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二章
二話 伊藤ほのかの挑戦 M5の逆襲編 その十一
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疲れたよ~。
試合の後も大変だった。
試合終了後、赤巻君達全員が泣き出して慰めるのに時間がかかった。
初めて負けたと聞いて耳を疑ったが、あの涙を見たら信じざるを得なかった。
ちなみにスコアは99-2です。これ、絶対泣くとこあったの? って言いたいスコア。
だけど、赤巻達を慰めたことと、一緒にバスケをしたことでお互い友情が芽生え、最後は仲良しになった。
男の子の友情っていいな……。(私はお呼びでなかったのが悲しい)
最後はみんなで記念写真を撮って解散した。(その写真には私は写っていない)
私がシャッターを切った。(三枚撮った。一枚目は普通に、二枚目は先輩のアップ、三枚目はバスケ部だけ。これはファンに売れる)
赤巻君達への謝罪は撤回され、私だけの謝罪で終わった。
もちろん、膝を突いてではなく、頭を下げてごめんなさいで。
今後バスケ部の迷惑行為は控えるとのこと。(迷惑行為は青巻君だけだったんだけどね)
悩みが解決されて、橘先輩は大喜び。終わりよければすべてよし、かな? めでたしめでたし。
そして、私はシャワールームへ。
るんらら~。
あれれ~? シャワールームにいこうとしたのにバスケ部の部室に来ちゃった! たまたま来ちゃったし、たまたま何か見ても仕方ないよね~。
そんなわけで、おじゃま~。
何か聞こえる~よ。何かな。
どきどきどき……。
「日向、どうだ? 俺のバイスクローは? お前のバスケットボール、可愛いな」
「だ、だあほぉ~~~~! ま、負けるかよ」
「おおう! やるな日向。不可侵のシュート(バリアジャンパー)か。イキそうになったぞ。今のはやばかったな。これでどうだ!」
「ほぉ! き、きよしぃ~~~、後出しの権利かっ……」
「握られるの、弱いんだな」
「ゆ、ゆきむらぁ~~~~~!」
ボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタ!
はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ!
じょ、冗談で来ただけだったのに! 本当にあった! あったよ! カラミが!
き、木吉さ~ん……何握ってるんですか~~~! 玉が小さすぎますよ~!
ひゅ、日向さ~ん……そんなとこ舐めても母乳出ませんよ~!
ナ、ナニ握ってるの~~~~~~~~~~~~!
………………。
…………。
……。
◆◆◆
「……」
「どうだった?」
スマホを閉じ、伊藤の知り合いのるりかがメールの返事の内容を俺に伝える。
「すいません。ほのほの、急用があるからってメールが返ってきました」
「そうか」
伊藤の行動について、俺は考え込んでしまう。何かが引っかかるんだが何だ?
テニスの時も試合が終わった後、伊藤の様子が変だった。それに似ている気がする。
なにがそんなに気になるのか?
どうしようもなくくだらないことだとは思うが、なぜか背筋が寒くなる。
「まあまあ、いない人、気にしてもしかたないじゃん」
「……そうだな」
須藤の意見に同意する。
今回の陰の立て役者は伊藤だ。だから、頑張った伊藤にこそ、打ち上げに来て欲しかったのだが……。
伊藤の事が気になるが、今は打ち上げを楽しもう。
風紀委員のメンバーと伊藤の友達が校門前に集まっていた。バスケ部のメンバーは練習中なのでここにはいない。
「あ、あの~、いいんですか? 部外者の私達が打ち上げに参加しても」
「いいよ。今回は迷惑かけちゃったしね。それに問題も解決できたから気分がいいんだ。嬉しいことはみんなで分け合いたいでしょ」
左近は上機嫌に答える。そんな左近を見て、俺は苦笑してしまう。
本当に目の上のたんこぶだったからな、アイツらは。けど、悪いヤツではない。
むしろ、バスケに真摯に向かい合っているハートの熱い連中だ。
「そういうことなら」
「お邪魔するし!」
二人は大喜びしている。
「ふふっ、今日は運がええわ。楽しいことばかりやし。咲、手つないでいこか?」
「こ、子ども扱いしないでください!」
「相変わらずですわね、あの二人は」
「おい、麗子。どさくさに紛れて腕を組もうとするな!」
賑やかな一団の一番後ろを俺は歩く。賑やかなのは苦手だが、たまにはこんな日があってもいいか。
