8 / 40
第1章 Ⅱ節 反撃
Ⅱ節 反撃 2
しおりを挟む
2
ふたりは追ってきた歩兵が、先ほど駆けてきた道に残る馬蹄の跡を辿って来ることを予測していた。その上で、敢えて足跡を消すことはせず、追っ手を森の奥へと呼び込んだ。
加えて、7頭の馬たちを別々に森中に駆けさせ、陣営近くに餌をチラつかせて、森へのさらなる兵力投入を強いた。元々が掃討するための部隊であったので、餌には容易く食い付き、ぞろぞろと掃討部隊の歩兵が森へと入っていった。より巧妙にするため、追いかけてきた歩兵部隊が次の馬を発見するように馬を置き、断続的な出陣を余儀なくさせた。
また、7頭の馬は捨て駒に使ったのではなく、後々再利用することを念頭に置いている。これはファルシールの持つ馬を操る技術あってのもので、一度逃がした馬を呼び戻す符号を指笛で吹くと馬が戻ってくる、という騎馬を誇るシャリムならではのお家芸であった。キースヴァルトの馬にも共通して使える所が幸いした。
次に、西のへリシア山脈に隠れていた半月のおかげで山の影にすっぽり入っていたホスロイの町が、外の森と比べて暗くなっていた事で、ホスロイで何かが起こっても、すぐには気づかないことを想定して、ふたりは作戦とも言えない悪巧みを実行するためホスロイ郊外の茂みに伏せていた。
この悪巧みの成功には、相手が勝者で余裕綽々としている事が重要になる。与一たちは武器らしい武器を持っておらず、唯一あるのは少年の短剣だけである。心許なさを埋めるだけのものはそれだけだ。しかし、この悪巧みに武器は全く要らない。
与一は茂みの隙間からキースヴァルトの陣の様子を窺っていた。
「そなた、このような策を本当にやるのか......?」
少年が弱気に聞いた。
「今さら怖いとか言わないでくれよ。俺も怖いんだからさ」
「いや、余が言い出した事ではあるが......」
「馬はもう走らせてるじゃないか。もう始まってるんだから遅い。流れに乗るしかないんだよ」
与一は強い口調で少年を窘めた。
とは言っても、与一自身も不安を拭えないでいた。
サバゲーとは違い、やられたらヒットコールをして安全エリアに"退避"すれば良いわけではなく、永遠にあの世の安全エリアに"退場"する事になる。
死ねば脱出できるというありきたりなオチを考えなかった訳ではないが、斬られてみる訳にもいかない。
だからこそ、この悪巧みには成功の文字しかあり得てはいけなかった。
しかし与一が気掛かりなのは少年の方だった。
与一は横にいる少年を小突いた。
少年は小さくビクついた。
「ガチガチに固まってるじゃないか」
「う、うるさい」
少年が悪巧みの鍵となるのは言うまでもない。それが緊張に固まっていては、見ていて先行きが不安になる。
与一は気を紛らわせるために、少年に話題を振った。
「なあ」
「......なんだ」
「あんた何で助けに来るやつのことを英雄とか救世主とか呼ばずに"賢者"なんて呼ぶんだ?」
少年は与一の魂胆を理解して余計なお世話だ、と一蹴したかったが、与一の不安も理解できたので、自分の緊張を解くためにも与一のフリに応えることにした。
「......皇国の古い言い伝えだ。古い昔、初代皇帝アル=シャースフがまだ辺境のいち遊牧民の部族長の末弟であった時、部族が異郷の者の侵略によって危機に瀕したことがあった。出征した兄弟たちはことごとく敗れ去り、部族の集落は敵に囲まれた。その時、アル=シャースフが主神ムクシュ=ハードに願い申し上げた。我に部族を救うだけの力を、と。主神はアル=シャースフの願いにお応えになり、1人の賢者をお遣わしあそばされた。以降、賢者はその智謀を以てアル=シャースフを助け、最後には地上の覇者として皇帝にまで押し上げたという」
「うわぁ賢者すげえ......」
(三国志で言うところの孔明だな......)
