389 / 531
最終章
エピローグ メリークリスマス! 後編
しおりを挟む
「はい、正道君、千春ちゃん。クリスマスプレゼント」
「……あ、ありがとう」
「……お、おおきに」
俺と朝乃宮の分まであったのは意外だった。驚きのあまり、返事が上の空になってしまう。
クリスマスプレゼントをもらう日がくるとは、思ってもみなかった。親が離婚してから、クリスマスプレゼントをもらう機会はなくなり、ただ御馳走を食べる日になった。
それがまた、クリスマスプレゼントをもらう事になろうとは。
上春と強に贈るクリスマスプレゼントを購入した時、与える側になったと思っていたのに……まだまだ、俺も子供ってことか。
上春信吾に子ども扱いされたことへの不満と、クリスマスプレゼントを楽しみにしていた子供の頃の懐かしい気持ちがまざり、少し複雑な気分だった。
おっと、感傷に浸っている場合じゃないな。このタイミングを逃すと、絶対に今日中に渡せない。この流れにのるべきだ。
俺も一度リビングを出て、自分の部屋からプレゼントを取り出す。
リビングに入る前に深呼吸し、俺はプレゼントを持ってリビングに入る。
俺のプレゼントは、上春信吾のように袋に入れていない。クリスマス用にラッピングされたものをそのまま手に持っている。
上春と強が俺とプレゼントに視線を送っている。俺は急に恥ずかしくなってきた。
くそっ! どうして、上春信吾は何のテレもなく、プレゼントを渡せるんだ?
ここらへんが父親とガキとの差なのかと思いつつ、二人にプレゼントを渡すことにした。
「上春、強。俺からもプレゼントがある。受け取ってくれないか?」
俺は二人にプレゼントを差し出す。
こみあげてくる恥ずかしさと、プレゼントを拒否されてしまう不安で手に汗が出てきた。
二人はプレゼントを受けとろうとしない。
まだ一、二秒しかたっていないはずなのに、俺には何時間にも感じてしまった。拒絶されてしまったのか、そう思ってしまったとき。
「……ありがとう、あんちゃん」
強は笑顔で、俺のプレゼントを受け取ってくれた。俺は逆にお礼を言いたい気分になった。よかった……受け取ってもらえて。
きっと、俺の機嫌を取る為に受け取ってくれたわけではない。俺を兄として認めてくれて、受け取ってくれたと信じている。
残りは上春だ。
上春は上目遣いで俺を見つめていた。強と俺の手にあるプレゼントを交互に視線を向けている。
「……本当に受け取っていいんですか、兄さん」
「当たり前だ。その為のプレゼントだ。別に無理して受け取ってくれなくてもいい」
俺はつい、ぶっきらぼうに接してしまう。本当は受け取ってほしいのに……不安で仕方ないのに。
上春はおずおずとプレゼントに手を伸ばそうとする。その手つきは不安と期待で震えているように思えた。
俺と上春はつい最近まで喧嘩していた。仲直りしたとはいえ、喧嘩した相手からプレゼントを受け取るのは抵抗があるのだろう。俺だってある。
もしかしたら、受け取ってもらえないのかもしれない。
俺は諦めて、プレゼントを引っ込めようとしたとき、上春と目が合った。上春が泣きそうな顔をしている。
おい! どっちなんだ? 受け取ってくれるのか? とらないのか?
お互い悩んでいると、
「受け取ってあげて、咲ちゃん。正道、女の子にプレゼントしたことないから、不安で怖いのよ」
「やかましい!」
こんなときに限って女は口出ししてくる。しかも、真実なので手に負えない。本当に親って厄介な生き物だ。
俺はなけなしの勇気を集め、上春に告げる、
「上春……俺達は喧嘩ばかりしてきたな。これからも、お互いの意見がぶつかると思う。でも、今日はクリスマスだ。今日くらい野暮はなしにしないか?」
俺は上春の目を見つめ、プレゼントを差し出す。
相手を傷つけてばかりの俺が、自分は傷つきたくないなんて虫のいい話だ。だから、これを機に変わらなければならない。その為の一歩だ。
今はうまくいかなかったとしてもいつの日か、誰かを幸せにできる人になってみせる。
俺一人の力では無理でも、誰かに支えてもらえたら、きっと変われると信じている。
そのための集合体なのだから……。
上春の肩を朝乃宮が優しく手を乗せる。それに勇気づけられたのか、上春は俺のプレゼントを受け取ってくれた。
「ありがとうございます、兄さん」
上春はとびっきりの笑顔を俺におくってくれた。それだけでプレゼントした甲斐があるってものだ。
俺は手を左右に振り、気にするなとジェスチャーをおくる。はぁ……ようやく、厄介事が終わった。
プレゼントも渡せたことだし、後は食事を楽しみたいのだが、まだあと一つ……。
「待ってください、兄さん!」
上春の大きな声に、何事かと全員が注目する。上春が顔を真っ赤にさせ、部屋を出ていった。
何事だ?