気持ちのいい秋晴れの中、俺達は校門を出た。
◆◆◆
試合の後も大変だった。
試合終了後、赤巻君達全員が泣き出して慰めるのに時間がかかった。
初めて負けたと聞いて耳を疑ったが、あの涙を見たら信じざるを得なかった。
ちなみにスコアは99-2です。これ、絶対泣くとこあったの? って言いたいスコア。
だけど、赤巻達を慰めたことと、一緒にバスケをしたことでお互い友情が芽生え、最後は仲良しになった。
男の子の友情っていいな……。(私はお呼びでなかったのが悲しい)
最後はみんなで記念写真を撮って解散した。(その写真には私は写っていない)
私がシャッターを切った。(三枚撮った。一枚目は普通に、二枚目は先輩のアップ、三枚目はバスケ部だけ。これはファンに売れる)
赤巻君達への謝罪は撤回され、私だけの謝罪で終わった。
もちろん、膝を突いてではなく、頭を下げてごめんなさいで。
今後バスケ部の迷惑行為は控えるとのこと。(迷惑行為は青巻君だけだったんだけどね)
悩みが解決されて、橘先輩は大喜び。終わりよければすべてよし、かな? めでたしめでたし。
そして、私はシャワールームへ。
るんらら~。
あれれ~? シャワールームにいこうとしたのにバスケ部の部室に来ちゃった! たまたま来ちゃったし、たまたま何か見ても仕方ないよね~。
そんなわけで、おじゃま~。
何か聞こえる~よ。何かな。
どきどきどき……。
「日向、どうだ? 俺のバイスクローは? お前のバスケットボール、可愛いな」
「だ、だあほぉ~~~~! ま、負けるかよ」
「おおう! やるな日向。不可侵のシュート(バリアジャンパー)か。イキそうになったぞ。今のはやばかったな。これでどうだ!」
「ほぉ! き、きよしぃ~~~、後出しの権利かっ……」
「握られるの、弱いんだな」
「ゆ、ゆきむらぁ~~~~~!」
ボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタボタ!
はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ!
じょ、冗談で来ただけだったのに! 本当にあった! あったよ! カラミが!
き、木吉さ~ん……何握ってるんですか~~~! 玉が小さすぎますよ~!
ひゅ、日向さ~ん……そんなとこ舐めても母乳出ませんよ~!
ナ、ナニ握ってるの~~~~~~~~~~~~!
………………。
…………。
……。
◆◆◆
「……」
「どうだった?」
スマホを閉じ、伊藤の知り合いのるりかがメールの返事の内容を俺に伝える。
「すいません。ほのほの、急用があるからってメールが返ってきました」
「そうか」
伊藤の行動について、俺は考え込んでしまう。何かが引っかかるんだが何だ?
テニスの時も試合が終わった後、伊藤の様子が変だった。それに似ている気がする。
なにがそんなに気になるのか?
どうしようもなくくだらないことだとは思うが、なぜか背筋が寒くなる。
「まあまあ、いない人、気にしてもしかたないじゃん」
「……そうだな」
須藤の意見に同意する。
今回の陰の立て役者は伊藤だ。だから、頑張った伊藤にこそ、打ち上げに来て欲しかったのだが……。
伊藤の事が気になるが、今は打ち上げを楽しもう。
風紀委員のメンバーと伊藤の友達が校門前に集まっていた。バスケ部のメンバーは練習中なのでここにはいない。
「あ、あの~、いいんですか? 部外者の私達が打ち上げに参加しても」
「いいよ。今回は迷惑かけちゃったしね。それに問題も解決できたから気分がいいんだ。嬉しいことはみんなで分け合いたいでしょ」
左近は上機嫌に答える。そんな左近を見て、俺は苦笑してしまう。
本当に目の上のたんこぶだったからな、アイツらは。けど、悪いヤツではない。
むしろ、バスケに真摯に向かい合っているハートの熱い連中だ。
「そういうことなら」
「お邪魔するし!」
二人は大喜びしている。
「ふふっ、今日は運がええわ。楽しいことばかりやし。咲、手つないでいこか?」
「こ、子ども扱いしないでください!」
「相変わらずですわね、あの二人は」
「おい、麗子。どさくさに紛れて腕を組もうとするな!」
賑やかな一団の一番後ろを俺は歩く。賑やかなのは苦手だが、たまにはこんな日があってもいいか。
気持ちのいい秋晴れの中、俺達は校門を出た。
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