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100:大掃除
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「も~いくつ寝ると~ 和尚がツ~
和尚が二人 絡み合って~
薄い本が 売れていく~」
「「……」」」
「どうしたんですか、先輩に紫苑さん。黙っていたら放送事故案件ですよ? ちなみに今日は風紀委員最後のシメとして、風紀委員室を大掃除しています」
「あの人何言ってるんですか、藤堂先輩~。ちょっと怖いです」
「すまん! 本当にすまん! 今年も伊藤の病気を治療できなかった。俺の責任だ!」
「ちょいちょいちょい! 人を頭の残念な人扱いしないでください! 後、先輩から半径三十メートル離れてくださいね、紫苑さん」
「同じ部屋にいられないじゃないですか~。藤堂先輩~伊藤さんがいじめる~」
「おい、伊藤。お前は風紀委員として先輩なんだから、ちゃんと面倒を見ろ」
「ううっ……紫苑さんばかり贔屓にしてるし……」
「藤堂先輩~、これ重いです~」
「これは俺が持つから橘はホウキをやってくれ」
「藤堂先輩、力持ち~頼りになりますね~」
「ちょい、泥棒猫。それ以上、先輩に色目使うと粗大ゴミにだしますよ?」
「や~だ~藤堂先輩~、怖い~」
「それは私への挑戦と受け取った! このブラコン!」
「かかってこいや! メロン!」
バッ……
「せ、先輩……たしゅけて……」
「……伊藤、頼むから瞬殺されるのはやめてくれ。せめて、バキッ! ドガッ! バキッ! っくらいのやりとりくらいさせてみろ。橘、頼む。離してやってくれ」
「藤堂先輩も大変ですよね~」
「全くだ」
「紫苑、貴様は私の……私の……」
「おい、名台詞入れるほど善戦してないだろうが。さっさと掃除しろ」
「ううっ……そういえば、先輩。どうして、年末に大掃除するんでしょうね?」
「……煤払いが元ネタだな。一年間の間に積もりに積もった煤を払って、神様を迎える準備をするのが年末に大掃除をする風習だ」
「ちなみにお掃除っていつまでにすればいいんですか? 大晦日までですかね?」
「いや、12/13から12/28までだな」
「? 藤堂先輩、どうして、12/13から何ですか?」
「江戸時代に徳川幕府が煤払いの日として定めたのが12月13日だからだ。その日は「鬼宿日」と呼ばれていて、婚礼に関わること以外は全て大吉とされる吉日なんだそうだ。年神様を迎える準備を始めるのにふさわしいということで12/13が選ばれた」
「へえ~そうなんですね~。でも、12/29に掃除するのはダメなんですか?」
「29日は二重の苦、縁起が悪いっていうのが理由だ。31日は掃除した後に正月に飾り付けすると、一夜飾りと見なされて縁起が悪いからって理由がある。正月に掃除をすると、お迎えした神様を払うことになるからNGだ。洗濯も福を洗い流すってことで縁起が悪いって言われているぞ」
「いろいろあるんですね~。大掃除の日付なんて全然気にしてなかったです~」
「日本人はそういうことろ大事にしますからね」
「よし! 掃除終了! お疲れ様!」
「おつ~」
「お疲れ様です! んん~~~疲れましたね~。大掃除が終わると一年の終わりってカンジがしますね、先輩」
「そうだな。一年の労をねぎらって甘味処で何かおごってやる」
「やった!」
「ゴチになります~」
和尚が二人 絡み合って~
薄い本が 売れていく~」
「「……」」」
「どうしたんですか、先輩に紫苑さん。黙っていたら放送事故案件ですよ? ちなみに今日は風紀委員最後のシメとして、風紀委員室を大掃除しています」
「あの人何言ってるんですか、藤堂先輩~。ちょっと怖いです」
「すまん! 本当にすまん! 今年も伊藤の病気を治療できなかった。俺の責任だ!」
「ちょいちょいちょい! 人を頭の残念な人扱いしないでください! 後、先輩から半径三十メートル離れてくださいね、紫苑さん」
「同じ部屋にいられないじゃないですか~。藤堂先輩~伊藤さんがいじめる~」
「おい、伊藤。お前は風紀委員として先輩なんだから、ちゃんと面倒を見ろ」
「ううっ……紫苑さんばかり贔屓にしてるし……」
「藤堂先輩~、これ重いです~」
「これは俺が持つから橘はホウキをやってくれ」
「藤堂先輩、力持ち~頼りになりますね~」
「ちょい、泥棒猫。それ以上、先輩に色目使うと粗大ゴミにだしますよ?」
「や~だ~藤堂先輩~、怖い~」
「それは私への挑戦と受け取った! このブラコン!」
「かかってこいや! メロン!」
バッ……
「せ、先輩……たしゅけて……」
「……伊藤、頼むから瞬殺されるのはやめてくれ。せめて、バキッ! ドガッ! バキッ! っくらいのやりとりくらいさせてみろ。橘、頼む。離してやってくれ」
「藤堂先輩も大変ですよね~」
「全くだ」
「紫苑、貴様は私の……私の……」
「おい、名台詞入れるほど善戦してないだろうが。さっさと掃除しろ」
「ううっ……そういえば、先輩。どうして、年末に大掃除するんでしょうね?」
「……煤払いが元ネタだな。一年間の間に積もりに積もった煤を払って、神様を迎える準備をするのが年末に大掃除をする風習だ」
「ちなみにお掃除っていつまでにすればいいんですか? 大晦日までですかね?」
「いや、12/13から12/28までだな」
「? 藤堂先輩、どうして、12/13から何ですか?」
「江戸時代に徳川幕府が煤払いの日として定めたのが12月13日だからだ。その日は「鬼宿日」と呼ばれていて、婚礼に関わること以外は全て大吉とされる吉日なんだそうだ。年神様を迎える準備を始めるのにふさわしいということで12/13が選ばれた」
「へえ~そうなんですね~。でも、12/29に掃除するのはダメなんですか?」
「29日は二重の苦、縁起が悪いっていうのが理由だ。31日は掃除した後に正月に飾り付けすると、一夜飾りと見なされて縁起が悪いからって理由がある。正月に掃除をすると、お迎えした神様を払うことになるからNGだ。洗濯も福を洗い流すってことで縁起が悪いって言われているぞ」
「いろいろあるんですね~。大掃除の日付なんて全然気にしてなかったです~」
「日本人はそういうことろ大事にしますからね」
「よし! 掃除終了! お疲れ様!」
「おつ~」
「お疲れ様です! んん~~~疲れましたね~。大掃除が終わると一年の終わりってカンジがしますね、先輩」
「そうだな。一年の労をねぎらって甘味処で何かおごってやる」
「やった!」
「ゴチになります~」
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