上春の行動に唖然としていたが、すぐに上春が戻ってきた。どうしてだろう、デジャブを感じるのだが。
上春は両腕を背中の後ろにまわしている。少し前屈みになり、上目遣いで俺を見つめている上春が、少しかわいいと思ってしまった。
「兄さん。実は私もプレゼントがあるんです。受け取ってくれませんか?」
「……もらっていいのか?」
「はい!」
上春は嬉しそうにプレゼントを差し出してきた。袋にラッピングされたプレゼントをそっと受け取る。
何かあたたかいものが胸の中に湧き上がる。クリスマスプレゼントがこんなにも嬉しいものだなんて、初めて知った。
後でゆっくりと中身を確認させていただこう。
嬉しそうに微笑む上春とは裏腹に、強の表情は曇っていた。強の考えは手に取るように分かる。
自分だけプレゼントを用意できなかったことを悔やんでいるのだろう。
俺はがしがしと強の頭を撫でる。
「来年は期待していいか?」
「……うん!」
強の返事に俺は頬が緩むのを感じていた。
来年があるかなんて分からない。もしかすると再婚がうまくいかなくて離れ離れになる可能性もある。
でも、うまくいく可能性だってあるのだ。だから、来年のことを期待しても鬼が笑う事はないだろう。
さて、これでプレゼント交換は完了……と言いたいのだが、俺のポケットの中にはまだ一つだけプレゼントが残っている。
さっさと渡してしまおう。
「朝乃宮」
「なんですの、藤堂はん。もしかして、ウチにもクリスマスプレゼントくれるん?」
「そうだ」
俺はポケットの中からプレゼントを取り出し、投げ渡す。
朝乃宮はふいのことでも、持ち前の反射神経で受け取る。
普段はすました顔をしている朝乃宮の驚いた顔を見れただけでも、プレゼントした甲斐があっただろう。
一応、朝乃宮も俺達の家族になったんだ。だから、急遽、プレゼントを用意した。
俺が朝乃宮に贈ったものは、ハンドクリームだ。
上春のプレゼントを買いに行ったとき、朝乃宮は手荒れがひどいと言っていた。だから、ハンドクリームを用意したわけだ。
「兄さん、流石です! 珍しく空気読めてます!」
「そうか。それはよかった」
「あわわわわっ!」
俺は上春の頭を鷲づかみにして、そのまま持ち上げた。
やはり、あざとい女を黙らせるのはこの手に限る。決して暴力などではない。
しばらくして、手を離してやると、上春は舌をべえっと出し、朝乃宮の後ろに隠れた。
本当にデジャブをよく感じる日だ。伊藤もいいクリスマスを過ごしていることを祈ろう。
「……おおきに、藤堂はん。ウチもプレゼントせなあきませんね」
「なんだ? 何かくれるのか?」
プレゼントしておいて、受け取らないわけにはいかない。
朝乃宮が何をプレゼントしてくれるのかは想像もつかないが、それも楽しみの一つだろう。
俺は油断していた。
朝乃宮は俺にそっと近づき……。
「!」
俺の頬に何か柔らかいものが触れた。小さな熱と共に、花の香りを感じる。
もしかして、朝乃宮は俺に口づけ……。
「だ、ダメです! この家で破廉恥な行為は禁止事項の一つです!」
上春が大げさに怒鳴っているが、朝乃宮は知らん顔だ。朝乃宮と目が合った瞬間、俺は恥ずかしくて目をそらしてしまった。
く、くそ! 油断してしまった。やはり、朝乃宮は天敵だ。
してやったつもりが、逆にしてやられた結果となってしまった。本当に情けない。
「へえ、やるじゃないの正道」
俺は女の茶化す声を無視し、ぶっきらぼうにこんがり焼けたローストチキンにかぶりついた。
ぱりっとした皮の感触と、柔らかい肉の旨みを味わいながら、気恥ずかしさを紛らわせようとする。
慣れない事はするべきではないな。
そう思いつつ、やかましくて騒がしい家族とのクリスマスを過ごすのだった。
-To be continued-
「……あ、ありがとう」
「……お、おおきに」
俺と朝乃宮の分まであったのは意外だった。驚きのあまり、返事が上の空になってしまう。
クリスマスプレゼントをもらう日がくるとは、思ってもみなかった。親が離婚してから、クリスマスプレゼントをもらう機会はなくなり、ただ御馳走を食べる日になった。
それがまた、クリスマスプレゼントをもらう事になろうとは。
