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75:織田ほのか信長の野望 三角関係?

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「……」
「ちょり~す、濃姫。なにしてるの?」
「……殿、そのちょりすとは南蛮の言葉ですか?」
「そうだけど、どう? 気が抜けるでしょ~?」
「……貴方は相変わらずですね。貴方が女のせいで、私はどれだけ微妙な立場か……」
「ご、ごめんね。けど、しかたないじゃん。性別は選べないんだし」
「……そうね。けど、私を濃姫と呼ぶのはやめて。本当の名前じゃない」
「ええっと、確か美濃からきた姫だから美濃姫、略して濃姫だっけ? 帰蝶って呼んだ方がいい?」
「そうね」

(帰蝶の本命は諸説あるので、一応帰蝶で統一します。みんなは知っていると思うけど、一応説明しておくね。帰蝶はお隣の美濃のお姫様で、斎藤道三さんの娘さんってわけ。昔は争っていたんだけど、和睦することになったの。織田家との和睦の条件が織田信秀の嫡男、吉法師丸と娘とを結婚させること。でも、吉法師丸=信長=私ことほのかだったわけで結婚できず、とりあえず、お互い人質を預けることで妥協したわけ。でも……)

「ごめんね、帰蝶」
「どうして謝るの?」
「……まだ美濃を奪還していないから。美濃国を譲り受けたのに……敵討ちもできていない」
「……仕方ないわよ。この世は弱肉強食。弱ければ死ぬのみ。女の私には何もできない」

(戦国時代ってドラマや小説では女性の地位は低くて政治の道具に使われているってイメージがあるけど、ほんの少し前までは女性の地位は高かったんだって。結婚も、男性から女性に会いに行き、求婚していたみたい。ホント、この戦国時代って力が支配する世界だよね)

「そんなことないよ。女の子はもっと自由に生きていいもん。好きな人と結婚して、好きなときに旅行にいって、好きなモノを食べて……自由にいきられる時代がくるの。勿論、力なんて関係なくね」
「ありえないわ……そんな未来」
「来るよ(だって、私が生きていた未来の世界はそうだし)」
「……それなら、あの人と……」
「えっ? 帰蝶って好きな人がいるの? 誰? ねえ、教えてよ。誰にも言わないから」
「それ、絶対に言うでしょ。でも、いいわ。隠すようなことじゃないし。彦太郎よ。今は十兵衛かしら。いとこなの」

(へえ……そういえば、現代でもいとこ同士は4親等だから結婚してもセーフだっけ。あれ? 十兵衛って誰だっけ? 何かイヤな予感がするんだけど……まさか、明智光秀……じゃないよね? もし、そうなら、奇妙な縁だよね)

「ほのか?」
「いえ、なんでもありません。帰蝶が好きな人を教えてくれたんだから、私も教えないとね」
「いえ、結構よ。何度その話をするつもり? 聞き飽きたわ」
「私の好きな人は、何を隠そう……」
「……聞いてないわね。でも、ほのかのいう時代がくるのかしら? 彼女は確信しているけど、信じられないわ。でも、本当にそんな世界が来るのなら……私は……」
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