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一章
一話 伊藤ほのかの挑戦 落ちてきた男編 その一
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「うう……疲れた~」
制服をハンガーにかけ、スクールシャツ一枚でベットにダイブする。疲れがどっど押し寄せてきて、体が重い……高反発マットレスが心地いい……。
気怠さでゆっくりと仰向けになり、天井を見上げ、手を額に当てて、今日の出来事を振り返ってみる。
せっかく、先輩と喫茶店にいく予定だったのに、男の子が降ってきたせいで、有耶無耶になってしまった。
勇気をだして誘ったのに! 空気読んでよ~もう。
はあ……今日はいろんなことがあったよね……。
私は学年後期の委員会を風紀委員に選んだ。きっかけは恋愛のトラブルだ。
夏休み前、同じ日に三人の男の子から別々に告白された。男の子から告白されるなんて生まれて初めての経験で、しかも三人からされたのだ。頭の中が真っ白になって、返事は保留にさせてほしいとお願いした。
だって、高校に入って初の夏休み、初めての彼氏と過ごすのだから、慎重に考えたかった。
この人は私のどこを好きになったのか、私はその人の事が好きなのか、付き合うとしたらどうしたらいいのか?
彼氏と付き合うことは何度も脳内でシミュレーションしたことはあるけど、カッコいい男の子に告白されるのは夢見たけど……。
いざ、自分がその立場になると、経験がない為、分からないというのが本音だった。
友達に相談してみよう……そう思っていたのだけど、事態は私の想像をはるかに超えた展開になる。
返事をしていないのに勝手に付き合うことにされてしまった。しかも三人とも。泣きそうになった。
どうして、勝手に付き合うことになったのか問いただしても、
「別にいいだろ? たかが付き合うだけじゃねえか」
その一言で済まされてしまった。冗談じゃない! そう思って抗議したんだけど、男の子が急に不機嫌になり、逆ギレしてきたのだ。
私は怖くなって、何も言えなかった。それが付き合うのはOKととられてしまい、三人と付き合うことになってしまった。
友達には相談できなかった。だって、これって三股だから言えるはずがなかった。調子にのっていると思われるからだ。
男の子関係のトラブルは女の子の間では一番やってはいけないこと。中学にいじめを受けたこともあり、高校でまたいじめにあうかもしれない、そんな気持ちがあって言えなかった。
もちろんすぐにバレて、デートがトリプルブッキングとなり、修羅場になった。
コイツは俺のものだとか、お前はただヤリたいだけだろうがとか、他の女とヤってろとか言い争いになった。
その三人を見て、私はうんざりしていた。
自分達の事しか考えていない、私の意見は聞いてくれない、Hなことしか考えていない、私の事なんて少しも考えていない男の子達に、私は嫌気がさしていた。
それは付き合い始めてすぐに分かった。付き合って二日目で、ひと夏の経験がしたいだなんて言う男の子達に心底嫌気がさしていた。悲しかった。
先輩にも話してなかったけど、三人が私に復讐しようと企んでいた事を知ったとき、事態は私が思っているより深刻になっていたことが分かり、頭を抱えていた。
中学二年生まで、私はただの読書好きの女の子で、男の子の友達は一人もいなかった。
そんな私が変わったきっかけはある日、急に地味だと言われだしてからだ。その後、同級生から嫌味や嫌がらせを受けるようになった。
そんな現状を変えたくて、私は制服を着崩して、メイクを勉強して、流行のJPOPを歌えるようにして……いろんなことをして、同級生を見返してやりたいって思った。
好きな読書の時間を削って、お金も無駄に使って、親に化粧なんてまだ早い、だらしないと怒られて……いろんなことを我慢して得られたものが、こんな結果なんて酷すぎる。
毎日が泣きそうで……おびえて……それでも作り笑いを浮かべていた。
そんなときだ。風紀委員長、橘左近に出会ったのは。
橘風紀委員長は悩んでいた私に話しかけてくれた。橘風紀委員長は私の事情を知っていた。
しかも、条件次第では私を助けてくれると言ってくれた。
なぜ、知っているのか? この人に頼って大丈夫なのか? どんな見返りを求められるのか?