「以降、皇族は危機に瀕した時、主神に請願するという古い習わしがある」
「へえ......でも、それって結構都合良いように使えるって事では......」
「全くもってその通りだ。中には罪を犯して斬首される寸前に請願する者も居たと聞く。賢者が現れれば、処断される者は神の名の許に正義になるのだから」
「一発逆転ってやつだ」
「故に余もそれに習ったということだ。そうしたらそなたのような無礼極まりない不届き者に出くわしたのだがな」
少年は与一を横目で見下した。
「確かに俺は賢者っぽくないが、それにしてもひどい言われようだな」
「事実であろう。その蒼白の薄い身なりからして気持ちの悪い」
少年はここぞとばかりに与一に毒づく。
(......まあいいか。それくらいの余裕が持てたって事で。......傷つくげど)
与一は短くため息を吐いて区切りをつけると、ゆっくりたち上がって後ろに置いていた仕掛けの用意をし始めた。
太めの木の棒に、少年が回収した馬糞を乾燥させたものと小枝の束を、馬の装備から適当に千切った布切れで巻いたものを2本で1対、合わせて9対作っておいた。少年はさすがに馬糞ともなると、いくら馬の世話を心得ているとは言え嫌悪感を露にしていたが、用途を与一が説明すると、納得して渋々手伝った。
頃合いを見計らって少年に合図を出すよう促すと、少年は立ち上がり口元に両手を添えて作った歌口に息を吹き込んだ。
すると甲高いホイッスルのような音が尻上がりに数回鳴り、森の隅々にまで届くかのように反響した。
しばらくすると、森に放った7頭の馬が少年の元へ何処からともなく戻ってくる。歩兵の追撃は馬の足には追い付けないので、森の中を血眼になって探している歩兵部隊の姿は馬の後方には無い。
与一と少年は、慣れないながらも素早く馬たちの頭の部分の馬具に先程の木の棒を1対ずつ括りつけ、各々が自分の馬に乗った。馬はふたりの昂りを感じて少し落ち着かない様子である。少年は「どう、どう」と馬の頭を軽く叩いて諌める。
刻は与一の腕時計で深夜の3時過ぎ。森への歩兵部隊誘きだしを始めてから2時間ちょっとの時分である。
少年は腰に差した短剣を抜き、与一はそこら辺で見つけた長めの丈夫そうな木の棒を構えた。
「準備は?」
少年は右手に持った短剣を己の胸に宛がって、目を静かに閉じた。
「──ムクシュ=ハールドとアムシャ=スぺンテの加護ぞあらん......」
祈りを済ませると、ゆっくりと目を開き、与一の目を見て頷いた。
(整ったな。──んじゃ俺も成功を祈って)
与一は掛け声とともに馬の腹を蹴った。
ふたりは追ってきた歩兵が、先ほど駆けてきた道に残る馬蹄の跡を辿って来ることを予測していた。その上で、敢えて足跡を消すことはせず、追っ手を森の奥へと呼び込んだ。
加えて、7頭の馬たちを別々に森中に駆けさせ、陣営近くに餌をチラつかせて、森へのさらなる兵力投入を強いた。元々が掃討するための部隊であったので、餌には容易く食い付き、ぞろぞろと掃討部隊の歩兵が森へと入っていった。より巧妙にするため、追いかけてきた歩兵部隊が次の馬を発見するように馬を置き、断続的な出陣を余儀なくさせた。
また、7頭の馬は捨て駒に使ったのではなく、後々再利用することを念頭に置いている。これはファルシールの持つ馬を操る技術あってのもので、一度逃がした馬を呼び戻す符号を指笛で吹くと馬が戻ってくる、という騎馬を誇るシャリムならではのお家芸であった。キースヴァルトの馬にも共通して使える所が幸いした。
次に、西のへリシア山脈に隠れていた半月のおかげで山の影にすっぽり入っていたホスロイの町が、外の森と比べて暗くなっていた事で、ホスロイで何かが起こっても、すぐには気づかないことを想定して、ふたりは作戦とも言えない悪巧みを実行するためホスロイ郊外の茂みに伏せていた。
この悪巧みの成功には、相手が勝者で余裕綽々としている事が重要になる。与一たちは武器らしい武器を持っておらず、唯一あるのは少年の短剣だけである。心許なさを埋めるだけのものはそれだけだ。しかし、この悪巧みに武器は全く要らない。
与一は茂みの隙間からキースヴァルトの陣の様子を窺っていた。
「そなた、このような策を本当にやるのか......?」
少年が弱気に聞いた。
「今さら怖いとか言わないでくれよ。俺も怖いんだからさ」
「いや、余が言い出した事ではあるが......」
「馬はもう走らせてるじゃないか。もう始まってるんだから遅い。流れに乗るしかないんだよ」
与一は強い口調で少年を窘めた。
とは言っても、与一自身も不安を拭えないでいた。