上春と強に贈るクリスマスプレゼントを購入した時、与える側になったと思っていたのに……まだまだ、俺も子供ってことか。
上春信吾に子ども扱いされたことへの不満と、クリスマスプレゼントを楽しみにしていた子供の頃の懐かしい気持ちがまざり、少し複雑な気分だった。
おっと、感傷に浸っている場合じゃないな。このタイミングを逃すと、絶対に今日中に渡せない。この流れにのるべきだ。
俺も一度リビングを出て、自分の部屋からプレゼントを取り出す。
リビングに入る前に深呼吸し、俺はプレゼントを持ってリビングに入る。
俺のプレゼントは、上春信吾のように袋に入れていない。クリスマス用にラッピングされたものをそのまま手に持っている。
上春と強が俺とプレゼントに視線を送っている。俺は急に恥ずかしくなってきた。
くそっ! どうして、上春信吾は何のテレもなく、プレゼントを渡せるんだ?
ここらへんが父親とガキとの差なのかと思いつつ、二人にプレゼントを渡すことにした。
「上春、強。俺からもプレゼントがある。受け取ってくれないか?」
俺は二人にプレゼントを差し出す。
こみあげてくる恥ずかしさと、プレゼントを拒否されてしまう不安で手に汗が出てきた。
二人はプレゼントを受けとろうとしない。
まだ一、二秒しかたっていないはずなのに、俺には何時間にも感じてしまった。拒絶されてしまったのか、そう思ってしまったとき。
「……ありがとう、あんちゃん」
強は笑顔で、俺のプレゼントを受け取ってくれた。俺は逆にお礼を言いたい気分になった。よかった……受け取ってもらえて。
きっと、俺の機嫌を取る為に受け取ってくれたわけではない。俺を兄として認めてくれて、受け取ってくれたと信じている。
残りは上春だ。
上春は上目遣いで俺を見つめていた。強と俺の手にあるプレゼントを交互に視線を向けている。
「……本当に受け取っていいんですか、兄さん」
「当たり前だ。その為のプレゼントだ。別に無理して受け取ってくれなくてもいい」
俺はつい、ぶっきらぼうに接してしまう。本当は受け取ってほしいのに……不安で仕方ないのに。
上春はおずおずとプレゼントに手を伸ばそうとする。その手つきは不安と期待で震えているように思えた。
俺と上春はつい最近まで喧嘩していた。仲直りしたとはいえ、喧嘩した相手からプレゼントを受け取るのは抵抗があるのだろう。俺だってある。
もしかしたら、受け取ってもらえないのかもしれない。
俺は諦めて、プレゼントを引っ込めようとしたとき、上春と目が合った。上春が泣きそうな顔をしている。
おい! どっちなんだ? 受け取ってくれるのか? とらないのか?
お互い悩んでいると、
「受け取ってあげて、咲ちゃん。正道、女の子にプレゼントしたことないから、不安で怖いのよ」
「やかましい!」
こんなときに限って女は口出ししてくる。しかも、真実なので手に負えない。本当に親って厄介な生き物だ。
俺はなけなしの勇気を集め、上春に告げる、
「上春……俺達は喧嘩ばかりしてきたな。これからも、お互いの意見がぶつかると思う。でも、今日はクリスマスだ。今日くらい野暮はなしにしないか?」
俺は上春の目を見つめ、プレゼントを差し出す。
相手を傷つけてばかりの俺が、自分は傷つきたくないなんて虫のいい話だ。だから、これを機に変わらなければならない。その為の一歩だ。
今はうまくいかなかったとしてもいつの日か、誰かを幸せにできる人になってみせる。
俺一人の力では無理でも、誰かに支えてもらえたら、きっと変われると信じている。
そのための集合体なのだから……。
上春の肩を朝乃宮が優しく手を乗せる。それに勇気づけられたのか、上春は俺のプレゼントを受け取ってくれた。
「ありがとうございます、兄さん」
上春はとびっきりの笑顔を俺におくってくれた。それだけでプレゼントした甲斐があるってものだ。
俺は手を左右に振り、気にするなとジェスチャーをおくる。はぁ……ようやく、厄介事が終わった。
プレゼントも渡せたことだし、後は食事を楽しみたいのだが、まだあと一つ……。
「待ってください、兄さん!」
上春の大きな声に、何事かと全員が注目する。上春が顔を真っ赤にさせ、部屋を出ていった。
何事だ?