三股のことで男の人が怖かったけど、それでも、あの三人におびえ続けるよりはマシだ。正直、私は疲れ切っていた。
私は橘風紀委員長に一縷の望みをかけて助けを求めた。
橘風紀委員長はどんなマジックを使ったのか、三人と話をつけてくれた。
三人は私に一切話しかけてこなくなった。廊下ですれ違っても、三人は私から目をそらして逃げていく。
橘風紀委員長は約束を守ってくれた。だから、今度は私が約束を守る番。
橘先輩の依頼は、風紀委員のお手伝いをすること、ある問題児を更正するのを手伝ってほしいと言われた。
不安はあった。あの三股問題をすぐに解決してみせた橘先輩が私に手伝ってほしいとはどういうことだろうか? どんな問題児なのか? 危険な人なのか?
橘風紀委員長は私の顔色を読んでくれて、実際に相手するのは別の人でその人のサポートをするだけだと言ってくれた。
そして、運命の人と出会う。
藤堂正道。
身長百九十を超える長身に短髪黒髪、引き締まった体、不良も逃げ出す眼力をもつ二年生の先輩。
最初は藤堂先輩が怖くて、内心ビクビクおびえていた。私は藤堂先輩を知っていた。
不良を次々と武力で制圧する、風紀委員の武闘派筆頭。
私が知っている風紀委員は二種類のイメージがある。
一つは、校内の風紀と治安を守る役目と、校内清掃やボランティア活動といった美化委員を兼任する委員会。
もう一つは、問題のある生徒を調査し、先生にチクる嫌われ者。
藤堂先輩はチクることなく警告し、従わない場合、強制的に暴力で従わせる、そんな悪い噂があるのを知っていた。
たかが委員会がなぜ、警察の真似事をしているのか、不思議に感じていた。
でも、私には関わりのないことだと思っていた。悪いことさえしなければ目を付けられることもないと思っていた。
自業自得とはいえ、まさか、藤堂先輩と関わることになるなんて……不幸はそれだけじゃない。
藤堂先輩と顔合わせしてから、橘風紀委員長から問題児の名前が告げられる。その人物も私は知っていた。
押水一郎。
ラブコメの主人公を絵に描いたような男の子。女の子を四十人以上はべらせているプレイボーイ。
どんなイケメンで金持ちなのか、私は友達の明日香とるりかを誘って彼をこっそりと覗いて見たけど、普通の男の子だったのでがっかりしたのを覚えている。
しかも、セクハラばかりしている彼を見て、絶対に近づくまいと心に誓った。なのに……押水先輩を調査することになってしまった。
お近づきになりたくない人なのに、まさか二人同時に関わることになるとは思ってもいなかった。藤堂先輩と共に。
怖い人と苦手な人。しかも、男の子。
これは天罰かなと思った。そう考えるとこの二人の出会いは必然だと思えた。
仕方なく風紀委員のお手伝いを始めたけど、藤堂先輩の印象は最悪。
最初から服装を注意され、私を女の子扱いしてくれないことに、怖さからウザいと思うようになった。パパと同じで説教くさい。口うるさい。
そのせいで藤堂先輩に接する態度もぞんざいになって、おびえることもなくなった。藤堂先輩の名前を呼びたくなくて、先輩と呼び続けていた。
でも、先輩と接しているうちに、私の中で何かが変わった。先輩と一緒に行動して、先輩の事を少しずつ理解していった。
押水先輩の事で私の策が失敗した時、先輩に愚痴を聞いてもらって、心が軽くなった。
先輩に相棒と呼ばれて、こそばゆい気持ちになった。いつの間にか先輩の事を好きになっていた。
先輩を好きになったきっかけはなんだろう?
先輩が雨を止めてくれたことかな?
あのときは本当にびっくりしたよね。タネが分かれば当たり前のことだけど、それでも嫌なことを何もかも忘れて笑ってたっけ。
作り笑いじゃない、心の底から笑った。
私の事を相棒と呼んでくれたことかな?
