりに答える。


 まぁ、しかし……
 僕自身もちょっと信じられないでいた。

(僕は、あの委員長から告白されたんだよな……)

 初めての体験。
 しかも、相手が委員長というのは、僕の人生において、なかなかのハプニングと言っていいだろう。
 もちろん、良い意味で、だけど。


「へぇ……杏奈、告白したんだ?」

「そ、そうだよ」

 視線をパチパチと交える2人。
 長山の目つきは鋭いが、委員長の目は少し垂れ目で迫力がない。

 それでも、意志力では負けてないところが、すごいと思う。
 そんな目線……
 もとい眼戦が繰り広げられる。


 永い永い5秒が経過すると。

「ふぅん……」

 ようやく終了する。
 そして、長山が笑いながら一言。

「やるわね、杏奈。でも、私も負けないんだから!」

 と、言って飛ばした。
 委員長も、ようやく笑顔を見せ。

「う、うん。李奈は、恋のライバル」

 そう言って、無事に元の鞘に収まったようだった。

 安堵の息が漏れるが、同時にすごいとも思う。
 2人とも、本当に仲が良いんだな。
 普通、ライバルなんて出来た日には、大変なことになるだろう。

 長山の気持ちを知りながらも、気持ちを打ち明けてくれた委員長。
 しかし、長山の立場からすれば、裏切り行為とも言える。
 そんな背信的とも言える行為すら許容する、長山の器。
 そしてなにより、2人の仲。
 本当にすごいと思う。

「しかし、杏奈にはしてやられたなぁ。まさかここで告白だなんて」

「せ、先手必勝だもん」

「そうだね。私がマゴマゴしてたのが悪い」

「ふふん」

 大きく胸をそらすところだが、小さい動作になるのが何とも委員長らしい。

「ま、でも負けないよ。杏奈が動いたのなら、私もうかうかしてられないもん。ね、大和っ!」

 そう言いながら、後頭部に胸を押しつけてくる。
 くそっ、こいつ男心が分かってるじゃねぇか……!

「ま、負けない……」

 顔を真っ赤にしながら、右腕に身体を密着させてくる委員長。
 当然、あのふくよかな感触が腕に伝わる。
 くっ、委員長も天然ながら、男心をくすぐる……!


「や~ま~と~?」

「お、おう、榛名……」

 そういえば、さっきまで倒れていたこいつの存在を忘れていた。
 2人きりの時以外は、呼び捨てするのも忘れていないようだ。
 うむ、偉いぞ榛名。

「鼻の下伸びてる」

「ま、お前には関係無いことだ」

「何それ、ひどくないー?」

「目覚まし時計だしな」

「えー、大和から見た私って、目覚まし君でしかないの?」

「何を今更」

「ぶーぶー」

 ぶぅたれる榛名。
 そんなものは関係無しと、つっけんどんにする僕。
 その様子を見て、何故か嫉妬の目で見る女子2人。

「くっ……時間の差は、そうは埋まらないということか」

「く、悔しい……」

 いやいや、何だその反応は。
 これのどこが羨ましいのか。
 だが、確実に嫉視している。
 一触即発ではないが、どこで爆発するか分からない空気が包む中。

「はい、席についてー」

 沢本先生が入ってくると同時に、全員がスパッと席に着く。

(グッドタイミング! 助かったよ、先生)

 ようやっと、いつも通りの日常が始まったのだった。




 ◆ ◆ ◆




「や、大和君の掃除当番は私がやる」

「杏奈は委員長なんだから、いつも掃除当番でしょ? 代わったことにはならないから、私が代わるわ」

「わ、私が2人分働けば問題無い」

「それは無理よ。杏奈は2人にはなれないんだから。だから、素直にその箒を渡しなさい」

「それは李奈のお願いでも聞けない」

 何やら再び勃発する戦争。
 僕の掃除当番をめぐって、小さな女の戦いが繰り広げられる。
 何でこうなるのか、理解に苦しむが……
 ここは、とりあえず仲裁に入るしかあるまい。

「まぁ待て、2人とも」

「ここは口を出さないのが男の使命というものよ?」

「だ、男子禁制」

 委員長までそんなこと言うのか。
 ちょっと意外だったが、ここで引き下がるわけにもいかない。

「とりあえず、話を聞け。僕は、掃除当番をサボる気は無い。代わってもらう気もない。その意志は全くの無視なのか?」

「えっ、そうなの?」

 あっけらかんと言う長山。
 同時に、2人から感嘆の息が漏れる。
 前にもこう言ったはずなんだがなぁ……
 っていうか、そこまで感心されると、逆に僕の立場が無いっす。

「……なるほど。その意志は尊重する。でも、将来の旦那様にお掃除なんてさせられない!」

「こ、恋人にお掃除なんて……!」

 こら、2人揃って好き勝手言うな。
 長山との婚約をした覚えも無いし、悪いが委員長への返事だってまだなんだぞ。

「まあ、待て待て。2人の気持ちも嬉しい。だから、ここはどこか落としどころを探そう」

「落としどころねぇ……」

 訝しげに見る長山。
 対して、心配そうに見つめる委員長。
 うーん、この対照的な視線……
 嫌いじゃない。

「まず、委員長は仕事だから掃除はやってもらおう。それはいいかな?」

「は、はい」

「んで、僕の代わりといっても、僕自身は代わってなど欲しくない。だから、長山には自主的に掃除をやってもらう。それでいいか?」

「うーん……ま、内容で勝負すればいいってことか」

 よく分からないが、納得してくれたようだ。

「よし、もういいだろ?」

「さすが大和、頭良いね!」

「お、大岡越前みたい」

 いや、誰でも思いつく折衷案だろう。
 むしろ幼稚なレベルだと思うんだが。
 っていうか、委員長。
 それは褒め言葉なのか?

