魔王たまの伝説

 魔王の元に集まる万を越す軍勢の魔王軍。

 その息吹は絶対零度、アイスドラゴンのドラ
 腕の一振りで灰燼と化す、アースゴーレムのゴレ
 なんでも溶かす原初の炎、サラマンダーのサラ
 水を自在に操る知恵の探求者、セイレーンのセイ
 魔界屈指の実力者、彼女達をまとめて四天王と呼ぶ。

 彼らをまとめるのは元魔王。膨大な魔力と魔法を操る奇跡、ヴァンパイア王、ヴァン

「魔王様、就任式です。さぁ、この服を着て愚民の前に姿をお見せください」
 ヴァンにそう言われ、魔王はよきにはからえと言うように寝起きの目を擦って、腕を伸ばす。
「はっ、お着替えをさせていただきます。何という至福、愛らしい魔王様のお着替えを手伝えるとは!」
 そして元魔王のヴァンは服を着替えさせて、よくお似合いですと頷いた。

 魔王様はゆっくりと魔王城のバルコニーに向かい、城を囲む万の魔物に声をかける。

「にゃぁーん」

うぉぉぉぉ!!!

 魔物達が歓喜の声を上げる。
「かわいいいいい!!!」
「魔王様!!!こっちを向いて!!!」
「魔王様、可愛いよ、可愛いよ。ハァハァ」

第三百五十九代目、魔王。
猫のたま

今、最強の魔王軍が動き始める。
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