サバゲーとは違い、やられたらヒットコールをして安全エリアに"退避"すれば良いわけではなく、永遠にあの世の安全エリアに"退場"する事になる。
死ねば脱出できるというありきたりなオチを考えなかった訳ではないが、斬られてみる訳にもいかない。
だからこそ、この悪巧みには成功の文字しかあり得てはいけなかった。
しかし与一が気掛かりなのは少年の方だった。
与一は横にいる少年を小突いた。
少年は小さくビクついた。
「ガチガチに固まってるじゃないか」
「う、うるさい」
少年が悪巧みの鍵となるのは言うまでもない。それが緊張に固まっていては、見ていて先行きが不安になる。
与一は気を紛らわせるために、少年に話題を振った。
「なあ」
「......なんだ」
「あんた何で助けに来るやつのことを英雄とか救世主とか呼ばずに"賢者"なんて呼ぶんだ?」
少年は与一の魂胆を理解して余計なお世話だ、と一蹴したかったが、与一の不安も理解できたので、自分の緊張を解くためにも与一のフリに応えることにした。
「......皇国の古い言い伝えだ。古い昔、初代皇帝アル=シャースフがまだ辺境のいち遊牧民の部族長の末弟であった時、部族が異郷の者の侵略によって危機に瀕したことがあった。出征した兄弟たちはことごとく敗れ去り、部族の集落は敵に囲まれた。その時、アル=シャースフが主神ムクシュ=ハードに願い申し上げた。我に部族を救うだけの力を、と。主神はアル=シャースフの願いにお応えになり、1人の賢者をお遣わしあそばされた。以降、賢者はその智謀を以てアル=シャースフを助け、最後には地上の覇者として皇帝にまで押し上げたという」
「うわぁ賢者すげえ......」
(三国志で言うところの孔明だな......)
「以降、皇族は危機に瀕した時、主神に請願するという古い習わしがある」
「へえ......でも、それって結構都合良いように使えるって事では......」
「全くもってその通りだ。中には罪を犯して斬首される寸前に請願する者も居たと聞く。賢者が現れれば、処断される者は神の名の許に正義になるのだから」
「一発逆転ってやつだ」
「故に余もそれに習ったということだ。そうしたらそなたのような無礼極まりない不届き者に出くわしたのだがな」
少年は与一を横目で見下した。
「確かに俺は賢者っぽくないが、それにしてもひどい言われようだな」
「事実であろう。その蒼白の薄い身なりからして気持ちの悪い」
少年はここぞとばかりに与一に毒づく。
(......まあいいか。それくらいの余裕が持てたって事で。......傷つくげど)
与一は短くため息を吐いて区切りをつけると、ゆっくりたち上がって後ろに置いていた仕掛けの用意をし始めた。
太めの木の棒に、少年が回収した馬糞を乾燥させたものと小枝の束を、馬の装備から適当に千切った布切れで巻いたものを2本で1対、合わせて9対作っておいた。少年はさすがに馬糞ともなると、いくら馬の世話を心得ているとは言え嫌悪感を露にしていたが、用途を与一が説明すると、納得して渋々手伝った。
頃合いを見計らって少年に合図を出すよう促すと、少年は立ち上がり口元に両手を添えて作った歌口に息を吹き込んだ。
すると甲高いホイッスルのような音が尻上がりに数回鳴り、森の隅々にまで届くかのように反響した。
しばらくすると、森に放った7頭の馬が少年の元へ何処からともなく戻ってくる。歩兵の追撃は馬の足には追い付けないので、森の中を血眼になって探している歩兵部隊の姿は馬の後方には無い。
与一と少年は、慣れないながらも素早く馬たちの頭の部分の馬具に先程の木の棒を1対ずつ括りつけ、各々が自分の馬に乗った。馬はふたりの昂りを感じて少し落ち着かない様子である。少年は「どう、どう」と馬の頭を軽く叩いて諌める。
刻は与一の腕時計で深夜の3時過ぎ。森への歩兵部隊誘きだしを始めてから2時間ちょっとの時分である。
少年は腰に差した短剣を抜き、与一はそこら辺で見つけた長めの丈夫そうな木の棒を構えた。
「準備は?」
少年は右手に持った短剣を己の胸に宛がって、目を静かに閉じた。
「──ムクシュ=ハールドとアムシャ=スぺンテの加護ぞあらん......」
祈りを済ませると、ゆっくりと目を開き、与一の目を見て頷いた。
(整ったな。──んじゃ俺も成功を祈って)
与一は掛け声とともに馬の腹を蹴った。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。


もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる