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139:夏休みの宿題
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「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「だ~か~ら~! 小説で黙ってしまうと放送事故になりますって! ちなみ、私と先輩、紫苑さんは夏休みの宿題をやっています!」
「あ、あの、藤堂先輩……伊藤さん、何を言って……」
「病気だ」
「一言で斬り捨てた! いつもは苦悩していたのに!」
「面倒なんだよ。それよりも宿題を進めたい」
「あの、先輩。実は夏休みの宿題がないところもあるのって知ってました?」
「大学ですか~?」
「いえ、紫苑さん。小学校です」
「なんですって!」
「いい反応ありがとうございます、紫苑さん。夏休みの宿題は親の負担が大きくなるので、廃止、もしくは縮小するところがあるみたいです。勿論、宿題をなくして子供の自主性を高めるといった事なども含まれているみたいです」
「……親に手伝ってもらっていいのか?」
「まあ、自由研究は流石に小学生は難しいかもですね。今まで研究結果の発表とか授業でやったことないのに、いきなりですからね」
「あっ、それは言えるかも~」
「……確かにな。だが、今は日記とかネットで天候を調べられるから、イージーモードだと思うんだけどな。朝顔の観察も、タブレットで写真撮っておいて、後で適当に絵を描けばいいしな」
「ハハハッ、確かに。日記は過去の新聞で天気を調べるしかないですけど、外れていたときもありますし、嘘を書くとバレてしまうことがあったみたいですね。パパンが言ってました」
「ちなみに藤堂先輩と伊藤さんは夏休みの宿題は賛成ですか~? 反対ですか~?」
「賛成」
「反対!」
「予想通りですね~。藤堂先輩はどうして、賛成なんですか~」
「俺的には楽しかった想い出になったからな。小学生の時にやった図画工作が金賞とったんだ。親友の健司と一緒に作ったから、感慨深いんだ」
「へえ~、意外ですね~。ちなみにどんなものを作ったんですか?」
「1/144スケール スカイツリー」
「ガンプラか!」
「それでも四メートル以上あるんですけど!」
「ふっ、そんなバカなことを本気でやっていたから、楽しかったんだ」
「……う、ううん……男の子ってそういうとこ、あるんですね~。伊藤さんのご意見を聞きましょうか?」
「……愚弟よ」
「はい?」
「私が心血注いで書いた読書感想文や金賞確実のアンティノウスの石膏を……あの愚弟が……あの愚弟が……全部台無しにして……台無しにして……絶対にコロス……」
「闇が深いですね~」
「いろいろとな」
「まあ、夏休みの宿題は計画的にってことで」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「……」
カキカキカキ……。
「だ~か~ら~! 小説で黙ってしまうと放送事故になりますって! ちなみ、私と先輩、紫苑さんは夏休みの宿題をやっています!」
「あ、あの、藤堂先輩……伊藤さん、何を言って……」
「病気だ」
「一言で斬り捨てた! いつもは苦悩していたのに!」
「面倒なんだよ。それよりも宿題を進めたい」
「あの、先輩。実は夏休みの宿題がないところもあるのって知ってました?」
「大学ですか~?」
「いえ、紫苑さん。小学校です」
「なんですって!」
「いい反応ありがとうございます、紫苑さん。夏休みの宿題は親の負担が大きくなるので、廃止、もしくは縮小するところがあるみたいです。勿論、宿題をなくして子供の自主性を高めるといった事なども含まれているみたいです」
「……親に手伝ってもらっていいのか?」
「まあ、自由研究は流石に小学生は難しいかもですね。今まで研究結果の発表とか授業でやったことないのに、いきなりですからね」
「あっ、それは言えるかも~」
「……確かにな。だが、今は日記とかネットで天候を調べられるから、イージーモードだと思うんだけどな。朝顔の観察も、タブレットで写真撮っておいて、後で適当に絵を描けばいいしな」
「ハハハッ、確かに。日記は過去の新聞で天気を調べるしかないですけど、外れていたときもありますし、嘘を書くとバレてしまうことがあったみたいですね。パパンが言ってました」
「ちなみに藤堂先輩と伊藤さんは夏休みの宿題は賛成ですか~? 反対ですか~?」
「賛成」
「反対!」
「予想通りですね~。藤堂先輩はどうして、賛成なんですか~」
「俺的には楽しかった想い出になったからな。小学生の時にやった図画工作が金賞とったんだ。親友の健司と一緒に作ったから、感慨深いんだ」
「へえ~、意外ですね~。ちなみにどんなものを作ったんですか?」
「1/144スケール スカイツリー」
「ガンプラか!」
「それでも四メートル以上あるんですけど!」
「ふっ、そんなバカなことを本気でやっていたから、楽しかったんだ」
「……う、ううん……男の子ってそういうとこ、あるんですね~。伊藤さんのご意見を聞きましょうか?」
「……愚弟よ」
「はい?」
「私が心血注いで書いた読書感想文や金賞確実のアンティノウスの石膏を……あの愚弟が……あの愚弟が……全部台無しにして……台無しにして……絶対にコロス……」
「闇が深いですね~」
「いろいろとな」
「まあ、夏休みの宿題は計画的にってことで」
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