「ま、とりあえず揉め事は終わりだ、終わり。ほら、さっさと掃除済ませるぞ」

「了解ー!」

 嬉々として掃除を始める、長山と委員長だった。




 ◆ ◆ ◆




 掃除は、完璧な流れで進められた。
 長山・委員長ペアは、やはり相性が良いようで。
 あまりのスムーズな掃除に、僕の出番など全く無かった。

(いや、違うか……)

 2人は、僕に掃除をさせないために、無意識のうちに流れを作っていたのだ。
 普通は、そこまでするか? と言いたいところだが……

(そこまでしてくれる女の子が2人もいるって、幸せすぎることだよな……)

 そう思いながら、今日も剣道場に向かった。
 当然、共に掃除を終わらせた長山も、満面の笑みを浮かべながら一緒にいる。

「えへへー」

 2人きりの時は、たまにこうしただらしない笑顔が見れる。
 何ともかわゆい。

 しかし、剣道場に入る時ともなると、態度は一変。
 凛とした表情になり、一礼して中へ入場した。

 中では、既に面と小手以外全てつけた部長が素振りをしている。
 僕らに気づくと、近寄ってきた。

「あれ、今日は休みって伝えてなかった?」

「……そうでしたっけ?」

「うん、そうだよ大和。知らなかったの?」

 長山も知っていたのか。
 って、待てこら。

「長山、知ってて何でここまで黙ってついてきたんだ?」

「私は、旦那様の行きたい場所についていくだけだもの」

「……休みだと知ってたら来なかったんだがなぁ」

「そっか、ごめんね。そこまで気づかなかった」

 言葉は平坦だが、かなり悔しそうな顔をしている。
 気が利かない女だと、自責の念に駆られているのだろうか。

「ま、でも部長に会えたし、いいじゃないか」

「う、うん」

 妙なフォローになってしまったが、少しは納得してもらえただろうか。
 一方の部長は、ニヤニヤしている。

「うーん、2人の恋路の邪魔をする気は、毛頭無いんだけどなぁ」

「いやいや、そういうんじゃ無いですってば」

「おんやー、いいのかな葛城少年? 正に、君にぞっこんな女の子を前にしてそんなこと言って」

「あっ……」

 確かに、不用意な発言だと気づく。
 長山を見ると、目尻に僅かながら涙を浮かべていた。

「ほらほら。部活休みなんてそんなに無いんだから、償いぐらいはしてきなさい」

「で、でも……」

「あの、ちょっと聞いてもいいですか?」

 僕が部長にしてやられている中、長山が間に入る。

「どうした、長山ちゃん」

「今日、部活はお休みですよね?」

「うん、そうだよ」

「じゃあ、何で部長はいるんですか?」

「それは何て言うか……癖、みたいな?」

「部長。新人戦を前にして、練習しないと気持ち悪いんじゃないんですか」


 新人戦。
 地方の大会から始まり、全国大会まで登り詰める機会。

 今まで、雄葉高校剣道部の成績は不振だった。

 しかし、部長が1年生で入ったその年から、県大会までは順調に行けるようになった。
 その翌年、全国大会まで進んだのは、僕の記憶にも新しいところだ。

 今年は特に、3年生の練度、2年生でも長山を始めとしたホープが数多く揃っている。
 今年こそは全国大会制覇。
 それが現実として見えているのだ。

 しかし、そんな時代の、部長という立場。
 その肩には、重圧がのし掛かっているのは、想像に難くない。

 そうか。
 僕自身は、応援という立場になることが確定しているから、あまり気にしなかったけれど……
 小さな身体の部長には不釣り合いなほどのプレッシャーがあるんだろう。


「…………あはは、そんなことないって」

「無理しなくてもいいんですよ? 何なら私、稽古に付き合います」

「それはいいよ。せっかくの2人のデート、邪魔したくないもん」

「でも、休みなのに自主的に練習する部長を置いて行きたくないです」

「もう、長山ちゃんはお堅いなぁ。君も何か言ってやりなさい、葛城君」

「はぁ、じゃあ遠慮なく……」

 一呼吸空ける。
 長山が、必死に目で訴えている。
 分かってる、と小さく頷いて応えた。

「僕も稽古付き合いますよ。長山もやるだろ?」

 その言葉に、長山の表情がぱぁっと明るくなる。
 対して、小さくため息を漏らす部長。

「まったく……休むのも練習の一環だって分かってるのかしらね。それも含めて、先生が休みにしたのよ?」

「その言葉、そっくり返しますよ?」

「私は普段サボってるから、このくらいでちょうどいいの」

 その言葉は嘘だと言うしかない。
 誰よりも早く道場を開け、雑巾掛けをし、終わったらすぐに着替えて素振りをしている部長。
 今の部長の実力は、とどのつまり、その心がけと、不断の努力が実ったに過ぎない。

「さて、着替えようぜ長山!」

「あ、こら葛城少年!」

「はいはい、部長。少しだけ待っててくださいねー」

「……んもう、君らには負けたよ。好きにしなさい」

「もとよりそのつもり!」

 僕らは、意気揚々と更衣室に入っていった。
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