小言ばかりで私を子ども扱いしていた先輩が、私を相棒って呼んでくれたとき、私の事を認めてくれた気がして嬉しかった。
最後まであきらめずに、事件を解決した姿かも。
理不尽な目にあっている人を見過ごせなくて、押水先輩を庇う生徒会長に逆らってでも、先輩は頑張ってたよね。最後まで頑張って、ハーレム問題を解決してみせた。
ううっ、先輩の事が好きになったきっかけなんて、多すぎてわからないよ。先輩の事を思い浮かべるだけで、色んな感情がわき出てきちゃうもん。
先輩はすごい。
私はいじめられたくなくて、孤立したくなくて、周りにあわせて生きてきたのに、先輩は誰に何を言われようと自分を貫き通した。
私は先輩のようになりたいし、ずっとそばにいたい。間違いなく、私は先輩に恋をしている。
少女漫画のような恋がしたいってずっと思っていた。
でも、三股のことがあったから、私が想像していた恋愛は幻想だと失望していた。でも、そんな失望を塗り替えるくらいの期待があったのだ。
恋愛小説や漫画のヒロインに憧れて、妄想していたことが、現実で自分が体験できる立場になった。
自分の恋を成就させたい。風紀委員になったのはその第一歩だ。一歩を踏み出したのはいいんだけど、先輩との仲は全然進展していない。でも、これからだから。
恋していると毎日が楽しいし、日記もつけてる。
題して『藤堂正道、復讐帳』。
先輩のせいで酷い目にあったこと、先輩への愚痴等を書き綴っている私のお気に入りの日記だ。
好きと苦情は別物だよね。(ちなみに三冊目に突入)
私のことを理解してくれない先輩が悪い!
いちいち細かいことを指摘する先輩がウザい!
でも、言い返したら、お仕置きが待っている。
だから、この日記でストレスを発散させている。
始めは冗談で書いていた。先輩との楽しい思い出を書くことがメインだったけど、愚痴が九分九厘、楽しい思い出が一厘だと仕方ないよね。
書いてみるとこれがまた楽しい。これも恋なのかな? コメディっぽい。
はあ、甘い恋がしてみたいな……。
制服をハンガーにかけ、スクールシャツ一枚でベットにダイブする。疲れがどっど押し寄せてきて、体が重い……高反発マットレスが心地いい……。
気怠さでゆっくりと仰向けになり、天井を見上げ、手を額に当てて、今日の出来事を振り返ってみる。
せっかく、先輩と喫茶店にいく予定だったのに、男の子が降ってきたせいで、有耶無耶になってしまった。
勇気をだして誘ったのに! 空気読んでよ~もう。
はあ……今日はいろんなことがあったよね……。
私は学年後期の委員会を風紀委員に選んだ。きっかけは恋愛のトラブルだ。
夏休み前、同じ日に三人の男の子から別々に告白された。男の子から告白されるなんて生まれて初めての経験で、しかも三人からされたのだ。頭の中が真っ白になって、返事は保留にさせてほしいとお願いした。
だって、高校に入って初の夏休み、初めての彼氏と過ごすのだから、慎重に考えたかった。
この人は私のどこを好きになったのか、私はその人の事が好きなのか、付き合うとしたらどうしたらいいのか?