上春の行動に唖然としていたが、すぐに上春が戻ってきた。どうしてだろう、デジャブを感じるのだが。
上春は両腕を背中の後ろにまわしている。少し前屈みになり、上目遣いで俺を見つめている上春が、少しかわいいと思ってしまった。
「兄さん。実は私もプレゼントがあるんです。受け取ってくれませんか?」
「……もらっていいのか?」
「はい!」
上春は嬉しそうにプレゼントを差し出してきた。袋にラッピングされたプレゼントをそっと受け取る。
何かあたたかいものが胸の中に湧き上がる。クリスマスプレゼントがこんなにも嬉しいものだなんて、初めて知った。
後でゆっくりと中身を確認させていただこう。
嬉しそうに微笑む上春とは裏腹に、強の表情は曇っていた。強の考えは手に取るように分かる。
自分だけプレゼントを用意できなかったことを悔やんでいるのだろう。
俺はがしがしと強の頭を撫でる。
「来年は期待していいか?」
「……うん!」
強の返事に俺は頬が緩むのを感じていた。
来年があるかなんて分からない。もしかすると再婚がうまくいかなくて離れ離れになる可能性もある。
でも、うまくいく可能性だってあるのだ。だから、来年のことを期待しても鬼が笑う事はないだろう。
さて、これでプレゼント交換は完了……と言いたいのだが、俺のポケットの中にはまだ一つだけプレゼントが残っている。
さっさと渡してしまおう。
「朝乃宮」
「なんですの、藤堂はん。もしかして、ウチにもクリスマスプレゼントくれるん?」
「そうだ」
俺はポケットの中からプレゼントを取り出し、投げ渡す。
朝乃宮はふいのことでも、持ち前の反射神経で受け取る。
普段はすました顔をしている朝乃宮の驚いた顔を見れただけでも、プレゼントした甲斐があっただろう。
一応、朝乃宮も俺達の家族になったんだ。だから、急遽、プレゼントを用意した。
俺が朝乃宮に贈ったものは、ハンドクリームだ。
上春のプレゼントを買いに行ったとき、朝乃宮は手荒れがひどいと言っていた。だから、ハンドクリームを用意したわけだ。
「兄さん、流石です! 珍しく空気読めてます!」
「そうか。それはよかった」
「あわわわわっ!」
俺は上春の頭を鷲づかみにして、そのまま持ち上げた。
やはり、あざとい女を黙らせるのはこの手に限る。決して暴力などではない。
しばらくして、手を離してやると、上春は舌をべえっと出し、朝乃宮の後ろに隠れた。
本当にデジャブをよく感じる日だ。伊藤もいいクリスマスを過ごしていることを祈ろう。
「……おおきに、藤堂はん。ウチもプレゼントせなあきませんね」
「なんだ? 何かくれるのか?」
プレゼントしておいて、受け取らないわけにはいかない。
朝乃宮が何をプレゼントしてくれるのかは想像もつかないが、それも楽しみの一つだろう。
俺は油断していた。
朝乃宮は俺にそっと近づき……。
「!」
俺の頬に何か柔らかいものが触れた。小さな熱と共に、花の香りを感じる。
もしかして、朝乃宮は俺に口づけ……。
「だ、ダメです! この家で破廉恥な行為は禁止事項の一つです!」
上春が大げさに怒鳴っているが、朝乃宮は知らん顔だ。朝乃宮と目が合った瞬間、俺は恥ずかしくて目をそらしてしまった。
く、くそ! 油断してしまった。やはり、朝乃宮は天敵だ。
してやったつもりが、逆にしてやられた結果となってしまった。本当に情けない。
「へえ、やるじゃないの正道」
俺は女の茶化す声を無視し、ぶっきらぼうにこんがり焼けたローストチキンにかぶりついた。
ぱりっとした皮の感触と、柔らかい肉の旨みを味わいながら、気恥ずかしさを紛らわせようとする。
慣れない事はするべきではないな。
そう思いつつ、やかましくて騒がしい家族とのクリスマスを過ごすのだった。
-To be continued-
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる