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145:中秋の名月
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「もきゅもきゅもきゅ」
「もきゅもきゅもきゅ」
「……」
「もきゅもきゅもきゅ」
「もきゅもきゅもきゅ」
「なぁ……」
「……なんですか、藤堂先輩?」
「どうかしましたか、先輩?」
「俺達は何をしているんだ?」
「月見です」
「それにちなんで、月見バーガー、月見団子、お月見そば、栗ご飯、けんちん汁、うさぎまんじゅうを食べていますね」
「なぜ、俺が作らなければならない? それに二十時が最終下校時刻を過ぎているんだが」
「藤堂先輩なら頼めばなんでも作って……いえ、どうせなら、料理の美味い藤堂先輩にお願いしたかったんです」
「かたいことはいいっこなしです。先輩も学校の屋上にいるんですから、共犯です」
「いや、それなら、さっさと帰ろう……」
「ちなみに九月の満月はハーベストムーンって呼ばれてますけど、意味分かります?」
「……無視かよ。まず、ハーベストムーンは収穫の月って意味だな。アメリカの農事暦で、秋分の頃合いが農作物を収穫する時期になる。日本では中秋の名月、もしくは芋名月に該当する。ただ、十三夜、十日夜があり、その時々にお供えするモノが違う。終わってから食べるモノもあるから、紫苑がリクエストした食べ物はごっちゃになってるんだぞ」
「いいじゃないですか~美味しいモノが食べられるのなら」
「紫苑さんの意見に賛成!」
「お、お前等なぁ……」
「十三夜、十日夜も月が見れたらいいですね~。藤堂先輩、知ってます? その三日間で綺麗な月が見れたら縁起が良いんですって」
「知ってるが、紫苑の目的はご馳走になりたいだけだろ?」
「先輩、月が綺麗ですねって私に言ってもいいんですよ?」
「星の方が綺麗ですよって返せばいいか?」
「ひどい!」
「あっ、十五夜と中秋の名月って違うんでしたっけ?」
「あるとすれば、十五夜は新月の日から数えて十五日目の夜とも解釈されるから、そこじゃないか? 中秋の名月は年に一回。十五夜は毎月だからな」
「なるほど~。まあ、どうでもいいです」
「よくないだろ……」
「月見団子、いただきま~す」
「聞いちゃいねえ」
「あああ! 私が食べようと思っていたヤツ!」
「早いモノ勝ちです~」
「……し、紫苑さん、嫁入り前の娘は月見団子を食べてはいけないって言葉、知らないんですか?」
「なに、その時代錯誤でゴミカス屑のようなセクハラまがいの言葉は? それにブーメランですよ、伊藤さん。というわけで、もう一つ」
「ああああああああ! せ、先輩~」
「今のはまあ……伊藤が悪い? のかもな」
「もきゅもきゅもきゅ」
「……」
「もきゅもきゅもきゅ」
「もきゅもきゅもきゅ」
「なぁ……」
「……なんですか、藤堂先輩?」
「どうかしましたか、先輩?」
「俺達は何をしているんだ?」
「月見です」
「それにちなんで、月見バーガー、月見団子、お月見そば、栗ご飯、けんちん汁、うさぎまんじゅうを食べていますね」
「なぜ、俺が作らなければならない? それに二十時が最終下校時刻を過ぎているんだが」
「藤堂先輩なら頼めばなんでも作って……いえ、どうせなら、料理の美味い藤堂先輩にお願いしたかったんです」
「かたいことはいいっこなしです。先輩も学校の屋上にいるんですから、共犯です」
「いや、それなら、さっさと帰ろう……」
「ちなみに九月の満月はハーベストムーンって呼ばれてますけど、意味分かります?」
「……無視かよ。まず、ハーベストムーンは収穫の月って意味だな。アメリカの農事暦で、秋分の頃合いが農作物を収穫する時期になる。日本では中秋の名月、もしくは芋名月に該当する。ただ、十三夜、十日夜があり、その時々にお供えするモノが違う。終わってから食べるモノもあるから、紫苑がリクエストした食べ物はごっちゃになってるんだぞ」
「いいじゃないですか~美味しいモノが食べられるのなら」
「紫苑さんの意見に賛成!」
「お、お前等なぁ……」
「十三夜、十日夜も月が見れたらいいですね~。藤堂先輩、知ってます? その三日間で綺麗な月が見れたら縁起が良いんですって」
「知ってるが、紫苑の目的はご馳走になりたいだけだろ?」
「先輩、月が綺麗ですねって私に言ってもいいんですよ?」
「星の方が綺麗ですよって返せばいいか?」
「ひどい!」
「あっ、十五夜と中秋の名月って違うんでしたっけ?」
「あるとすれば、十五夜は新月の日から数えて十五日目の夜とも解釈されるから、そこじゃないか? 中秋の名月は年に一回。十五夜は毎月だからな」
「なるほど~。まあ、どうでもいいです」
「よくないだろ……」
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「……し、紫苑さん、嫁入り前の娘は月見団子を食べてはいけないって言葉、知らないんですか?」
「なに、その時代錯誤でゴミカス屑のようなセクハラまがいの言葉は? それにブーメランですよ、伊藤さん。というわけで、もう一つ」
「ああああああああ! せ、先輩~」
「今のはまあ……伊藤が悪い? のかもな」
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