彼氏と付き合うことは何度も脳内でシミュレーションしたことはあるけど、カッコいい男の子に告白されるのは夢見たけど……。
いざ、自分がその立場になると、経験がない為、分からないというのが本音だった。
友達に相談してみよう……そう思っていたのだけど、事態は私の想像をはるかに超えた展開になる。
返事をしていないのに勝手に付き合うことにされてしまった。しかも三人とも。泣きそうになった。
どうして、勝手に付き合うことになったのか問いただしても、
「別にいいだろ? たかが付き合うだけじゃねえか」
その一言で済まされてしまった。冗談じゃない! そう思って抗議したんだけど、男の子が急に不機嫌になり、逆ギレしてきたのだ。
私は怖くなって、何も言えなかった。それが付き合うのはOKととられてしまい、三人と付き合うことになってしまった。
友達には相談できなかった。だって、これって三股だから言えるはずがなかった。調子にのっていると思われるからだ。
男の子関係のトラブルは女の子の間では一番やってはいけないこと。中学にいじめを受けたこともあり、高校でまたいじめにあうかもしれない、そんな気持ちがあって言えなかった。
もちろんすぐにバレて、デートがトリプルブッキングとなり、修羅場になった。
コイツは俺のものだとか、お前はただヤリたいだけだろうがとか、他の女とヤってろとか言い争いになった。
その三人を見て、私はうんざりしていた。
自分達の事しか考えていない、私の意見は聞いてくれない、Hなことしか考えていない、私の事なんて少しも考えていない男の子達に、私は嫌気がさしていた。
それは付き合い始めてすぐに分かった。付き合って二日目で、ひと夏の経験がしたいだなんて言う男の子達に心底嫌気がさしていた。悲しかった。
先輩にも話してなかったけど、三人が私に復讐しようと企んでいた事を知ったとき、事態は私が思っているより深刻になっていたことが分かり、頭を抱えていた。
中学二年生まで、私はただの読書好きの女の子で、男の子の友達は一人もいなかった。
そんな私が変わったきっかけはある日、急に地味だと言われだしてからだ。その後、同級生から嫌味や嫌がらせを受けるようになった。
そんな現状を変えたくて、私は制服を着崩して、メイクを勉強して、流行のJPOPを歌えるようにして……いろんなことをして、同級生を見返してやりたいって思った。
好きな読書の時間を削って、お金も無駄に使って、親に化粧なんてまだ早い、だらしないと怒られて……いろんなことを我慢して得られたものが、こんな結果なんて酷すぎる。
毎日が泣きそうで……おびえて……それでも作り笑いを浮かべていた。
そんなときだ。風紀委員長、橘左近に出会ったのは。
橘風紀委員長は悩んでいた私に話しかけてくれた。橘風紀委員長は私の事情を知っていた。
しかも、条件次第では私を助けてくれると言ってくれた。
なぜ、知っているのか? この人に頼って大丈夫なのか? どんな見返りを求められるのか?
三股のことで男の人が怖かったけど、それでも、あの三人におびえ続けるよりはマシだ。正直、私は疲れ切っていた。
私は橘風紀委員長に一縷の望みをかけて助けを求めた。
橘風紀委員長はどんなマジックを使ったのか、三人と話をつけてくれた。
三人は私に一切話しかけてこなくなった。廊下ですれ違っても、三人は私から目をそらして逃げていく。
橘風紀委員長は約束を守ってくれた。だから、今度は私が約束を守る番。
橘先輩の依頼は、風紀委員のお手伝いをすること、ある問題児を更正するのを手伝ってほしいと言われた。
不安はあった。あの三股問題をすぐに解決してみせた橘先輩が私に手伝ってほしいとはどういうことだろうか? どんな問題児なのか? 危険な人なのか?
