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第一章 女子校追放、聖ヴァレリー女子校へ転入
第11話 難問を解くコツ
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「この問題、それではミーシャさん解いてみて」
「はい」
ホワイトボードにずらずら書かれた公式。前世の私なら逆ギレして
「わかるか!」
と叫んだであろう数式群に、私は「はい」と答えて余裕の表情でホワイトボードの前に立つ。
あとは頭に思い浮かぶ数式をそのまま書くだけだ。
数式の意味は考えてもよくわからない。
「じゃあ解説よろしくね」
「はい、まずここが標準シグモイドにならずソフトマックスになっているのは、この命題の場合勾配消失のおそれが高いため……」
答えようとすると最適な返事が頭に浮かんでくる。私はこの身体での勉強のコツを掴んだ。全ては流れに身を任せ、考えないだけでいいのだ。
ゲームの選択肢に正解ルートが目立つ色になってるようなゲームあるよね。
そっちを選べば正解なのはわかるけど、なぜこの選択肢を選ぶのが正解なのかは良く解らない。そんなことない?
王子に最初に会ったときに、『頬を殴りつける』と『丁寧に臣下の礼をする』と言う選択肢があったとして、正解は『頬を殴りつける』が正解の強調だったとしよう。
殴りつければ一歩間違えば絞首台。
どんなイカれた世界からようこそしてきたんだよって行動でも、そこはゲームのご都合主義。
「ハッ、私は……これは、強い衝撃を頬に受けるまで蝕み続ける呪い?」
どれだけ不自然でも、考えてもわからなくても、正解はビンタなのだ。
ミーシャはミーシャ脳の活かし方。
難問を解くコツを掴んでいた。
何も考えず、頭を空っぽに。
正解はこっちだと解答が解る謎能力を持ったミーシャ脳に感謝しながら、ホワイトボードに答えを埋める。
だが……
「あらあら、ここケアレスミスよ?」
ケアレスミスが必ず出る。
何度見直しても出てくる。
愛され系主人公には欠点がある。
何でもできる一点特化の攻略対象が多いため、私はどうしても一番にはなれないのだ。
本編に関係ないためエピソードが省略されているが、勉強も体力も武道も何でもそつなく全国トップレベルでできる超優等生美少年。
ただ周りに天才が多く、あまり目立たないのと、
数学は数式を解き続けるようなイケメンがいるし、語学はマルチリンガルのイケメン。運動はプロスポーツにスカウトされるようなイケメンがいるし、武道もクマを素手で殴り殺せるようなのがいる。
そしてナギはバランス型。
私が世界の選択肢を操れるとしても彼らの得意分野で彼らを超えてはならないというバランス調整が入ってるのかもしれない。
「ミーシャ、どうしたの?」
ナギがまた休憩で私のそばへ走ってきた。ハシゴ移動便利だなー。
ふと考える。
私もできる?
《できるよ》
できそうな気がしてきた。
「ナギの来てるハシゴ。登り降りするのきつい?」
「はい」
ホワイトボードにずらずら書かれた公式。前世の私なら逆ギレして
「わかるか!」
と叫んだであろう数式群に、私は「はい」と答えて余裕の表情でホワイトボードの前に立つ。
あとは頭に思い浮かぶ数式をそのまま書くだけだ。
数式の意味は考えてもよくわからない。
「じゃあ解説よろしくね」
「はい、まずここが標準シグモイドにならずソフトマックスになっているのは、この命題の場合勾配消失のおそれが高いため……」
答えようとすると最適な返事が頭に浮かんでくる。私はこの身体での勉強のコツを掴んだ。全ては流れに身を任せ、考えないだけでいいのだ。
ゲームの選択肢に正解ルートが目立つ色になってるようなゲームあるよね。
そっちを選べば正解なのはわかるけど、なぜこの選択肢を選ぶのが正解なのかは良く解らない。そんなことない?
王子に最初に会ったときに、『頬を殴りつける』と『丁寧に臣下の礼をする』と言う選択肢があったとして、正解は『頬を殴りつける』が正解の強調だったとしよう。
殴りつければ一歩間違えば絞首台。
どんなイカれた世界からようこそしてきたんだよって行動でも、そこはゲームのご都合主義。
「ハッ、私は……これは、強い衝撃を頬に受けるまで蝕み続ける呪い?」
どれだけ不自然でも、考えてもわからなくても、正解はビンタなのだ。
ミーシャはミーシャ脳の活かし方。
難問を解くコツを掴んでいた。
何も考えず、頭を空っぽに。
正解はこっちだと解答が解る謎能力を持ったミーシャ脳に感謝しながら、ホワイトボードに答えを埋める。
だが……
「あらあら、ここケアレスミスよ?」
ケアレスミスが必ず出る。
何度見直しても出てくる。
愛され系主人公には欠点がある。
何でもできる一点特化の攻略対象が多いため、私はどうしても一番にはなれないのだ。
本編に関係ないためエピソードが省略されているが、勉強も体力も武道も何でもそつなく全国トップレベルでできる超優等生美少年。
ただ周りに天才が多く、あまり目立たないのと、
数学は数式を解き続けるようなイケメンがいるし、語学はマルチリンガルのイケメン。運動はプロスポーツにスカウトされるようなイケメンがいるし、武道もクマを素手で殴り殺せるようなのがいる。
そしてナギはバランス型。
私が世界の選択肢を操れるとしても彼らの得意分野で彼らを超えてはならないというバランス調整が入ってるのかもしれない。
「ミーシャ、どうしたの?」
ナギがまた休憩で私のそばへ走ってきた。ハシゴ移動便利だなー。
ふと考える。
私もできる?
《できるよ》
できそうな気がしてきた。
「ナギの来てるハシゴ。登り降りするのきつい?」
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