藤堂正道と伊藤ほのかのおしゃべり

Keitetsu003

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93:青島高等学校七不思議 その六 トイレの……

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「正に怪奇現象だった……さ、流石にちゅかれた~」

(七不思議の調査に巻き込まれて、やっとのことで校舎から出ることが出来たけど……私は校舎内に戻っていた。なぜなら……)

「トイレ……もれそう……」
「姉ちゃん!」
「! 危なぁ! もう少しで漏れるところだった……この愚弟が!」
「あ痛ぁ! 何するんだよ、姉ちゃん!」
「なんで剛がここにいるわけ! それに……」
「こんばんは」
「誰? 剛のお友達?」
「うえ……蔵屋敷強です」

「ほぉ……剛、いい趣味してるじゃない。見直したわ!」
「ちげえから。そんないい笑顔で言うな。気持ち悪い」
「またまた! このこの!」
「やめぃ!」
「?」

「強、気をつけろよ。そこにいる姉貴は不治の病におかされてるんだ」
「なかなかいいこと言うじゃない、剛! 女はみんな死ぬまで貴腐人なのよ!」
「褒めてねえし……業が深すぎる」
「?」

「ううっ……こんなことしている場合じゃなかった。トレイにいかないと」
「姉ちゃん、うんこか! うんこなのか!」
「黙れ、愚弟! 私は今、ぴんちなの。そこをどきなさい」
「……七不思議の一つがトイレだけど、大丈夫?」
「……なんですと?」

「そういや、トイレのアレってめちゃ有名だよな」
「まさか……ここにきて……自ら七不思議に飛び込もうとするなんて……孔明の罠か!」
「そんなドヤ顔で言われても格好悪いぜ、姉ちゃん!」
「……結局、アンタ達はどうしてここにいるわけ? もう一時でしょ……」
「姉ちゃんが帰ってこないから探しに来てやったんだよ。強と一緒にな!」
「……無理矢理連れてこられた」
「……そう……それとどうして青島高校の七不思議を知っているの?」
「有名じゃん」

「それで……どっちなわけ?」
「どっちとは?」
「花子さん? それとも花男君?」
「?」
「男か女か聞いてるの! 花子さんなら怖いでしょ!」
「……どっちだっけ、強?」
「確か花……」
「子? 男?」

「花人だったと思う」
「……どっち? どっちなの! 男? 女? 分からないから怖くてトイレにいけない……って、別に三階にいかなければいいだけだよね! では!」
「姉ちゃん!」
「もう少しでトイレに……って、清掃中? 嘘でしょ! こんな夜中一時に清掃とかありえないでしょ! でも、なんか入るの怖いし……こうなったら、二階に……」


 ……。


「に、二階も清掃中! 絶対におかしい! おかしいけど……が、我慢の限界……三階へ……」


 ……。


「ううっ……なんで三番目のドアしかあいてないのよ……おかしいでしょ……もう、無理……」


 ……。


「ギリギリセーフ! では、さっさと出ないと……あ、あれ? ドアが開かない……嘘でしょ!」

 ピンポン!

「自ら三番目のドアに……」
「この変態! さっさと開けなさい! 訴えるわよ!」
「……」



「状況を考えなさいよね! やっていいことと悪いことがあるでしょうが! ったく……」
「では、外に出たので再開しよう。もし、我が問いに答えられなければ、トイレに流されて地獄に堕ちてもらう!」
「嫌すぎる!」
「では、第1問。トイレの日はいつ?」
「11月10日! 11(イイ)10(トイレ)だから……って言いたいけど、10がトイレって強引すぎるような……」
「では第2問。『WC』の意味は?」
「Water Closet(ウォータークローゼット)」
「ラスト! 一昔前まで中国ではトイレットペーパーのことを何て書いていた?」
「手紙!」

「よろしい! 汝の罪を許そう。それではこの場から去るがいい!」
「いや、何の罪で許されたわけ? それにしても、トイレの雑学が詳しい女子高生って……」
「安心したまえ! 藤堂正道は『うんこ』と『うんち』の違いを明確に言える高校生だ」
「確か本編の『第七部 俺達の家族 -団結編-』の『プロローグ 今年もよろしくな その一』で語られたエピソードですよね? 相棒共々変態じゃない……」
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