橘風紀委員長は私の顔色を読んでくれて、実際に相手するのは別の人でその人のサポートをするだけだと言ってくれた。
そして、運命の人と出会う。
藤堂正道。
身長百九十を超える長身に短髪黒髪、引き締まった体、不良も逃げ出す眼力をもつ二年生の先輩。
最初は藤堂先輩が怖くて、内心ビクビクおびえていた。私は藤堂先輩を知っていた。
不良を次々と武力で制圧する、風紀委員の武闘派筆頭。
私が知っている風紀委員は二種類のイメージがある。
一つは、校内の風紀と治安を守る役目と、校内清掃やボランティア活動といった美化委員を兼任する委員会。
もう一つは、問題のある生徒を調査し、先生にチクる嫌われ者。
藤堂先輩はチクることなく警告し、従わない場合、強制的に暴力で従わせる、そんな悪い噂があるのを知っていた。
たかが委員会がなぜ、警察の真似事をしているのか、不思議に感じていた。
でも、私には関わりのないことだと思っていた。悪いことさえしなければ目を付けられることもないと思っていた。
自業自得とはいえ、まさか、藤堂先輩と関わることになるなんて……不幸はそれだけじゃない。
藤堂先輩と顔合わせしてから、橘風紀委員長から問題児の名前が告げられる。その人物も私は知っていた。
押水一郎。
ラブコメの主人公を絵に描いたような男の子。女の子を四十人以上はべらせているプレイボーイ。
どんなイケメンで金持ちなのか、私は友達の明日香とるりかを誘って彼をこっそりと覗いて見たけど、普通の男の子だったのでがっかりしたのを覚えている。
しかも、セクハラばかりしている彼を見て、絶対に近づくまいと心に誓った。なのに……押水先輩を調査することになってしまった。
お近づきになりたくない人なのに、まさか二人同時に関わることになるとは思ってもいなかった。藤堂先輩と共に。
怖い人と苦手な人。しかも、男の子。
これは天罰かなと思った。そう考えるとこの二人の出会いは必然だと思えた。
仕方なく風紀委員のお手伝いを始めたけど、藤堂先輩の印象は最悪。
最初から服装を注意され、私を女の子扱いしてくれないことに、怖さからウザいと思うようになった。パパと同じで説教くさい。口うるさい。
そのせいで藤堂先輩に接する態度もぞんざいになって、おびえることもなくなった。藤堂先輩の名前を呼びたくなくて、先輩と呼び続けていた。
でも、先輩と接しているうちに、私の中で何かが変わった。先輩と一緒に行動して、先輩の事を少しずつ理解していった。
押水先輩の事で私の策が失敗した時、先輩に愚痴を聞いてもらって、心が軽くなった。
先輩に相棒と呼ばれて、こそばゆい気持ちになった。いつの間にか先輩の事を好きになっていた。
先輩を好きになったきっかけはなんだろう?
先輩が雨を止めてくれたことかな?
あのときは本当にびっくりしたよね。タネが分かれば当たり前のことだけど、それでも嫌なことを何もかも忘れて笑ってたっけ。
作り笑いじゃない、心の底から笑った。
私の事を相棒と呼んでくれたことかな?
小言ばかりで私を子ども扱いしていた先輩が、私を相棒って呼んでくれたとき、私の事を認めてくれた気がして嬉しかった。
最後まであきらめずに、事件を解決した姿かも。
理不尽な目にあっている人を見過ごせなくて、押水先輩を庇う生徒会長に逆らってでも、先輩は頑張ってたよね。最後まで頑張って、ハーレム問題を解決してみせた。
ううっ、先輩の事が好きになったきっかけなんて、多すぎてわからないよ。先輩の事を思い浮かべるだけで、色んな感情がわき出てきちゃうもん。
先輩はすごい。
私はいじめられたくなくて、孤立したくなくて、周りにあわせて生きてきたのに、先輩は誰に何を言われようと自分を貫き通した。
私は先輩のようになりたいし、ずっとそばにいたい。間違いなく、私は先輩に恋をしている。
少女漫画のような恋がしたいってずっと思っていた。
でも、三股のことがあったから、私が想像していた恋愛は幻想だと失望していた。でも、そんな失望を塗り替えるくらいの期待があったのだ。
恋愛小説や漫画のヒロインに憧れて、妄想していたことが、現実で自分が体験できる立場になった。
自分の恋を成就させたい。風紀委員になったのはその第一歩だ。一歩を踏み出したのはいいんだけど、先輩との仲は全然進展していない。でも、これからだから。
恋していると毎日が楽しいし、日記もつけてる。
題して『藤堂正道、復讐帳』。
先輩のせいで酷い目にあったこと、先輩への愚痴等を書き綴っている私のお気に入りの日記だ。
好きと苦情は別物だよね。(ちなみに三冊目に突入)
私のことを理解してくれない先輩が悪い!
いちいち細かいことを指摘する先輩がウザい!
でも、言い返したら、お仕置きが待っている。
だから、この日記でストレスを発散させている。
始めは冗談で書いていた。先輩との楽しい思い出を書くことがメインだったけど、愚痴が九分九厘、楽しい思い出が一厘だと仕方ないよね。
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