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第一章 女子校追放、聖ヴァレリー女子校へ転入
第03話 攻略対象メイド美少女のナギ
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「ミーシャ、次の学校はここだよ」
祖父が学校紹介の冊子を出し、私はそこに目を落とす。ゲーム通り、転校先も女子校なのだ。
「あの、お爺様、お父様。私は男だから今の女子校を追い出されたのですよね。男子校の方が良くありませんか?」
「「ミーシャ、鏡を見なさい」」
腰まで伸ばした綺麗な癖のないストレートにロイヤルパープルの髪。
大きな目は髪色をやや淡くしたような色合いで、睫毛も長く整った顔立ちをしていた。
元々みかんやイチジクの居る女子校でも男だとバレないまま数ヶ月過ごしてきて違和感なく女子校に混ざれる容姿。
転生したからこそわかる。ゲーム特有の現実の男には見えない美少女キャラデザに裏付けられた姿が鏡の中に居た。
「ミーシャを男子校に入れるなんて考えられない。飢えたハイエナの群れに極上のハムを投げ込むようなものだ」
「うむ、男は獣だ。可愛いミーシャに襲いかかるに違いない」
祖父と父は頷きあう。
元々過保護な所もある祖父と父は真剣な顔で話し合っている。
ゲームだとここで攻略対象の一人目が出てくる。恋愛シミュレーションの幼馴染キャラのようなもので、好感度が最初から最大に近いが、攻略するのは割と難しいというポジションのキャラである。
「ミーシャ、ヴァレー家は同じ失敗はしない」
女子校に入れようとしてますけどね。
「ミーシャ。なぜ問題になったのか解るかい?」
男を女子校に入れたからだと思いますけど。
その言葉をぐっと飲み込んで首を横に振る。
「フォローする人が居なかったからだ。今回は分家、ヴァレーグループの中でも大きいグループのヴァレリー家が理事長を勤める学園だ。大抵の事は揉み消せる」
ゲームの進行によってはそのヴァレリー家に裏切られ、民衆に叩かれヴァレーグループが乗っ取られるルートもあるけどね
その場合資産を抑えられ貧困生活に入る。
一部のニーズを満たすための男娼ルートもある。そのルートはご遠慮したい。
「そしてサポートも用意した」
父がそう言うと、失礼しますと一人のメイドが入ってくる。
「お久しぶりです、ミーシャお嬢様!」
メイド服を着た背の高いキリッとした顔立ちの男装が似合いそうな美しい女性。
「このナギ=ヴァレリーがお嬢様をサポートさせていただきます」
ヴァレリーの姓で解るように、転校先の理事長の息子であり、私の親戚である。
関係から言うと、祖父の弟の孫になる。
「久しぶり、ナギ!そのメイド服は?」
ナギは顔を上げ、そこで初めて私の顔を見る。
ナギは私の顔をマジマジと見て、ゆっくりと顔を赤く染めた。
「ナギ君、どうかね?ミーシャとはうまくやっていけそうかな?」
そう言って父が不敵にニヤニヤとしながら言った。
「ミーシャを男子校なんてとんでもない!解りました。このナギ=ヴァレリーがミーシャお嬢様を全力でサポートさせて頂きます!」
祖父が学校紹介の冊子を出し、私はそこに目を落とす。ゲーム通り、転校先も女子校なのだ。
「あの、お爺様、お父様。私は男だから今の女子校を追い出されたのですよね。男子校の方が良くありませんか?」
「「ミーシャ、鏡を見なさい」」
腰まで伸ばした綺麗な癖のないストレートにロイヤルパープルの髪。
大きな目は髪色をやや淡くしたような色合いで、睫毛も長く整った顔立ちをしていた。
元々みかんやイチジクの居る女子校でも男だとバレないまま数ヶ月過ごしてきて違和感なく女子校に混ざれる容姿。
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「ミーシャを男子校に入れるなんて考えられない。飢えたハイエナの群れに極上のハムを投げ込むようなものだ」
「うむ、男は獣だ。可愛いミーシャに襲いかかるに違いない」
祖父と父は頷きあう。
元々過保護な所もある祖父と父は真剣な顔で話し合っている。
ゲームだとここで攻略対象の一人目が出てくる。恋愛シミュレーションの幼馴染キャラのようなもので、好感度が最初から最大に近いが、攻略するのは割と難しいというポジションのキャラである。
「ミーシャ、ヴァレー家は同じ失敗はしない」
女子校に入れようとしてますけどね。
「ミーシャ。なぜ問題になったのか解るかい?」
男を女子校に入れたからだと思いますけど。
その言葉をぐっと飲み込んで首を横に振る。
「フォローする人が居なかったからだ。今回は分家、ヴァレーグループの中でも大きいグループのヴァレリー家が理事長を勤める学園だ。大抵の事は揉み消せる」
ゲームの進行によってはそのヴァレリー家に裏切られ、民衆に叩かれヴァレーグループが乗っ取られるルートもあるけどね
その場合資産を抑えられ貧困生活に入る。
一部のニーズを満たすための男娼ルートもある。そのルートはご遠慮したい。
「そしてサポートも用意した」
父がそう言うと、失礼しますと一人のメイドが入ってくる。
「お久しぶりです、ミーシャお嬢様!」
メイド服を着た背の高いキリッとした顔立ちの男装が似合いそうな美しい女性。
「このナギ=ヴァレリーがお嬢様をサポートさせていただきます」
ヴァレリーの姓で解るように、転校先の理事長の息子であり、私の親戚である。
関係から言うと、祖父の弟の孫になる。
「久しぶり、ナギ!そのメイド服は?」
ナギは顔を上げ、そこで初めて私の顔を見る。
ナギは私の顔をマジマジと見て、ゆっくりと顔を赤く染めた。
「ナギ君、どうかね?ミーシャとはうまくやっていけそうかな?」
そう言って父が不敵にニヤニヤとしながら言った。
「ミーシャを男子校なんてとんでもない!解りました。このナギ=ヴァレリーがミーシャお嬢様を全力でサポートさせて頂きます!」
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